特殊小道具は楽し
特殊小道具というのは、ぼくが勝手につけた名称で、要は「存在しないもの」を立体化した小道具のことだ。
いろいろな特殊小道具を作ってきた。記憶に残っている小道具といえばこれだ。『片腕マシンガール』のコスプレで、ハロウィン合わせの依頼品。
でかい!片腕にガトリングガン(的な謎の機関銃)を装備した女子高生のコスプレをするミノワさん。
片腕で持てるほど軽く、ぶつけても壊れない程度に丈夫で、という依頼。
モデルが美しいのはともかく、マシンガンも気合入っているでしょう。これがたぶん12年くらい前。カワサキハロウィンで披露したもの。あれ?意外と最近だな(10年は最近)。
ハロウィンには需要があった。以下のゾンビマスクも
・丈夫で壊れ難く
・極端な変形要素がない
というオーダーで作ったものだ。
頭が半分に割れて中から虫が覗いているものや、斜めに鉄杭の刺さったものなど、シルエットで勝負型のゾンビマスクも提案したが、絵を描いて見せたら「怖すぎてダメ」とボツになった。今でも理不尽だなと思っている。
ウレタンシートで形を作って合皮貼り。
それから数年経って、ウレタン合皮と仲良くなったぼくは、アクション班用のマスクを造形したり。
悪役の機械義手を作ったりした。
脚本を書いた作品『クォンタムメモリーズ』に登場するアーデルハイド様(演:高瀬川すてら)。動きやすく、メカメカしく、マガマガしい、というテーマで制作。しかしこうなってくると「美女の片腕に何かしたい人」みたいになってしまうな。美女の片腕に何かしたいです。
これはウィンチェスター。エアガンやモデルガンだと2kg〜4kgくらいの重さになってしまうので、特殊小道具として制作。素材は塩ビパイプとウレタンボード、合皮、カッティングシート(木目)。
色を塗る前はこんな感じ。結束バンドで塩ビパイプを固定して、グルーガンでガチガチに固めて、ウレタンボードで木製&金属部分を成形。
装着すると、こう。片手で持ててポーズも可能。
ちなみにコスプレしてるのは当時70歳の現役コスプレイヤー、ロクロウさん。
脚本を書いた舞台『降臨ハーツ』の特殊小道具たち。変形したりと忙しい。
安全性、軽さ、運びやすさ。そして壊れにくさ。特殊小道具にはそれらが必要だ。持つ人が苦もなく扱えて、ぶつけても怪我をしない。そして持っているだけでなんだか役に入り込めるような、そんな小道具が理想だ。
それを守らない奴は、猫ゾンビが屋根裏からお前のベッドに行くからな!
ドラグノフで狙撃するからな!
ゾンビが!(もういい)
また何か作るかもしれないので、その時はちゃんと制作過程などを写真にとっておきます。ね。
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