見出し画像

人生をリセットした話 ②


  人生のリセット、それは価値観が全く変わってしまう事と言えるかもしれない。


 価値観を変える、価値観が変わったと、よく人は簡単に口にするけれど、そうそう容易にできることではない。価値観を変えて幸せになりたいと言う多くの人や、自分自身を顧みてもそう思う。価値観が変わったと思っていても、ほんの束の間の事で、しばらく時間が経てば、元に戻ってしまう。人間にとって変わらないことが一番安全であり、多少の悩みや苦しみなら、その場しのぎの憂さ晴らしでやり過ごし、とどまる方が楽なのだから。

 人生が上手く行かないと思う時、引き返したり方向転換を促すタイミングは、何度もあるはず。けれど、多くの人はそのタイミングを逃し、どんどん深みにはまっていく。そして、大きな病気や事故、金銭のトラブルなど、にっちもさっちも行かない状態になる事で、強制終了となることが多い。でもそれが人生をリセットするチャンスなのだ。

 私の場合も、それに近いものがあった。金銭的に、立ち行かなくなったのだ。
カードでの支払いや、借入金の返済などもうこのまま毎月返済を続けていくのは、無理だと現実を受け入れた。
 時は、コロナ禍真っ只中。支援金や融資を受けても焼石に水で、月々の収支のバランスは完全に崩れていた。毎日毎日、支払いのことを考えているのは、本当に辛かった。
ある程度まとまった金額を返済に回し、月々の支払いを楽にすること。もうそれ以外に方法はないと思った。

 そのまとまった金額をどうするのか?それはもう、恥を忍んで親に泣きつくしかない。自分の遊ぶための借金ではないとはいえ、いい歳をした娘が、親に泣きつくなんて、どうしようもないバカ娘だ。

 そもそも、両親は私が自営業(自営業の内容については過去記事をご覧いただければと思います)を始めた事を、あまり快く思っていなかったし、心配もしていた。私は、そんな両親に心配を掛けたくないと、自分の仕事の話はほとんどしなかったし、何とか、両親を安心させたいと、自己啓発やマーケティングの塾、セミナーにどんどん投資していった。借金の多くはそれらのための支払いだった。

                                    (続く)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?