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ミニチュアリズム

 子供の頃からプラモデルが好きで、でも作るとなんか違うなって思ってた。ランナーと呼ばれる棒に、作られるべきパーツ(部品)がついている。その状態は完成品までの途上で、作られるべき姿への無限の可能性を秘めている。でも、パズルのように説明書を見ながら組み立ていくと、なんだか思っているものとは違うものができあがる。出来がいいとか悪いとか、そういう話じゃなくて、ぼくはランナーに収まった状態のパーツを美しいと思っていたのかもしれない。

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ちなみにこれは、ぼくが世界一美しいと思っているアッグのランナーだ。

ちなみに組み立てるとこうなる。

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 誰が悪いわけじゃない、そういう時代だったのだ。

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 ところでこれは、プラモデルを作るときに、隙間を埋める「ごちゃメカ」という名前の商品だ。3Dプリンタで出力されたものなのだが、これがポート材も含めて作品として美しいのだ。サポート材とは、そのままでは自立できない部品を支えるための棒、つまり3Dプリンタにおける「ランナー」のことだ。

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まるで廃墟の工場か、閉館後の遊園地に迷い込んだような気持ちになる。

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 もったいなくて、切り離せない。これを切り離して自分がいま改造しているプラモデルに組み込んだらどれだけ素敵なことだろうと夢想する。きっとぼくは実際に切り離し、組み立て、そして塗装をして完成させるだろう。

 だけどいまは、あと少しだけ、この状態で眺めていたい。

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