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どうしても出来ない人たちだって、いるの

世の中には不妊に悩む女性、男性がたくさんいる。

一方で、皆さんは不育(ふいく)という言葉をご存知だろうか。

不妊の一歩先の状態で、妊娠はするけど着床(受精卵が胎盤という布団にくっつきにくい、もしくはくっついても育たない)しないというさらに残酷な病気だ。

ある程度週数が経ってから死産だとわかると
分娩と同じように陣痛を起こして
赤ちゃんを堕ろさないといけない。

もちろん、赤ちゃんが泣くことはない。
お母さんの心的・身体的負担は想像を絶する。


私の高校時代からの友人が
この不育とずっと戦い続けている。

結婚してもう6年目。
きっと、嫌というほど

お子さんはまだなの?
孫の顔がみたいわ。

って言われ続けているんだろうと思うと
友人としても同じ女性としても
すごく胸が痛い。

そんな彼女がこの前、Facebookに心情を吐露した投稿をしていた。
私はこれを見て泣いたよね。
もう、裏側を知っていたからなおさら。

載せるかかなり迷ったけど
たくさんの人に届けばいいな、という気持ち

と、彼女が話していたので
了解を得て、以下その投稿を転載します。

不妊や不育に悩む
すべての人に届くことを願って。


===

優しさとは何だろうか。
毎日、毎日、歩いている時も
働いている時も、家事をしている時も
考えている。

気づけば、背中を押す側としての使命感に駆られて歩んでいた。

今日も
「笑顔がいいですね」
「堂々とお話しされて素敵ですね」
という声に乗せられて口火を切った。

でも、他の方々のお話を伺ううち、
涙が溢れて止まらなかった。

蓋をしてきた悲嘆は根深い。
無理をしている自覚はあった。
私はそんなにタフじゃない。

昨年4人目の子とお別れしてから、
苦しさも悔しさも、
全て弁論にぶつけると決めて過ごしてきた。

孤軍奮闘だと思い込んでいた時期もある。
でも、初めて逢う方々と語り合って、
共に涙を流して、
その時間は確かに温かかった。

みんな頑張っている。

だから私は、今日出逢った方々や、
一緒に闘っている友人たちの想いも載せて登壇するのだと決めた。


私には弁論しかない。

優柔不断で、自信がなくて、
いまいちパッとしない自分。

でも、朝の静寂の中、1人で、
様々な想いを言葉に落とし込む時間を重ねてきた。

一字一句、真心を込めて紡いできた。
それはまるで、瓶に入れて海に投じる恋文の如し。

弁士は、言葉のアスリートであるが故に、
言葉の無力さを痛いほど感じている。

そしてそれ以上に、
言葉の力を信じている。


毎朝、職場でお湯を沸かしながら
窓に覗く木の幹を眺める時間が愛しい。

仕事終わり、明日の到来を信じながらデスクを整えるのが幸せだし、家族が「月が綺麗」だなんて言ってくれるとときめく。

私は、自分の人生に関わっている人たちが大好きで仕方ない。だから、少しでも、力になりたいし、恩返しがしたい。

空の子供たちに、「お母さんは頑張っているよ」と伝えたい。


凝固しやすい厄介な血液は、慶應病院の研究のために寄付した。

「赤ちゃんが欲しい」という雑誌の調査に毎回協力し、今週は、京大の院生(看護師)の研究のためにインタビューを受ける。

そんな積み重ねが、いつか、誰かを支える力になる日は来ようか。
解は空の彼方へ。

強く生きねばと思う。
優しさは多分、その先にある。


===

今度、彼女の弁論大会があるそうなので
話を聞きたい方は足を運んでみてください。

私も聞きにいきます。

きっと、言葉の力を信じている優ちゃんの
凛々しい姿が見れるはず。

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