ボイトレ:コンプレッサーとして腹圧を使う
シンガーソングライターでボーカル講師もしているよしひろあさこです。
2020年からスクールで教え始めて1年半。
現在フリーで教えている生徒さんを含めて40名程の歌好きさんたちと触れ合う日々。
せっかくなのでレッスン日誌を書くことにしました。
レッスンメニューのマイブーム
日々レッスンをしていると、その時々の流行りみたいなのがあって、同じことをいろんな生徒さんにやってもらい成果をみたりします。
今日のマイブームは「腹圧」。
先日Eテレで再放送していた「クラシックNOW」で、オペラ歌手の田中彩子さんが「コロラトゥーラ」という歌唱法の解説をされていて、レッスンでも試してみました。
"コロラトゥーラ"
コロラトゥーラはモーツァルトの「魔笛」に出てくる「女王のアリア」のような超高音で歌う技法のことだそうで、"シュッ、シュッ"と腹圧を使って息を吐き出す呼吸法を用いると、歌をやっている人なら意外と簡単に喉に負担をかけることなくホイッスルボイスのような高音を出すことができます。
かんたんに、なんて言ったら怒られそうですので、敬意を表して田中さんの神技をご紹介します。
ほんとに「どこから声が出てるの!?」と驚くほど、何事もないみたいに声を出される田中さん。素晴らしいです!
そんなわけで、入会から半年間ずっとホイットニー・ヒューストンの「I will always love you」に取り組んでいらっしゃる生徒さんが高音を出すときに使える!と思ったのでした。
レッスンではなかなか良い成果が出ました。
腹圧って腹式呼吸?
先程のお腹の圧を使った歌い方は、腹式呼吸なの?と思った方もいるのではないでしょうか。
歌を習うとよく腹式呼吸を学びますが、私はレッスンでは腹式呼吸を教えていません。というのも、肺は胸部にあり、特に背中側の面積が広いそうで、呼吸を入れる時は背中を意識します。
でも、吐くときはやはりお腹の圧力を使うのが良いです。
腹圧のかけ方
みぞおちとおへその間くらい、あるいは丹田のあたりに手を当てて、声を出すときに圧がかかるかをチェックします。
不思議なのですが、声を出すとき、息を吐くからお腹が凹むと思いがちですが、実際はお腹を張って圧力をかけ、その圧で息が気道を上がっていき声になります。その時外腹斜筋も働いていることを確認します。
これこそが腹式呼吸なのでしょうが、息を入れるときにお腹を意識するとうまくいきません。
コンプレッサー
この腹圧は、コンプレッサーのような役割です。音楽をレコーディングするとき、ほぼ必ず各トラックにコンプをかけて音圧をあげバランスをとりますが、歌声にはお腹で圧をかけることで、安定したある程度の太さがある声を出すことができます。
アマチュアの方によくある、音符がバラけてしまう、音程が不安定、響きが足りないなどはこれで解決します。
ぜひ身につけると良いですよ!
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