空気を読めない私が意思決定者(上司)と接するときに気をつけてきたこと
空気が読めない。
人生の前半までは自分では「わりと空気が読める」と思っていた。友達は多い方だと思うし、どのグループでも話の中心になることが普通にあるし、人間関係にさほど悩まないし。
今思えばそれらは、「空気が読める」ということではない。
友達多い→空気読めないから「そのグループって自分は入っちゃだめかな?」と一切思わず、いろんな種類の人たちにグイグイいってしまう
話の中心→たぶん声がでかかっただけ。周囲が優しかっただけ。
人間関係に悩まない→空気読めないから自分に降りかかる軋轢もあまり気づかない。自分は悩んでないけど相手は悩んでいる、など。
こんなかんじだったのだろう。
空気が読める人間ではないと気づいたのは20代後半。スタートアップに入社し、仕事ができる優秀な人たちと接するようになった頃だ。
(余談だけど東京で働くことになって飲み会なども増え、会社以外の人を見て「あーこの人空気読めると自分で思ってそうだなぁ…あれ、私もそうかも…。そうか、読めてると思ってるけど読めてないパターンもあるのか!」という気づきがあったことも大きかった。ありがとう自称空気読みビトたち…)
なんとなく、仕事がうまくいかない
20代後半の私。自分では一生懸命やっているつもりだし、成果も数字も出でていた。でも、なんかうまくいかない。チームと噛み合っていないような。
理由がわからないけど、あんまりうまくいってない時があるなぁ。寒い日に「換気!」と言って窓を全開にするから嫌われたのかなぁ。(理由がわかってない人あるあるのミクロ視点)
いま振り替えると、そう感じる理由はひとつではなく幾つかあったし、自分ではコントロールできないものもあった。関西から東京に出て初めて働き、カルチャーの違いというのもあっただろう。
しかし理由の1つに空気が読めないというのは確実にあった。具体的に業務でこのスキルが足りない、というよりも、もっと人間関係的な何かだなというのだけはわかっていた。でも、どうしたらいいのかはわからなかった。
空気が読めないという課題に気づいてやったことはいろいろあるが、今日は上司へ対策していた内容を書く。10数年前の話。このときに気づけてよかった!!!!!と後からめちゃくちゃ思ったこと。
上司をタイプ別に分ける
スタートアップでは1社員の裁量も大きいため0→1をやる業務も多々ある。そこで重要なのが「上司にOKをもらう」ということである。
簡潔に言うと、自分がいいと思ったことをそのまま話すのではなく、上司がどういうタイプかを考えてから話すことが重要。特にその人の意思決定材料が何なのか、何を優先度高くしているかを考える。
これをしたおかげで、上司からの「OK」がとても通りやすくなったし、結果的にコミュニケーションがスムーズになり、空気読めないなりに仕事がうまくいくようになった。タイプは大雑把に2種類に分類。
①パッション/熱量の上司
パッション上司には、プロダクトへの愛や自分の熱量を先に伝える。「大事なのは熱量。やり方やロジックは自分が教えてやれる」という考えなので(あえて極端に書いてみた)、ロジックがやや破綻してても見逃してもらえる可能性がある。「お前はどうしたいの?」で有名なリクルート出身の人に多い。
②ロジック/数値の上司
1にロジック2にロジック。3.4がなくて5にパッション。の上司には先に徹底的にロジックで攻める。「まぁまぁ考え抜いてんのね」と安心させてあげないといけない。ロジックだけだと「結局ロジカルなヤツなら誰にでもそれできるよね?」となるので、最後にパッションも含めておくのが安心。「ロジックもちゃんとしてるし、熱量あるなら任せてもいいな」と思ってもらえる。エンジニアやコンサルタント企業出身者に多い。
自分の考えが間違っているわけじゃない。伝え方を変えればいいだけ
パッション上司もロジック上司も、どちらか一方だけを重視しているわけではない。両方大事だと思っている。ただ上司のタイプに応じて、話す順番や強めて言う部分を変える、つまり伝え方を考えるだけで通りやすくなる。
これは当時の私にとって、とてもとても大きな気づきだった。なぜなら、それまでは意見が通らない=自分は間違っていると思っていたからだ。間違っているから、何か他の答えがあるんだと思い、そしてそれがわからない。この負のループに入ると、どんどん自信がなくなっていく。
ときどき本当に間違っている場合もあるが、すべてが間違っているわけではなく、伝え方を変えるだけでうまくいく場合もある。今もし悩んでいる人がいたら、探すべきは答えではなく上司のタイプと伝え方なのかもしれない。
ちなみに今は上司の立場となった私は「ロジック」「パッション」両方大事派なのですが、ロジックから話してほしいな〜派。(めんどくさそうな上司だな)
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