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【生成AI】パーパスをArtに。新しいカルチャー変革のカタチを目指す。

はじめに

今回は生成AIを活用した、富士通社内の取組みをご紹介します。
富士通ではパーパスカービングという全社的なプログラムが行われているのですが、それを生成AI(ChatGPT, Midjourney)を用いて更にクリエイティブな体験に変えよう!という試みです。

忙しい人の為のマトメ

富士通には、社員一人一人が自身のパーパスを作るためのPurpose Carvingというプログラムがあります。
生成AIを活用して、パーパスを文字からアート作品に変換するという試みを社内で行っています。
アートが生み出す感動体験にカルチャー変革のヒントがあると感じます。


筆者の自己紹介

淺間康太郎と言います。
2021年に入社して、今は3年目となりました。
普段はいわゆるカルチャー変革、Change Manaegementといった業務を中心にしています。

去年の秋頃から生成AIに関心を持ち、
2023/4/20の「generative AI asia 2023」というイベント中に開催された世界初のプロンプトソン(*)にて最優秀賞を頂くなど、社内外問わず活動させて頂いています。

*プロンプトソン・・・Generative AIを活用したサービスを企画し、そのサービスに必要なプロンプトを設計するコンテスト


富士通の「Purpose Carving」

パーパス」という言葉、ご存じでしょうか。
近年、「パーパスドリブン経営」という言葉と共に広がった言葉であり、「(企業の)存在意義」などと訳されます。

富士通においてもこのパーパスドリブン経営を強く推進しています。企業としてのパーパスを持つだけでなく、社員一人一人がパーパスを持つためのプログラムを実施しているのが特徴的です。

富士通の「Purpose Carving」が、日本の人事部「HRアワード2022」企業人事部門優秀賞を受賞 : 富士通 (fujitsu.com)



パーパスは自身の投影であり、作って終わりの一過性のモノではありません。共に(仕事に限らない)キャリアを歩み、育むもの。

より身近で、誰もが自身のパーパスに愛着が湧く。
そんなカルチャーを広められないかと考えていました。


AIと創る感動体験への挑戦

意外なところにヒントはありました。哲学です。
哲学の中には、単語や文章が持つ、本質的な意味や感情を追求する学術的な領域があります。

これを使えば、言語化されたパーパスという文字列から、そこに込められた想いや感情、価値観などを探索し、改めて文字列として出力出来るのではないだろうか?という仮説を持ちました。

しかし、これを駆使するには私は知識が足りません。
さて、ChatGPTの出番です。

「椅子」という言葉を、
哲学の1分野である形而上学に基づいて探求した様子
(GPT-4)

GPTは見事に役目を果たしてくれました。
同じように、パーパスだって出来るはず。

プロンプトを工夫すれば、そこからインスピレーションを得て、その人オリジナルのアート作品に昇華できる。そう思いました。

AIの活用と言えば、業務効率化が言われることも多いですが、今までの自分では出来なかったこと、人間に出来なかったこと、のような新しいクリエイティビティに活かしていきたいなと個人的には感じています。

簡易的なプロセス


作品 - Purpose Artified

複数の生成AIを用いて、パーパスという文字列を画像に、「意味や感情を伴って」変換することに成功しました。

私のパーパス「もっと楽しくもっと面白く 世の中にスパイスを」


最初から上手くはいきませんでした。
どんなパーパスを入れても似たようなグラフィックになってしまったり。
試行錯誤しつつ、同僚に壁打ちしてもらいつつ、カタチになってきました。まさしく私の込めたかった想いを、新しい方法で表現・鑑賞するこの体験に、とても感動しました。

まだやわやわな時からテスターとして協力頂いた何名かの作品もご紹介させて下さい。


石川大地さん(社内IT エンジニア)
廣木健志さん(マーケター)
足立美咲さん(CMOコミュニケーション)
小針美紀さん(デザイナー)
柴田塁さん(データサイエンティスト)


新しいカルチャー変革のカタチ

企業におけるパーパスの重要性は、今までも多く語られてきました。
一方で個人の、「わたしたち自身のパーパス」はまだまだカルチャーとして発展途上です。


コロナ禍を経て、今は生成AIによる職場環境への影響に関心が集まります。漠然とした不安感や焦燥感が煽られることも少なくありません。
そんな時わたしたち自身のパーパスは、時に立ち返る場所となり、時に自分を律する存在となり、時に自らの背中を押す力になると思っています。

そんなパーパスを、AIと作り上げるアートとして、感動と共に広めていけるのかもしれない。その可能性を感じています。

「綺麗!」「よく分からないけど、なんか素敵!」
そんな感動体験に、新しいカルチャ―変革のカタチのヒントがあるような気がします。

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