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寒い冬を楽しく過ごすー季節のリズムに合わせて生活することー

地方移住する時に心配だったことの一つが、なんといっても冬の寒さです。私たちが移住した栃木県の那須塩原という場所は、冬の平均気温が東京に比べておよそ5度ほど低く、雪も降ると聞いていました。
移住を決めるかどうか検討中の時に尋ねた不動産屋さんからは「山奥の寒いところに引っ越した移住者の中には、あまりの冬の寒さに根を上げて早々東京に戻ってしまった人もいる」なんていう話も聞き、益々冬が恐ろしくなったのを覚えています。

一年の四季の巡りの中で、どうあがいても、必ずやってくる冬。出来れば一年中南国のあたたかいところで過ごしたい位、寒さが苦手だった私でしたが、一旦腹を括って東京よりも寒い地に移住してみたら、意外に冬を楽しく迎えられることに気付きました

今日は、寒い冬が苦手で仕方なかった私が、冬を楽しく過ごすために取り組みはじめたことを写真と共に共有したいと思います。

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家の中を冬の色に染めていく


一日の多くの時間を過ごす家の中。外の自然の風景は季節の変化と共に日々違う表情になっていくのに、家の中は一年中あまり変わらないインテリアで同じ風景、というのは少しもったいないかな、とふと思うことがありました。
そんなわけで、今年の冬を迎えるにあたって部屋の模様替えをしました。

まず私たちが変えてみたのは、家の中で表面積的にも広い部分を占めるカーテン。このカーテンも引っ越してからずっと変えていなかったのですが、今回は冬を感じられる色に変えてみようということで、リビングルームのカーテンを今まで慣れ親しんだクリーム色から、思い切ってアケビ色にしました。寒い冬の朝に起きてきてリビングに入ると、部屋はしんと寒くても、ほっこりとするあたたかい色が目に入ってきます。

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後は大きな家具の一つであるソファーも少し見た目を変えてみました。ソファーカバーを替えるのはなかなか大変だったので、その代わりに中央アジアの遊牧民の方々が作る刺繍を施した布のスザニをソファーにかけました。色鮮やかで美しい刺繍の布で新鮮な雰囲気になり、心なしか子どもたちも「ソファで絵本を読みたい!」とリクエストをしてくることが多くなった気もします。

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また、リビングルームのちょっとしたスペースを、季節のコーナーと命名して、そこには季節を感じるディスプレイを始めることに決めました。今は大きなガラスの鉢の中に、コットンの木の枝とクリスマスのミニオーナメントを飾っています。

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お部屋の模様替えは何かのきっかけがないと、なかなか取り組めないし、どこから手をつけたらいいのやら、と今まで私は圧倒されてしまっていました。でも、こうして季節に合わせて変えていくと決めると、必ずやってくる季節というのが「模様替えの時期だよ!」とタイミングを教えてくれるし、季節というキーワードがインスピレーションを与えてくれて取りかかりやすかったりもします。
洋服を季節に合わせて衣替えをするのと同じように、季節ごとに家の装いを変えるのもいいなと思います。

今しか出来ないことを探す

今までは、冬のイベントといってもクリスマス、それに年越しと初詣、そして慌ててバレンタインを準備というくらいで、ピンポイントで数日間が冬のハイライトになり、後は冬の寒さが去っていくのをじっと待つ変わり映えのない日々でした。
しかし、今年は、毎日ちょっとした今しか出来ないことを探すようにしてみました。

その一つとして、私が最近意識しているものの一つに、日本の暦があります。日本の暦というと唐突感があると思いますが、二十四節気七十二項と言われるもので、例えば12月5日は小雪、橘始黄(たちばなはじめてきなり)と表されます。こんな風に表現されると、ちょっと雪が降り始めそうな寒さと木々が冬色に移る変わる様子が想像されて、外に出た時に見える景色が少し変わってくる気がします。自分の感性だけでは見逃しがちな冬のグラデーションを、日本の暦という形で細かく感じられるきっかけがあるのは素敵だなーと思います
ちなみに私が暦を確認しているのはこのカレンダーやこのいきもの暦という本です。

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またその時々の旬のお野菜や果物をみんなで味わうことも、季節に自分たちのリズムを合わせていくようで気持ちが良いものがあります。道の駅に並ぶ地元の農家の方々が作った美味しそうなお野菜や、周りの人からいただく野菜や果物は今の時期だからこそ美味しいものが一番輝いて見える気がします。
旬のものをシンプルにそのまま味わうのももちろん美味しいですが、果物はジュースにしてみたり、お野菜は干し野菜にしたりと、色々な方法で美味しさを引き出すよう試してみると、果物や野菜に向き合っているようで楽しいものがあります。

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とびきり楽しいハイライトになるような日があるのはもちろん素敵ですが、それと同時に日常にあるちょっとしたことに目を向けて、それを色々な形で楽しめたら、普通の毎日が今まで以上に素敵に感じます


巣ごもりも楽しむ

最後に、寒い冬の中でお出かけが大変な時やお天気が悪い時のために、おうち時間を楽しく過ごす色々なことを用意しておくと、いつでも寒すぎる冬だってどんと来い!と巣ごもり準備万端な気分になります。ここで私がいう巣ごもりは週末のおうち時間です。
リモートワーカーとして働く私は、平日はどのみち巣(自宅)にこもってばかりで、その分週末は外にお出かけをしたい気持ちがあります。そんな中でも、色々な都合で家ですごそうとなった週末が来たとしても、巣ごもり準備が出来ていれば、仕方がないからお家といいよりも「お家時間もいいね!」と前向きな気分になります。

具体的に準備しているものとしては、まずはちょっとした手仕事。何か家でまとまった時間がないと出来ないようなもの、出来れば子どもと一緒に作れるものを、いくつか用意しておいています。
先日は、ある雑誌の記事にインスピレーションを受けて、お正月のしめ縄の飾りにする張り子を作ってみたりしました。結局、子どもは飽きたりうまく出来なかったりで、大半の作業を私一人が内職のように作ったものですが、家族が好きなものを集めた我が家オリジナルの張り子ができた時は感慨一入です。息子は「俺のステゴサウルスはどこ??」と私が渾身の力で作った恐竜を分かってくれなかったものの、娘は「(これが私の大好きな)アンパン!」と嬉しそうでした。

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他にも、お菓子作りも巣ごもりならではなので、クッキー作りの材料を子どもと一緒に用意しました。クッキーのデコレーションには、子どもが自ら選んでくれた色とりどりのシュガーやチョコスプレッドが揃いました。実際にどんなクッキーになるか私には想像も出来ないので、子どもたちとクッキーを作る日をとても楽しみにしています。

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ジンジャーブレッドクッキーを組み合わせて作るクリスマスのヘクセンハウスなんかも一緒に作れたらいいなーと思うのですが、子どもたちが家が完成する前に次から次へとお菓子のパーツを食べ尽くすことが想像されるので、まだ我が家では今年はお預けです。

あとは図書館で今の季節を感じられる絵本を中心にたくさん借りてきます。子どもが小さいとなかなか本を集中して読む時間が持てないので、最近では夫も私も割り切って子どものためだけに絵本を読むというより、子どもと一緒に自分たちも絵本を思い切り楽しむと決めています。図書館では子どもが読みたいと持ってくる絵本に加えて、いつも夫も私も自分たちが読みたい絵本も一緒に借ります。
私はどちらかというと、自分が美しいと感じる画風の絵本を好んで借りますが、夫は情報系の絵本が多く、最近は昭和10年の子どもやネパールのシェルパについての絵本を借りていました。渋い!こういう本でも4歳の息子も2歳の娘もなんとなく楽しそうに聞いています。

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ちなみに最近借りてきた冬の絵本の中でお気に入りは、この絵本。「クリスマスって なあに」

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クリスマスの歴史的な背景をしっかりとわかりやすく伝えている本なのに、ミッフィーの絵で有名なブルーナさんのシンプルで可愛い絵がシリアスさを緩和していて、すーっと心に入ってくる絵本でした。

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熊は寒飢えを凌ぐために冬眠して、狐はふさふさの毛に生え変わって冬支度をし、アゲハチョウは蛹になって冬を越し、植物の中には冬には葉を落として日照時間の短い冬を乗り越えるものもいて。
私たち人間には、そういった季節に合わせて在り方が自然と変わっていくような冬越しをする力はなくても、色々と自ら工夫をする創造力があるのではないかな、と私は思います。

冬は寒い、という事実そのものは変えられなくても、どんな気持ちで、どんなことをして過ごすのかは自分次第。
季節のリズムに合わせながら、自分たちの生活を少し変えていけば、ただ寒いだけではない素敵な時間で溢れてくる、そんな風に思いながら地方移住して2度目の冬の毎日を過ごしています。

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