ポケモンカードの熱狂ぶりから考える転売という現実と夢を売る商売の葛藤

今ポケモンカードの人気が物凄いようだ。ニュースでカード購入の為に並んでいる人たちへ取材をするほど過熱している。

僕も子どもの頃はポケモンカードを持っていたし、何なら遊戯王カードの方が結構お金を使った記憶がある。遊戯王については原作とかカードで遊ぶ時のルールとか、よく分からない状態で何故だか分からないけどクラスメイトの影響もあって集めていた気がする。

今でも覚えているのは僕にとってよく分からないカードだったけど、レアカードが購入したカードの中に入っていると「やった!」というワクワクした気持ちがあった事だ。僕が子どもの頃なのでもう・・・20年以上前の話だが、初めて購入した遊戯王のカードにレアカードのブラックマジシャンが入っていた事は鮮明に覚えている。普通のカードとは違う、施しやキラキラ感がより一層買い手の心を揺さぶるのだろうなと今では思っている。


当時ルールをさっぱり理解していなかった僕はクラスメイトと遊戯王のトレカで勝負し、レアカードを好きなだけ取られるような感じだった。火の粉だったか何だか忘れてしまったけど、魔法カードばかりで攻撃されあっという間に負けるという展開。それ以降僕はトレカ集めをきっぱり辞めた。

当時の僕は本当にバカだった。
何の為にレアカードを集めていたのだろうとか、好きでもないのに何で集めているのだろうかとか、今までお金をかけてきた事とか色々な事が頭を過った。そもそも負けたら相手から好きにカードを取っても良いというルールがあったのだろうかと今では疑問に思うのだが、何も知らなかった僕はその真偽を確かめる事は出来ない。あと学校のクラブで絵を描く題材を各自持参した時、僕はそれらのカードを持参してデッサンしていたのだが少し目を離した隙にレアカードが何者かによって傷付けられていた。ブルーアイズホワイトドラゴンのカードだった。結局犯人は分からずじまい。

・・・まあそんな事もあって僕はトレカが大嫌いになった。

僕が子どもの頃は今と違ってトレカは遊び道具としての一面が大きかったように思える。たとえレアカードだとしてもそれは強いカードで戦いを有利に出来るものとして存在価値が高かったと感じる。

でも今はどうだろう?
昔と変わらずトレカとして遊ぶ人がいる一方、コレクターや投資目的でカードを集める人が多くなったように感じている。

好きなものをたくさん集めたいという気持ちは僕にもあるのでコレクターの気持ちは分かる気がする。
一方で転売をする為、投資目的で購入するという人の気持ちも分からなくはない。数百円でもしかしたら何十万にもなるかもしれないという現実がそこにあったら、一種宝くじのような感覚の人だっているのだろう。実際に当時僕が集めていたカードに高値が付くものがあったとしたら僕は喜んで売るだろう。僕にとっては必要ないカードを誰かが購入し、僕が好きなものを買えるお金と交換してくれるのだからね…。

とはいっても現在そのカードは手元に全く無い。多分捨てたと思う。


資本主義の世界だと夢と現実の間に大きな乖離があるなとトレカを通じて考えさせられる。純粋にその作品が好きで集めている子どもや大人の夢と、お金になるという現実から半ば強引な形で夢を壊しかねない「一部の大人」たちとの攻防戦。

残酷な言い方をすれば資本主義の世界なので
人気作品で老若男女関わらずカードが売れる
レアカードに価値が出てくる
それ欲しさに買う人がいる
お金が大きく動く
以下ループ

の感じである意味WINWINな人が多いような気もする。


僕としては転売全てが悪いとは思わない。昨日までめちゃくちゃ欲しくて買って喜んでいたけど、3日ぐらいして要らなくなったりしたら売ろうっていう事だって人間には有り得るから。懸賞で当たったものが自分では不要なものだったとかそういうケースもあったりするので。

ただ最初から高く売るつもりで買い占めて転売するのはどうなのかな?
強引な手段を用いて買占めしたり、騒動を巻き起こしたりする人が一定数いるので迷惑を被る人は多くいる。

何か画期的な方法があれば1番良いのだが現状無いに等しい。
これからもこの問題が続くのは確かだ。

夢と現実、資本主義の世界はこれらとどう関わっていくのだろう?

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マイナンバーカードがある程度普及してきたのだから、フリマサイトか国が「悪質な転売者」に対して対策強化をすればいいような気はする。
マイナカードと売り上げを紐付けして管理したら良いんじゃないかな?
フリマサイトは手数料で儲け、国は「悪質な転売者」に税金を納めさせる。

資本主義の世界はそれが正解なのかもよ。


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