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本番では身の丈を知る

コンクールやオーディションだけではなくコンサートやオペラ、それにレコーディングでも言えることだけれど

本番では毎度身の丈を再確認します。

それは「自分がいまできることはこれとこれ(くらいの実力)だった」ということでもあるし、改めて「自分という楽器のサイズ感や特性を知る」ということでもあります。

また学生でなくなるとこういった、「たくさんの人の演奏を一度に聞ける」機会も減るので(イタリア、稽古がすごくすくない!)、この機会でのインプット量がすごいです。寄する波のごとし。

みんなそれぞれ良いところを持っているし、その中でも自分にあったもので勝負しにきているわけだから、その人たちのキラキラした部分を見つけては試したくなる。

それがいまの自分にいますぐできることなのか、時間をかけてやるべき課題なのか、だいたいは"慣らし"も必要なのだからその場で飛びつかず次回に回すべき技なのかもしれないけれど、見つけてしまった以上すぐに試してみたいという強い欲にかられます。

そういう時の半分は無い物ねだりだったりするので、そういった意味では忍耐も必要ですね。。

希望を持ってなんでも試したいけれど、なかには逆立ちしてもわたしには得られないであろう要素もあります。たとえば、その人の声量を有効に出せると思える発声法を習得してきて、それでも私は相対的にみれば声量がありません。

なんといっていいか、走り方は習得したけれどそもそもの足が速くはないというのに似ている…かな。

では自分の特性はどこにあるのか、それを生かしてあげるには?

無い物ねだりをする前にやらなければならないことがたくさんある。いつも。

それを感じるたびに、「次がある幸せ」を噛みしめます。

イタリア暮らしは2月末までで、この期間で人前で歌う機会はこれでいったんおしまい。イタリア生活は、ざっくりと積み上げて荒削りをする工程だったなと思います。



残すは(先方と時間が合えば)レコーディングのみ。ここからまた、より丁寧につくっていこうと思います。

本日のBGM




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