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【入門編2】ベイブレードXのなにがアツいのか


今、ベイブレードXがアツい

2023年8月に発売されたベイブレードX。
バトル専用コマをぶつけあうバトルホビーです。
今、コロコロキッズ達を中心に、大人まで巻き込んで熱狂の渦を作っています。
約3ヵ月で出荷数は100万個を超える大ヒットです。
これほど人々がハマっているのはなぜでしょう?

シンプルなルール、白熱のバトル

ベイブレードXのルールはとてもシンプルです。
勝ち方は4種類あり、それぞれでポイントが変わります。
合計4ポイント先取で勝利です。
詳しくは前回のnoteを参照してください。

このバトルがとてつもなく激しいです。
ブレードのメタル同士がぶつかる音は初めて聞くとびっくりしてしまうでしょう。
重い衝撃音とともにベイが吹き飛んでいく、あるいは破壊される光景は圧巻です。

バトルを更に盛り上げるギミックが「エクストリームダッシュ」です。
軸先のギヤとスタジアムのギヤが噛み合い、超スピードでスタジアムを駆け抜けます。
一瞬たりとも気が抜けないバトルは、思わず拳を握ってしまうほどです。
特にアタックタイプのバトルでは「脳がシビれる」感覚を味わえます。
この快感が忘れられなくてアタックタイプを愛用するブレーダーも多いでしょう。

スタミナタイプやディフェンスタイプ同士でのスピン勝ちを狙ったバトルもアツいです。
どれだけカスタマイズでバランスがとれたか、シュートパワーは十分だったか、ずっと試されているようでヒリヒリします。
終盤の競り合い、先に転ばないよう祈らずにはいられないでしょう。

奥深いカスタマイズ

カスタマイズも簡単そうに見えてかなり奥が深いです。
パーツ同士の相性に始まり、目標をどこにするかでまったく違うカスタマイズができます。
戦略的にどのタイプを使うか、どういう「勝ち」を狙いに行くか、ブレーダーによって様々です。
オーバー・エクストリームを狙って動き続ける「勝ち」を狙うならアタックタイプのブレードに高機動のビットを、スピンを狙うなら防御に優れたブレードにスタミナタイプのビットを、などなど・・・
カスタマイズの幅は無限大といっても過言ではありません。

また、「同じカスタマイズなのに勝てない!」というブレーダーも多いはずです。
それはベイブレードXに個体差があるからです。
重量や重心の位置は、パーツごとに微妙な差があります。
綺麗にベイ全体のバランスをとってロスなく回転できるようにしてあげたり、バースト対策としてロックが固い組み合わせを探すのが「調整」です。
ブレードとラチェットの個体差を見ながら、向きを変えたり、同じパーツでも違う個体を使ってみたりします。
ラチェットの向きひとつで動き方(回転のブレ)は大きく変わるので、まずはラチェットの向きを変えてみましょう。
こうしてよく「調整」されたベイは強いです。
スタミナ勝負ならこの「調整」が大きな差になります。

一方で、偏重心と呼ばれるカスタマイズもあります。
重心の位置をわざとずらして、回転をブレさせるものです。
縦軸・横軸ともにブレることで、スタミナを削る代わりに攻撃力を上げています。
とはいえ偏らせればいいというものでもなく、狙ったブレを発生させられるように「調整」するのが大事です。

ベイブレードXにも、他の競技と同じく「環境」と呼ばれるカスタマイズや戦略があります。
ヘルズサイズBやウィザードロッドB、フェニックスウイングRといったカスタマイズが代表です。
安定性などの面で再現性が高く、また「誰が使っても大体のベイに勝てる」カスタマイズになっています。
しかし「調整」やシュートテクニックなど、うまいブレーダーが使うと、もっと強くなります。
「使う人が使うと太刀打ちできない」ベイでもあります。
この「環境」についていくか、あるいはメタを張って「環境特攻」のベイを作るか、ブレーダーの戦略性が問われるところでしょう。

このように、カスタマイズは誰でもマネできるけれど、戦略や調整まではなかなかマネができません。
ここを研究して「これだ!」というベイを組み上げるのも、ベイブレードXの奥深いところです。

シュートに見えるスポーツ性

ベイブレードXという競技でただひとつバトルに関われる行動がシュートです。
どれだけ良いベイが組めても、いいシュートができなければ勝てない、ということでもあります。
シュートパワーや姿勢、シュート地点、シュート直後のベイの軌道がポイントになります。

Tビットなど、パワーが強すぎると暴れて自滅場外してしまうビットもあります。
ここでパワーを抑えるか、エクストリームダッシュをしないようにランチャーを斜めに持ってシュート(=ラッシュシュート)するか、ブレーダーによって分かれるでしょう。
また、どの位置にベイを落とすかで軌道も変えられます。
ベイや相手にあわせてシュートを変えることで、相性不利を打ち消すことも可能です。

シュートは地道に練習するしか再現性を作れません。
昨日はこのベイで勝てたけど今日は勝てない、なんてこともザラにあります。
シュートに乱れがあるのが大きな原因です。
ここにベイブレードXのスポーツ性を見出すことができます。
野球やサッカーと同じ、「練習した動きを再現できるか」というものです。
この試行錯誤と反復練習を楽しめると、もっとベイが強くなれるでしょう。

また、相手がどういうシュートを打ってくるのか、どこを狙っているのかを読む駆け引きも重要です。
「ここに落とそうとしているな、ならこっちはここに落としてエクストリームダッシュを狙おう」などです。
シュートが上手くなると、相手の動きに対応することもできるようになります。
もちろん、上手い相手だと読まれてしまうこともあるので、ブラフなどのテクニックも重要になってきます。
このシュート直前の駆け引きも、スポーツと同じでしょう。

ベイブレードXは簡単に楽しめる

ここまで散々「いかに強くなるか」を書いたけれど、一番は楽しむことです。
楽しんだ先に勝利を求める奥深さ、のように捉えてもらえるとありがたいです。

ベイブレードXは遊ぶのはとても簡単で、ベイをランチャーにセットして紐を引くだけです。
この手軽さと奥深さに、自分でも気づかないうちにハマっている人が多いのでしょう。
勝てれば嬉しい、という競争心を駆りたてられるのもハマる大きな原因です。

脳には報酬系というシステムがあります。
欲しいものに向かって気分を高揚させたり脳の回転を上げ、ドーパミンを放出するものです。
ここで人は快楽を得ます。
ベイブレードは報酬系の働きを活発にさせていると思います。
ここでの欲しいものとは勝利や迫力あるバトルです。
欲しいものが手軽に、それも短時間で手に入りやすいベイブレードは、脳のシステム的にもハマりやすいのでしょう。
ぼく自身、「あぁ、ドーパミン溢れてるなぁ。気持ちいいなぁ」と自覚しながらプレイしていることは多いです。

そして、気づかないうちに、あっという間に時間はすぎています。
大会の2時間も、調整の4時間も、ぼくにとっては一瞬です。
これだけ楽しめるホビーはなかなかないでしょう。
未体験の方々も、YouTubeの動画などでちょっとでも体感してみてください。
ぼくも参加した交流会の動画リンクを載せるので、ベイブレードXのアツさが伝わってくれると嬉しいです。
迫力と未体験のバトルが日本各地、さらには海を超え世界中で起きています。

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