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教えてください、延命治療ってなんですか?

あの、お母様ですね…抗生剤や輸血などいろいろがんばったのですが、やはりもともとの身体の状態にくわえて年齢もあってなかなか劇的な効果を得るのが難しくて…今後、延命治療をどうするかという段階になってくるのですが、ご希望されますか、どうしますか?




ふ…ふぁ……????




はい、カーーーット!!
ここでちょっとストップしましょうね。

あ、わたし?看護師のナースあさみと申します。
よろしくどうぞ。

ほらほら、大丈夫ですか?
もうあなた頭の中、まっしろでしょ?
なんにも考えられないでしょ?

そんな中、家族の今後の延命治療の話なんて聞いても左から右へ流れていくだけ。


より良い意思決定、できると思っていますか?


===


看護師になって11年

いろんな場面を経験してきましたが、患者さんの中で満足度や納得感が一番低いであろう場面は、この延命治療の意思決定の場面だと思っています。

延命治療を控えると、あの人を見殺しにするのかと言われ
全力で治療すれば、ここまでしなくてもよかったんじゃないかと言われ

残された人も医療従事者も
なにが正解で
なにがまずかったのかわからないまま
それぞれの生活に戻っていく。

結局、その振り返りができないまま
自分の番を迎えてしまった人も
数多くみてきました。

もちろん、明確な答えなんて存在しないんですが

それでも

知っておくこと
考えておくことで

人生の最期の満足度や納得感を高めることは可能だと考えています。


だから

ちょっとだけ

わたしと一緒に考えてみませんか。

大切な人のいのちのこと
そして、じぶんのいのちのことを。


延命治療という治療法はない

手術や抗がん剤のように、延命治療という療法があるわけじゃありません。

当然、延命を叶えるような薬そのものが存在しているわけでもありません。

イメージしやすいものだと人工呼吸器や心臓マッサージでしょうか。

こういうものをはじめ、いろんな療法が組み合わさったものの総称を延命治療と言うことが多いです。

そのため、その患者さんの病気や状況に応じてオーダーメイドするのが一般的。


どういうことかというと



たとえば、和食の味付け。

だし、醤油、みりん、塩、砂糖、酢

このあたりを使えば、いろいろな料理を作ることが可能ですよね。
和食の基本を網羅できると言っても過言ではありません。

延命治療も、ある意味でパターンが決まっています。

鯵の南蛮漬けのように上の調味料を全部使うこともあれば、煮物のようにだしと醤油とみりんだけ使うこともあるでしょう。

要は、組み合わせ次第でいろんな味を作ることができるのです。

わざわざパンチのきいた調味料を使わなくても、素材の味を引き出したところに調味のアクセントがつけば十分。

当然、引き算の美学として使わない選択をすることも可能です。調味料を加えず、素材の味をそのまま味わうことも料理のひとつ。

これを延命治療に置き換えると

いろんな味付け(処置)をすることも可能だけど、それがそのままその人が感じる美味しさ(QOLやしあわせ)に繋がるかどうかは、その人にしかわからない。

その人自身も、そのおいしさを100%の確信をもって他者に証明することはできない


こんなふうに言えるのではないでしょうか。

正しい美味しさがないように
正しい延命治療というのも存在しないのです。

これが、延命治療、ひいてはそれに付随する意思決定を困難にさせている要因だと思われます。


侵襲という考え方

ここで、侵襲(しんしゅう)という言葉について紹介させてください。

延命治療を語る上で、外せないポイントになってきます。

侵襲とは、「病気」「怪我」だけでなく「手術」「医療処置」のような、「生体を傷つけること」全てを指す。 なぜなら、病態であれその治療であれ、侵襲に対する生体の反応は同じであり、それを知らずして(侵襲を以て)人を治療することはできないからである。 英語では、形容詞の「invasive」として使われるケースが多い。    (Wikipediaより)

医療行為でもたらされるデメリットと考えてもらうとわかりやすいでしょうか。

手術だって、臓器を切ったり人工物を体内へ埋め込んだりするのは、それを超えるメリットがあるからですよね。

古代ギリシア人がみたら、たいそう驚かれることでしょう。

延命治療も、デメリットを越えるメリットが得られなければ、それは医療と呼べません。


では、ここからは具体的にどういう介入が延命治療とされるのか、みていきましょう。


酸素療法

街中で、こういう人をみかけたことはありませんか?

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これ、鼻から酸素を吸っているんです。
酸素を吸っていないと、体内の酸素濃度を維持しにくい身体だから。

手に持っているのは外出用にカートに入れられた酸素ボンベ、買い物カートじゃないんですよ。

ちなみに、鼻についてるものはカニュレ(ナザールとも言う)と呼ばれ

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こっち、酸素マスクと呼ばれています。

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手術が終わったあとの患者さんは、みんなだいたいつけてくるかな。

酸素が潤沢に体内をめぐっていないと、傷の治りをはじめ各臓器に影響を与えかねないからです。

わたしたち医療従事者は、患者さんの経皮的酸素飽和度と呼ばれる数値を収集しています。

この数値が低くなってくると、体内に十分に酸素がめぐっていない=酸素投与を始めなければ!という思考回路をたどるわけです。

しかしながら

がんの終末期の患者さんなどは、どうやっても経皮的酸素飽和度という数値は低くなっていきます。酸素をいくら投与しても、劇的に改善することはありません。

体調の悪いときにステーキやすきやき、オムライスなどを食卓に出されてもちょっと…となってしまう、あの感じです。

どんなに栄養価の高いものが流れてきても、こっちが元気じゃないと受け止めきれないんですね。


この療法のいい点は、患者さんへの侵襲が極めて少ないということ

カニュレやマスクは装着してるとうっとうしいかもしれませんが、痛みや苦痛のレベルまでいくかといえば、そこまでではないはずです。

取り外すときも、簡易で痛み刺激を与えないところがポイント高し。


昇圧剤の使用

人が亡くなっていくときって

呼吸がゆっくりになり
脈拍もゆっくりになり
血圧が落ちてきます。

そして、すべてがゼロになる。

最悪の場合、呼吸は人工呼吸器で担うことが可能ですし、脈拍は体外除細動器を使って刺激を与えることが可能ですが、血圧はいまの医療をもってしても担うものはありません。

そこで、下がってきた血圧を上げる薬を使います。


ちなみに、みなさん

血圧ってどういうものか知ってますか?

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おそらく、検診ではいかに高血圧でひっかからないようにするか、くらいしか考えてこなかった人が多いのではないかと思うので

ここでちょっと説明すると

血圧 = 心拍出量 × 末梢血管抵抗

と、あらわすことができます。


なんだそれって感じだと思うので詳しくみてみましょう。

心拍出量は、体内をめぐる血液の量、心拍数、心臓のポンプ機能などを指します。要は、心臓がドクンとして身体中に血を運ぶイメージです。

だから、体内をめぐる血液の量が足りない、1分間に4回しか心拍がない、心臓のポンプ機能がよわよわ…あたりが重なると血圧が低下し致死的な状態になるわけです。

もうひとつ

末梢血管抵抗は、ドクンと回ってきた血液を受け止める場の広さとしなやかさだと思ってもらえるとわかりやすいはず。

動脈硬化症の人なんかは、血管が硬いのでドクンと運ばれてきた血液を受け止めるとき、しなやかに対応するのが難しいんですね。

浜ちゃんのツッコミのごとくキレ良くパーンと跳ね返す。それだけ圧が高まるので、血圧は高くなる。

反対に、スポーツをしている若者なんかは、広さ無限大でしなやかさしかありません。ONE PIECE に出てくるルフィのごとく、びよ〜んと血液を受け止めてゆるやかに返してくれます。だから、血圧が低くなる。

ちなみに、名探偵コナンの第1話、ジェットコースター殺人事件の被害者は、かなり残虐な殺され方をしていますが、よくよく見ると末梢血管抵抗がゼロになって失血死してます。

たとえどんなに血圧が高くても、血液を受けとめる場所がなくなれば、輸血などで供給量を増やしても、血圧は下がる一方なんです。

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上記の例は特殊ですが、出血していないのに血圧が低下してしまうことが臨床ではままあります。

プレショックやショックと呼ばれる状態ですね。
手術中にも血圧が下がることがあります。

そこで血圧を上げる薬を使います。
血圧が0になってしまったら困るから。

これを、昇圧剤と言うんですね。

薬品名でいうとドパミン、ドブタミン、ノルアドレナリンあたりがメジャーでしょうか。

これらの薬は、末梢血管抵抗を増大させます。
言い換えると、手足の血管をキュッとしめて体幹に血液を集める作用があるんですね。

「救命という観点から言えば」ということを肝に銘じていただきたいのですが、手足よりも体幹にある臓器や脳のほうがはるかに大事。

仮に、足を切断することになっても生きていくことはできますが、脳や心臓がなくなったら生きていけませんよね。だから、血圧を上げるときには末梢を締めて身体の真ん中にキュッと血液を集めるのです。

ここで、ドパミンの取説にこういう記述があります。

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副作用の箇所にあげられてますが、昇圧剤を使っている患者さんの手足って冷たい人が多いんですね。冷え性みたいな感じ。

それもそのはず、手足などの末梢に血液が届かないように薬を使っているから。

これは薬の作用機序を考えると仕方がないかなというのがわたしの意見です。


ただ、薬にだって限界はあります。

昇圧剤が効かなくなってきたら、次第に血圧が下がっていきます。
ずっと握ってられないほど、手足はきんきんに冷たい。

すべての薬に言えることですが、この療法のデメリットがあるとしたら、薬が効かなくなる日がくること。身体が薬に反応しなくなってしまうんですね。

そして、点滴での投与が一般的であるため、亡くなるその日まで患者さんの身体に針を刺し続けないといけません。

わずかな痛みかもしれませんが、痛みは痛みです。累積によるストレスもあるでしょう。


後述しますが、一度はじめた投与や処置は、途中でやめるということができません。

もう十分がんばったから
昇圧剤をはじめすべての処置をやめてください

というのは、残念ながら今の日本の臨床では叶えてあげることができないのです。

最初の例で述べた和食の調味料を思い出してほしいのですが、出汁に溶かしたお醤油を、それだけもう一度取り出すことなんてできないですよね。

延命治療も同じ
不可逆的なのです。


輸血の適応

救命センターでよく使われているイメージの輸血。

実は、慢性期の病棟でも多く使われています。
白血病をはじめ再生不良性貧血やがん治療がメイン

治療のひとつとして、輸血が存在してるんですね。

血が足りないなら
血を足せばいいじゃないという理論です。

これは、多くの献血から成り立っています。
詳細は以下のnoteをどうぞ。

ありがたや、ありがたや。

輸血を差し控えるという場面はそんなに多くはないのですが、それでもこれ以上輸血を施しても改善する見込み、延命の見込みが極めて低いと判断される場面はあります。

それが、がんの終末期です。

がんというと、上の血圧の説明にあるようにしゃーしゃー出血するイメージとは程遠いかもしれませんが、じわじわ出血するんです。

消化管がんの場合は、特に。

がん細胞が組織をのみこんでいくときって、千と千尋の神隠しでカオナシが暴走しながら爆食するシーンがありますが、あんな感じ。

血管も神経も骨も関係ありません。
もう、なりふり構わず飲み込んでいきます。

その中で、血管が飲みこまれるとじわじわ出血するんです。

大腸がんのスクリーニング検査で、血便や黒色便の項目がありますが、あれは消化管からの出血の有無をみています。

元気な消化管であれば、どこからも出血していませんからね。

出血までいかないにしても、他のがんも爆食スタイルは変わりないので、人間の組織や血液を栄養源にどんどん大きくなっていきます。

その過程で血液の中にある栄養や鉄分をもっていかれるので、貧血が進行してしまうというわけ。

そして、この貧血はがんが進行していく限り、食い止めるのが難しいのです。


今まで行ってきた輸血を突然やめることはありませんが、頻度を落としたり間隔をあけることはあるかな、というがわたしの印象です。

輸血のデメリットがあるとしたら、アナフィラキシーショックを起こす可能性があること

あとは、昇圧剤を投与するときよりも太い針を刺さなくてはならないので、患者さんにはやや負担というところ。

普通の点滴がサラサラスープだとしたら輸血はもったりあんかけのイメージ。
ある程度の太さがないと、針の中で詰まって固まってしまうこともあります。

今までの治療で弱りきった腕に太い針を刺すのは、刺されるほうもあれですが刺すほうもあれなんです。

もう針を刺す場所がない…!と感じてしまうときもあるほどに。

それに、輸血はリソースの決まっている療法。

このご時世や災害時、優先される人たちとそうでない人たちが出現してしまうのは、しかたのないことなのかなと感じています。


人工呼吸器

医療倫理でよく話題になるこちら。

おそらく、こういうものを思い浮かべる人が多いと思うのですが

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実際には、いろんな種類があります。
ちなみに、上記は口から挿管して人工呼吸器をつないでるパターンですね。

この「挿管」というのがかなり厄介な概念でして、基本的にはガチ救命の処置になります。

口をガッと開く器具を使って太い管を挿入し、その管を通して呼吸を外注化させるからです。

もちろん、普通の人にそんなことしたら痛くて苦しくてやってられません。口から太い管をつっこまれたら、誰だって抵抗しますでしょ?

だから、薬を使って鎮静をかけるんですね。
上のおじいさんも、眠っているようにみえますね。

でもこれ、眠っているというか
薬で意識レベルを落としているだけなんです。

一番は、患者さんの安楽を守るため
太い管を挿入され強制的に呼吸させられているなんて、気持ちのいいものではありません。

だから、薬を使って意識レベルを落とします。

加えて、せっかく挿入した管をふとした瞬間に抜かれないようにするため。
そして、正確に換気を行うためにです。


ICUや救命センターでは上のような状態の人を多く見かけますが、延命治療の場面ではマスクタイプ(NIPPVなど)の人のほうが多い気がしてます。

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顔にマスクないしお面みたいなものをつけて、ぎゅっとベルトで固定するだけで密閉するので、呼吸器としての機能を果たすことができます。


なぜマスクタイプのほうが良いかというと


さきほど説明した挿管を用いる方法だと、患者さんへの侵襲が大きいんです。

つよつよナースモードで言うと、たとえ歯が抜けようが気道を損傷して出血させようが、挿管して呼吸を確保することのほうが、救命の観点からいえば優先順位高め案件となります。

歯はなくても生きていけるし
出血はそのうち止まるけれど
呼吸が止まったら終わりだから。

けれども

延命治療のフェーズでは、同じような優先順位になりません。

人工呼吸器をつけることで一時的に延命が可能になったとしても、あくまでも呼吸器は補助。患者さんの肺や気道、呼吸機能が反応しなくなってきたらそれまでです。

先にも述べたように、意識がある中で強制的に呼吸させられるってとても苦しいことなんですよね。

もうすぐそばに死がせまってきている人に

歯が抜けてしまうような処置を
気道を傷つけて出血させてしまうかもしれない処置を

施すことが救いになるのでしょうか。


このような観点から、より患者さんへの侵襲が少ない方法で呼吸をサポートする方法がないかしら

あ、マスクタイプの呼吸器があるじゃん!

ってなったわけですね。

マスクタイプの呼吸器にデメリットがあるとしたら、簡単に外せてしまうこと。

基本的に、鎮静をかけるスタンスではないので、嫌がる人や苦しい人は簡単にマスクを外すことができてしまいます。

認知症や意識障害がある人に不快に感じる治療に協力してもらうのは、簡単なことではありません。



胸骨圧迫(心臓マッサージ)

医療ドラマでの緊迫したシーンによく出てきますよね。
the 救命処置って感じ。

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あれをみてもわかると思うのですが、結構ちゃんと胸を押します。
(正確には乳首と乳首のあいだ)

じゃないと、肋骨に包まれている心臓を刺激することにならないからです。

それほどまでに強く圧迫すると
骨が脆くなっている高齢者の胸骨なんてのは

簡単に折れます。
詳細は、下記のnoteをどうぞ。

最近は認知が広まってきたのか、延命治療の話がでている人に胸骨圧迫をすることは少しずつ減ってきたように感じますが

ゼロになることはありません。

本人が望んでいなくても代理意思決定者が望む限り、心臓マッサージはなくならないし続けられます。

パフォーマンスとして求める人もいらっしゃいますね。


救命と延命のあいだで

ここまで、延命治療の中身を詳しくみてきました。

今までの話を踏まえると、延命治療が不可逆的であることの背景がみえてくるんじゃないかなと思います。

特に、人工呼吸器や胸骨圧迫というのは、本来ガチ救命の処置なんですね。

ただ、死期の迫った患者さんに対して、同じような考え方や価値観で医療を提供していいのか。
これは、患者さんを助けていると言えるのか

そんな議論がされてきました。

そこで、こういう考え方が生まれてきます。
DNAR(もしくはDNR)と呼ばれるものです。

患者本人または患者の利益にかかわる代理者の意思決定をうけて心肺蘇生法をおこなわないこと。ただし,患者ないし代理者へのinformed consentと社会的な患者の医療拒否権の保障が前提となる。欧米では実施のためのガイドラインも公表されている。1995年日本救急医学会救命救急法検討委員会から「DNRとは尊厳死の概念に相通じるもので,癌の末期,老衰,救命の可能性がない患者などで,本人または家族の希望で心肺蘇生法(CPR)をおこなわないこと」,「これに基づいて医師が指示する場合をDNR指示(do not resuscitation order)という」との定義が示されている。しかし,わが国の実情はいまだ患者の医療拒否権について明確な社会合意が形成されたとはいい難く,またDNR実施のガイドラインも公的な発表はなされていない。なおAHA Guideline 2000では,DNRが蘇生する可能性が高いのに蘇生治療は施行しないとの印象を持たれ易いとの考えから,attemptを加え,蘇生に成功することがそう多くない中で蘇生のための処置を試みない用語としてDNAR(do not attempt resuscitation)が使用されている。

https://www.jaam.jp/dictionary/dictionary/word/0308.html
日本救急医学会 医学用語解説集より引用

上記では、胸骨圧迫がメインで話が展開していますが、実際にはこの考えを拡張させて人工呼吸器や輸血、昇圧剤に波及させているような印象があります。

日本では安楽死全般認められていませんが、それ以上の治療を受けないという引きのスタンスで、意思決定をしていくことは可能なんですね。

もちろん、最期まですべての治療を受けたい
全力でがんばってほしいと願うのもひとつのあり方です。

正解は、それぞれの中にしか存在しないのでく。


まとめ

日本では、がんばることを美徳とする文化がありますが、それは本当に人をしあわせに導いているのでしょうか。

第二次世界大戦のときだって、日本はなかなか降伏しませんでした。
早めに降伏していたら、あの二つの爆弾は落ちていなかったかもしれない。

今回のオリンピックだって、どうなるかわかりません。

勝算があるならいいのかもしれませんが
そうでない場合でも

がんばり続けないといけないのでしょうか。
がんばることはつねに正しいのでしょうか。
逃げてはいけないんでしょうか。


時代は、進んでいます。

技術はどんどん進歩し
AIに代わるものも増え
その精度は日に日に増してきていますが

それは誰をしあわせに導いているか
わたしはそれをしあわせだと感じられているか

こういうセンサーを鍛えていくしかないと思うんです。
わたしたちの感覚や価値観は、そのまま社会を構築する積み木のひとつとなります。

技術が進歩したからって、すべての人がしあわせになるかと言えばそうではありません。

かの有名なノーベル賞だって、もともとの発見はダイナマイトでした。
あれがその後どういう使い方をされたか、みなさんご存知ですよね。

技術があっても
それを人のしあわせのために使えなければ
真の意味での技術とは言えないと思うのです。

医療だって、人をしあわせに導くためのツールに過ぎません。
使う人、使い方次第でその表情はいかようにも変化します。


どうせなら、自分の人生にできるだけ納得感をもちながら逝って欲しい。


その技術は
その治療は

誰をしあわせにしているんでしょうか。
自分の保身やエゴのためだけに使っていませんか?

いま、ここで考えてみてもらえるとうれしいです。


この記事が、未来のあなたの意思決定をちょっとだけ明るくすることを願っています。


参考資料


貴重な時間を使い、最後まで記事を読んでくださりどうもありがとうございます。頂いたサポートは書籍の購入や食材など勉強代として使わせていただきます。もっとnoteを楽しんでいきます!!