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田舎暮らしは子育てに良い環境、は本当か

地方移住をしたと伝えると「子育てに最高の環境ですね!」とよく言われます。二人の未就学児を育てる私たちも、確かに子育てのことを考えての地方移住の決断でした。田舎の自然豊かなところで生活するというのは子どもたちが伸び伸びしていそうなイメージを持っていたからです。
東京都の中でも子育てしやすいランキング上位によく入るエリアから、栃木県の那須塩原というところに移住した私たち。
移住して約1年が過ぎようとしている今、改めて地方に移住するという選択は子どもが育っていく環境としてどんなものか、ということを私自身の体験をもとに考えてみたいと思います。

大きな世界で生きていることを学べる環境


「ママのその帽子、農家の人のみたいー!」
私が暑い日に麦わら帽子をかぶっていた時、三歳の息子が言いました。
麦わら帽子をかぶって畑や田んぼで働く人をいつも身近で見ているんだなーと息子のそのコメントで気づかされた瞬間です。

田舎で暮らし始めると、世界と繋がっているという感覚を持てる機会が多くなるように感じています。子どもたちは、お野菜を日照りの中、腰を曲げながら育ててくれている農家の人たちの様子を間近に見て育っていきます。家族で山に遊びに行くときは、熊が来ないようにと熊よけの鈴を鳴らしながら進んでいきます。動物はただ可愛いくて特定の決められた場所に住んでいるわけではなく、時に襲いかかってくるような存在。そして自分たちが動物たちの住処の一部を「一緒に使わせてもらっている」と素直に思えたり。

地方に移住したことで、子どもにとって、「自分たちがこの広い世界でどんな風に生かされているのか」というのを、よりリアリティを持って実感できるのではないかと親としては感じています。もちろん子どもがそれを言語化することはまだまだないとは思いますが。

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ダイナミックな行動範囲の中で冒険ができる環境

地方に移住してから、車が文字通りの「足」になりどこに行くにも車が当たり前。そして道は広く、いつも空いている。という状況の中、家族の行動範囲がぐんと大きくなりました。そして日常の移動も、車で20-30分が当たり前になった中、週末にちょっと遠出しようというと1時間とか1時間半かけて車で移動することも抵抗がなくなってきます。

私たちは栃木県の那須塩原というところに移住しましたが、週末をこのエリアで過ごすことはあまりありません。隣町に行って里山で遊んだり、時に修学旅行生に混じって日光に足を運んだり。そして栃木県北は東北に本当に近いので、福島県あたりもよく行きます。

お出かけの範囲がぐんと広がり、子どもたちには色々な体験を提供出来る環境に恵まれていると思います。範囲が広がったのみならず、どこに行っても大自然が広がっていたり、全てがダイナミック。そんな中、子どもたちは子どもたちの視点でも冒険をし、親の私たちも日本の広さに感動し学びに溢れています。

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ただ、国際色は強くない


地方は総じて子どもが育って行く環境として興味深い点が多い一方、都内が懐かしくなる時もあります。それは国際的な価値観との触れ合いという側面です。
東京にいた時は、普通に街を歩いていて当たり前のように外国籍の人に会ったりします。レストランも、その国から来た人がやっていて、お店に入った瞬間から異国情緒漂っていることもあります。東京は子どもにとって「自分とは違う人がいて当たり前」という多様性への感性が磨かれていく機会が多いように思います
一方、地方に来ると、国際的な多様性に、子どもたちが日常的に触れることはレアだと思います。もちろん場所によっては移民の人が多い地方のエリアもあると思います。私たちが移住したこの場所で歩いていて、日本語以外を耳にしたことは殆どないし、レストランも日本人の方がやっているお店ばかり。コンビニも、都内なら店員さんに日本人以外の人がいるのが当たり前な風景でしたが、ここでは日本人以外の店員さんをみたことがありません。

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地方暮らしは良い子育て環境なのか、について私の感想をお伝えしました。
ただ私の体験はあくまで未就学児を育てている親としての体験です。子どもたちが通う保育園でも、子どもが小学校に上がる年齢になったら都内にまた戻る予定という親御さんにも会いました。

地方移住も百人いれば百通りのストーリー、そこから見える風景は違うのかと思います。今回の私たちのストーリーが、少しでも誰かの参考になったら幸いです。

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*地方移住ライフをインスタグラムにもアップしています!URL


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