見出し画像

私の不妊治療の話。

最近有名人の方が続々と不妊治療の経験を発信されていますよね。
少し前までは「〇〇歳で妊娠した!」という報道しかされなかったので、世間は「結婚したら当たり前に妊娠できるんだ」とか「そんなに高齢でも妊娠できるんだ」という「誤解」をしてしまっていたように感じます。

有名人の方って我々一般人よりも若い頃から多忙で不規則な食生活・生活習慣を送っているはずで、そんな人たちがいとも簡単に妊娠しているように感じてしまうんですよね。

私もご多分に漏れず、35歳を過ぎていましたが、避妊さえしなければすぐに妊娠すると思っていました。
ずっと自由に生きてきて、私の人生は出産という出来事とは無縁だと考えていましたが、今のパートナーと出会って子どもがほしいと言うもんだから、「そうか、じゃあ産んでみるか」と思って生理管理アプリで排卵日を予測し、自己流のタイミングで妊活を始めました。
私は標準体重で至って健康。たまに体を動かすし、タバコは一度も吸ったことはないし、お酒もほとんど飲まない、お菓子もジュースもあまり食べません。
生理周期も28日でピッタリ来るし、生理痛も皆無と言ってよいくらいでした。
母親も4人、姉も2人、兄も1人、妹も1人子どもを産んでいました。
だからはっきり言って自分の体には自信があったんです。


しかし私は妊娠しませんでした。
毎回タイミングを合わせていたものの、2年間規則正しく生理が来ました。


妊活を始めたときは私がギリギリ35歳、パートナーは40歳のいわゆる高齢に入っていた頃だったので、2年の間何もしなかったわけではありませんでした。
まず、妊活開始から半年経ったとき、私は日本のクリニックでいわゆる「ブライダルチェック」を受けました。
そのときに言われたのが「子宮口がちょっと狭い」、「子宮筋腫がある」という2点でした。
それでも妊娠に影響があると言われたわけではなく、筋腫も無視してても大丈夫という診断でした。

その半年後(自己流妊活開始から一年後)、上海のクリニックで排卵検査薬を使って排卵のタイミングを見ながら妊活をやってみましょうという指導を受けました。
同時にパートナーは精子の検査を受けたのですが、「液化しなかった」という結果が出ました。
(通常膣に射精された精液はその後「液化」という現象の後に子宮内へ入っていきます。)
しかしその後の何度か受けた精子の検査では特に異常は見られませんでした。
私たちはいわゆる原因不明の不妊でした。
上海のクリニックには頻繁に通えなかったので、排卵検査薬を使った自己流のタイミング方で妊活を続けました。


そして「忙しい」「毎回チャレンジしていればいつかできるのでは?」を理由にそこから一年が過ぎようとしていたころ、私たちはようやく不妊治療専門外来の門を叩いたのです。
すでに不妊は2年に及んでおり、高齢ということで人工授精からスタートすることにしました。
まずは様々な検査項目をこなし、人工授精は婚姻関係にあることが条件であったので、結婚しました。
この部分で歩みを止めた記憶はありませんが、ようやく約半年を経て人工授精をすることができました。
結果は陰性でした。
冗談みたいに低かったhCGの値に思わず笑ってしまいましたが、精神的には結構なダメージを負ったのを覚えています。

そしてまた「忙しい」が始まってしまい、そこから半年が過ぎましたが、39歳手前でようやく体外受精にステップアップしました。
ここからの病院通いは凄まじいものがあり、地図アプリで病院に「勤務地」の提案があったほどでした。
なにより仕事を調整するストレスは半端なかったです。
結局、検査を経て11月に採卵、13個取れて胚盤胞が4つできました。
移植は、年末年始を挟んだことやコロナのピークもあり、2月中旬に行い、人生はじめての着床を経験しました。
皮下注射と筋肉注射を頑張ったのですが、7週程度での流産となりました。

初めて着床というものを経験して自分の体に対する自信にもなりましたが、改めて妊活というもののコントロールのできなさ加減に圧倒されています。

流産した日から2,3日は感情の揺れが激しかったのですが、その後はなんとか平穏を保ち、夏休みを思い切り楽しんだら2回めの移植をしたいと思っています。
通っている病院は流産となった場合、次の移植まで3~4ヶ月空ける方針です。
もし2回め・3回めも着床から流産という流れをたどれば、それが全部終わった頃には私は41歳目前になっているため、今凍結している胚盤胞がなくなれば私の妊活も終了かなと考えています。
パートナーは採卵もまたやろうと言っていますが本気かどうかはわかりません。
ただ卵子はその間にも年をとっていくので、2回め移植の前に採卵したほうがいいのか?でもあと3つ残っているのに採卵しておくなんてなんかおかしい…。などとぐるぐる考えてしまいます。

この先私が子どもを産めるかどうかはわかりません。
それでも「何もしないで子どもができなかった人生」ではなく「できることはして子どもができなかった人生」は少なくとも歩んでいけるので良かったと思っています。

私が体外受精・流産を経て思うのは、不妊で子どもがほしい人は今すぐに不妊治療を始めたほうがいいと言うことです。
私自身、人工授精一回と胚盤胞の移植一回ですでに2年弱が経過しています。
自分たちの都合で休むこともあれば待たされることもあります。
トントン拍子で進まないのが不妊治療です。
また、不妊の原因にはあらゆるものがありますが、治療が高度であればあるほど、それらの原因をすっ飛ばして着床へと導いてくれると思います。
だから高度な治療が選択可能なのであれば積極的に受けてほしいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?