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高速から降りてしまうADHD

物事をすぐに始めることは結構できるのだが、続けることができない。それがADHDの特性らしい。悪く言えば飽き性、よく言えばこだわりがない。私に関して言うと、三交クリエイティブライフに入社して名古屋の東急ハンズに4月配属されたも8月にはもう辞めていた。同期20人の中で一番早くやめた。私に続いて何人か辞めたと聞いたけど、それは当時流行っていた布団のねずみ講に引っかかった人で、「お父さんやお母さんに親孝行したいよね?」と、私も呼び出されて布団を売られそうになったが親孝行に全く興味がなかったので買わずに済んだ。

安定しそうになると降りたくなる性質、というのは、ADHDと診断される前には気づいていた。変わらないことがなによりも苦痛で、変化のないことが続くと自ら変化を起こしに行ってしまう。私の中で「6年スパン」というのがあり、だいたい6年経つと興味が薄れてしまうことが多かったり、それくらいの時期に何か起きて変わらざるを得ないようなこともある。最初の店は6年経ったとき物件が競売にあって追い出された。次の店で6年経ったとき父が入院することになりそれを期に夫の武司くんと別居することになった。そこから6年して店を辞めている。もちろん意識して6年ごとになにか、ということではなく、あとになって数えてみるとだいたい6年くらいになっている。

今の人はオートマチックの免許でアクセルとブレーキしかない、エンジンもボタンの車に乗っているから、この引用が通じるとはあまり思えないが、最初まったく動いていない状態から車を走らせるにはかなりの馬力が必要だ。そこから次第に1速から2速、2速から3速へと回転数を上げて行って、最終的に安定して走れる4速や5速へと移行する。ただし、高速で安定して走っているとだんだん退屈になってくる。ましてや高速道路なんかに乗ったらひたすら走るだけで面白くない。

何もない所から「よっこいしょ」と言って始めることが好きなのだろう。これは独創性があるとか、自立心があるとも取れるが、人と同じことができないからそうする、というのもある。ADHDとは別のことで考えると、私は長女なのでなにかやって目立って妹よりもマウントを取りたいという欲求があった。その場合、人と同じようなことをやっても比べると劣ってしまうので人のやらないことをやって親の目に留まって褒められたかったのかも知れない。人のやらないようなことは誰もやらないからその優劣の定規がない。そうなると先にやったものの方が有利だ。子ども心にそんなことを考えていたのかどうかは分からないけれど、おそらく何度か偶然にそういうことがあって(!これはイケる!)などと学習したのではないだろうか。そうなると、これはまたADHDとは違う生き残りの知恵であるのかもしれない。

話を戻そう。

ADHDじゃなくても続けることが苦手な人は多いかも知れない。オンライン英会話は1ヵ月以内に辞める人が半数と聞いている。では辞めた人たちはみんなADHDなんだろうか。ADHDというのはひとクラスが3~40人だったらだいたい1人いるかいないかの確率だと聞いている。そういう私はオンライン英会話が5カ月になろうとしているわけだから続けるとか続けられないとか、そういった単純な話ではなさそうだ。

ADHDの特性として集中力がある。集中力というといいように聞こえるが過集中である。食べることもしないでそればっかりやってしまう。私の今の英語は集中の期間なので辞めずに続いているけれど、いずれ辞めることは予想される。ADHDがものごとを続けられないのは集中力に限界があるからだ。過剰に集中する、しかし集中はいずれ切れるのでその時に離脱をする。離脱するタイミングでまた何か変化があったり、別の要因で続くこともある。その場合もやっぱり集中なんである。集中が失速するとやがて辞めてしまう。エネルギーが続かないからだ。

となると、これは続けるとかそういうのではなくガーっと行って止まる。またガーっと行って止まる、という運動法則である。車で言うと永遠に1速→2速→3速を続けていて、仮にそのまま高速に乗ってしまったとしても(ありゃ、やっぱなんかダメだな、降りよう)となる。

ADHDの人のエネルギーは止まっているのが多分デフォルトで、そこから何度も何度も出発する。エネルギーが溜まるとロケットが発射するみたいにドカーンとなる。単発のエネルギーを何度も発射するようなイメージだ。だからドカーン!と行くけど失速して落ちてくるときもある。勢いはいいけれど、物によっては急速に失速することも多い。めっちゃやる気になったのに突如やる気を失ったりする。こうなると信用問題で、人を裏切るような格好になったりもする。これはなかなか困った問題だ。加えてADHDというのは頼まれごとを請けやすい性質がある。私の場合は(私に言ってくると言うことは私が興味を持ってできることだと、思って頼んでくるのだな)などと思う。なぜなら自分なら人にそういう頼み方をするからだ。しかし先方は(やってくれるなら誰でもいい)と思っていて(引き受けてくれたならきっとできるんだろう)となる。そもそも双方の意思がすでにすれ違っている。

結果、引き受けたはいいが、興味もやる気も失い、ついでに信用も失う。これがADHDの困ったところである。

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ADHD(注意欠如・多動症)である私の散らかった思考がそのままマガジンになっています。日々書かれることに一貫性はありません。

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