第90日目　アライグマ、ムジナとタヌキとちょっとイタチ

5月29日（金）

前日の夜。妹から連絡があった。今月末～来月初めに除草をするが来れるかどうかの返事で、自分は無理だがHくんだけ行く。と言うものだった。Hくんとは妹の旦那だ。

うちは親、姉妹家族は全員タダで米を配っている。米はほぼ私ひとりで作っているが、米作りには少なからず金もかかるので、畔つけ、田植え、草取り、稲刈り、冬場の田んぼ作業など、一緒にやれそうなときは声をかけてきてもらっている。一番下の妹は近所に住んでいるので「明日どう？」とか聞いて比較的気軽に来てもらえる。真ん中の妹は名古屋に住んでいるのだけど、それでも日帰りでやってきては数時間作業をする、というのがシーズン中に２回くらいある。

今年はコロナで一回も来れてなかった。いや、来て欲しかった時に来てもらえなかった。特に４月の畔つけのとき。いやー、あれは痛かった。妹と妹の旦那Hくんは非常にスタミナがあるので、長時間の作業をやってくれる。とにかく、わざわざ名古屋から２時間くらいかけてやってくるので、行くんだからそれなりの量の作業をしないと「来た意味がない」と思っているのかも知れない。去年はがっつり畔をつけてくれて非常に助かった。畔つけのスキルもついたし、今年もその調子で…と思っていたのだけど、コロナで私の目論見もはずれてしまった。

朝の９時に田んぼに集合。と言ってもやってきたのは旦那のHくんひとり。田車での除草は以前もやってもらったことがある。Hくんは仕事が非常に丁寧だから、信頼して任せることができる。途中で一番下の妹が差し入れのお菓子を持ってくる。妹は今日は仕事だ。休みつつ、昼までやって終わろうと思ったら、やっぱりもう少しやっていくとHくんは言う。それで、結局14時くらいまでやった。Hくんはそこから帰宅。帰りには米を２袋持って行った。子どもたちもずっと家にいたので米がなくなるのが早いらしい。

月末と言うことで、私はそこからみんなにお給料を渡す。銀行に行ったりして中途半端に15時に軽くご飯。中腰の姿勢がかなり腰にきているので、少し休む。

夕方、再び作業をするのに自転車で行く。途中、道路わきになにか物体がある。近づいてみると、アライグマだ。さすがに私もタヌキとアライグマの区別はつく。目のところに黒いクマがくっきり付いていて、しっぽがシマシマ。この間タヌキが死んでいた場所と同じで、車に轢かれたのだろうか。その割には外傷がなく、血も出ていない。

引き続き田車を押していると、ヒロキさんがゆっくりと軽トラでやってきた。運転席からニコニコして「ここまでキレイにしたらええの～」と言う。若い時分はさぞイイ男だったろうと思わせる顔立ちだけど、眼光が鋭いのでどこか死神博士みたいにも見える。私がアライグマが轢かれていたのを見たかと聞くと、あれは車で轢かれたのではなく、私の知らないナントカさんの畑で罠にかかっていたヤツだと言う。道路わきに死体を出しておくと道路管理車が持って行ってくれるらしい。それが果たして合法かどうなのかは分からないけど。でも、罠にかかっただけじゃ死なないのでは？毒でも盛るのか？私が疑問に思っていると、何も数日炎天下に放置しておけば死ぬのだと言う。

罠はハサミとワイヤーの二種類があるとも教えてくれた。ハサミは踏むとバチン！ってギザギザの金具で挟まれる。ワイヤーは多分体が通ると締まるヤツだ。じゃあ、もしかするとちょっと前に同じ場所で見たタヌキの死骸も罠にかかったヤツかと聞くと、そうだが、あれはタヌキではなくムジナだと言う。ムジナとはアナグマのことらしい。アナグマとタヌキの区別がついてなかったことに少なからずショック。タヌキは畑のものに悪さをしないがアナグマはいたずらに鼻で地面を掘り返す。

もしかすると、今後も同じ場所になにか生き物が放り投げたあったりするのかも知れない。ネズミ捕りでネズミを捕まえた時は金網ごと川に浸けると聞いたことがある。ネズミでもちょっと嫌な気になるのに、アナグマやアライグマ級のサイズを川に浸けるとかやりたくないし、やっぱり炎天下に数日放置するのがせいぜいなのだと思う。以前、鶏舎の近くにイタチが出て罠を仕掛けた。結局捕まらなかったがイタチは肛門の横に臭いを出す線があるらしく、捕まえたことのある人はみんな「イタチは臭いぞ」と言う。もしあの時イタチが捕まっていたらどうやって処分したのだろうか。川に浸けたら自分が地獄に行ったとき水責めに合いそうな気もする。いずれにしてもそういった生き物の処分はなかなか面倒なものだ。

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交通費　0円　
歩数　2742歩
作業　第一回目の田車使用。
仕事　
料理　淡竹炊く。
その他