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はじめて家事代行サービスを使うあなたへ、やる側4年目のわたしからメモを 〜お掃除編〜

家事代行サービスという言葉が定着し始める前から、やる側だったナースあさみです、こんにちは。

わたしは、タスカジというプラットフォームで2016年からこの仕事をしています。掃除と料理(作り置き)がメイン。延べ、200件を超えるお宅に伺ってきました。



さて、最近になりユーザー側のnoteを見かける機会が増えてきたので

わたしは、やる側視点でのメモを残してみます。
今回はお掃除編(料理編もそのうち書きます)

すべての家事代行サービス、ご家庭に通じるものではありませんので、ご了承ください。


掃除道具の確認から

たとえば

お風呂のお掃除、お願いします!

と言っても、その内容はさまざま。
もちろん、各家庭によって置いてある掃除道具も違います。

サービスによっては、こんなものを用意して欲しいとWebページに記載されていることもありますが、そんなものみる余裕もなく当日を迎える方が圧倒的多数。

ということで、メールやチャット機能を使って、家にある洗剤や掃除道具を予め伺うことが多いです。

家事代行さんには
水垢の掃除をお願いしたい

とか

フローリングのワックスかけまでお願いしたい

など、普段よりもプラスアルファなお掃除を期待している場合には、それ相応のアイテムが必要になることもあるので、前もって相談してもらえると助かります。


なんですが、一番多い回答は

家にあるもので適当にやってください

なので、適当にやらせていただくことが多いです(!)

ただ、鏡やガラスを磨くための乾いた雑巾は、濡れていってしまうと意味がないので複数ご用意ください

これは伝えるかな。

頑固な汚れやカビに対しては、こんなアイテムや洗剤があると落ちると思います〜とお伝えすることもあります。

(商品を購入するのはお客さんなので、無理な提案はしない派)


家事をお願いしたいのに
コミュニケーションコストがかかるじゃないか!

という声が飛んできそうですが
何事も初動にはコストがかかるもの

と思ってもらえるとありがたいです。


「キレイ」の状態を共有する

家事代行でお願いされるタスクのうち
最も多いものがお掃除なんですが

これって
部屋が散らかっているから「キレイ」にしてほしいのか
お風呂が汚れているから「キレイ」にしてほしいのか
食器で溢れかえってるからシンクを「キレイ」にしてほしいのか

目指す「キレイ」な状態って
お客さんによってまったく違うんですよね。

お風呂掃除だって

水垢がなくてカビもなくて
ヌメヌメしているところがどこもなくて
いつでもお客様を呼べる状態

これを「キレイ」としている人もいれば

とりあえずザッと洗ってもらって
湯船の中がヌルついてなければいい
子どものおもちゃをまとめてくれればそれでいい

これを「キレイ」としている人もいます。

だから、お互いに掃除が終わって「キレイ」になった状態を、事前に共有したほうがベターかなと思います。

そのほうが

・もっとこうして欲しかった
・ここまでする時間があるなら他のことをして欲しかった

などの期待値のズレを生まずに済みます。

家事には正解もルールもないから
このすり合わせが一番のポイントかなと思います。


ゴミ出しのルール

これは各自治体、そして住んでいるおうちの種類(一軒家、マンション、高級タワマンなど)によりますが

ゴミ出しのルールや出し方を共有してもらえるとうれしいです。

・プラスチックは燃えるゴミでいいの?
・生ゴミはビニール二重にすべき?
・ドラム式洗濯機のフィルターのゴミ、そこそこ汚いけれど洗面所のゴミ箱に捨てて平気?
・燃えないゴミやペットボトルは一体どこに捨てれば…?
・ディスペンサーに玉ねぎの皮やたまごの殻っていれても平気?
・同じ階にゴミ捨て場があるってことだけど、それって家の鍵いるよね?わたし、鍵持ってないけど!

ざっと思いつくだけでもこんな感じ。

あとからゴミを仕分けるほど、無駄なことはないと思うので何卒ご協力いただけるとうれしい。



時間とクオリティ、優先順位の関係

せっかく代行さんがきてくれるんだもの
やってほしいこと、たくさんありますよね。

でも、私たちプロといえども限界が。
時間の制限だってあります。

なので、こんなイメージでいてくださるとうれしい。

1、お風呂掃除
2、トイレ掃除
3、洗面所掃除
4、鏡をピカピカに
5、床の掃除機かけ
6、床をクイックルワイパーで水拭き
……………出来たらゾーン…………
7、窓拭き
8、食洗機の中の食器を外へ出す
9、シンクにある食器をざっと洗って食洗機へ
10、玄関の掃き掃除

こんなふうにタスクの優先順位を決めていけると、ここまではできたけどここからはできなかった、がお互いに納得しやすいと思います。

この優先順位決めもだるい…って人は、代行さんに委ねても◎


そして、クオリティの問題ですが、やはり初回の訪問はいつもの70%くらいしかスキルを発揮できないな〜というのがわたしの手応え。

モノの場所、新しい物品、お客さんとの関わり…いろいろと配慮しなくてはいけないことが多すぎて、家事に集中しきれないような感覚になってしまうんです。

期待よりもイマイチだったわ、という感想をもつ人もいるでしょうが、初回においてはその人の100%ではないかもしれない、という視点をもっていただけるとちょっと救われる気がします。

徐々に100%超えのクオリティになっていくので。

反対に、スキルに文句はないけど人としての相性がよくなさそうという感覚があれば、他の人にお願いしてみたほうがいいと思います。

こういうのは、あとあと長い信頼関係を築くにあたりネガティヴ要素になってしまうな、というのが肌感。


されてほしくないことは?

・この引き出しは開けないでほしい
・勝手に詰め替えないでほしい
・この雑巾では、床を拭かないでほしい
・賞味期限切れの食品は使わないで破棄してほしい

など、これも始まる前にお伺いすることが多いです。

お掃除の中でも、一番言語化されていないのが清潔に関するゾーニングだと思っています。

おそらく、どの家庭でもなんとなく

このタオルは身体を拭くためのもの
このふきんは食器用
これは赤ちゃん用
これは台所やテーブル用
これは床を拭く用、他のものと一緒に洗濯しない

というような、くくりがあると思うんですが
これを人に説明するのってものすごく難しいんですよね。

そのため、これで何を拭いていいか
そして、その始末はどうするか

は、伺うようにしています。

わたしがこの仕事をはじめた当初のお客さんで

いや、海外の方にお願いしたら
食器を拭いていたふきんで
床も拭いてたことがあってね。
びっくりしちゃったのよね。

彼女的には、きれいになってるのに
何の問題があるの?という感じで。

たしかに、わたし、何も言わなかったけれど
文化を理解するって難しいなって思ったわ…

って言ってた言葉が忘れられないんです。

たまたま、その人は海外の方でしたが
こと家庭の中のことに関しては
国や文化が違うところにきた!くらいのスタンスで
ちょうどいいんだろうな、と思います。

なので、初回はいろいろお伺いすることが多いですが、寛大な心で受け止めていただけると…!


なんだって相性があるから

これは、看護の仕事でも痛感しているのですが
人間同士だもの、相性があります。

いきなり、ぴったりくる代行さんに出逢えるかといえば
そうではありません。

家事なんて、お宅にあがって
中のものを物色するわけですから
お客さんとしてはナーバスになって当然ですし

私たちも、最初のうちは
どうしても手探りな部分があります。

そのため、数回試してみて
なんか合わないな、と思ったら
ほかの代行さん、サービスを使ってみるのも
全然アリです。

おそらく、家事業界で一番リッチなのはベアーズなんですが、もちろん価格もリッチ。毎週お願いするのは、ちょっと…という感じ。

お客さんの中には、家事代行サービスによってお願いしていることを分けている方もいらっしゃいました。


わたしも、いま伺わせてもらっているご家庭は
わたしとの相性がいい人、だけに限定しています。

あくまでもわたしの場合ですが
看護師という仕事柄、特にこの時期は
感染症の患者さんと毎日のように関わります。

生まれたばかりの赤ちゃんがいる家庭など
これがアウトってお客さんも中にはいらっしゃるので
そういう人は、他の方を探したほうがベターですよね。

そして、突然体調を崩したり、仕事の日に下痢嘔吐に見舞われた場合は、当日遠慮なくキャンセルさせていただくことに了解を得られるお客さんだけにさせてもらっています。

次のnoteで触れるつもりですが、体調がそんな状態の中、人のお宅に伺ってお料理するなんて、怖くてわたしにはできない。

必然的に、お客さんのレイヤーとして

・家事代行が最悪当日キャンセルになっても、振替や中止がスムーズにできる人
・わたしの看護という仕事の特性を理解してくれる人
・家事代行サービスがないと生活がまわっていかないようなレベルの方じゃない人

になっていきます。

これは、その人との相性や自分の持っている背景に寄るので、お客さんとの数だけ正解があるはずです。


おわりに

仕事は辞められるし
パートナーだって変えられるけれど

生活はずっと続いていきます。
どんな経済状況、どんな健康状態であっても
自分の暮らしからは逃げられません。

ならば

たまには外注してみてもいいと思うんです。
家事代行をお願いすることは、家事をサボることじゃありません。

その分のリソースを、他に回すためにお願いするんです。
昭和の時代、お姑さんをはじめとする家族にお願いしていたことを
ネットでマッチした誰かにお願いするだけ。

構造は一緒です。

実際に、試してみると

ここは自分のこだわりがある家事だったんだな
とか
ここはどうでもいい部分だから、どんどん人に任せていこう
とか
日々の気持ちの余白が全然違う
とか
パートナーとの喧嘩を少なくするための経費なんだ
とか

自分の暮らしの濃淡がはっきり見えてきます。

使うかどうか悩んでいるかたは
ぜひ一度、トライしてみてほしいです。


次のnoteは、お料理編を書く予定です。

冷蔵庫の中に、いつでも食べられるお惣菜がある暮らし。
のぞいてみてもらえるとうれしいです。

貴重な時間を使い、最後まで記事を読んでくださりどうもありがとうございます。頂いたサポートは書籍の購入や食材など勉強代として使わせていただきます。もっとnoteを楽しんでいきます!!