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心乱れて、墓参り。

4年前に母が他界してから、父と姉家族と月命日のお墓詣りが恒例行事となっている。

車を持たない私のために毎回姉家族が迎えに来てくれるのだが、誰かが欠席して一台で行ける時は父もピックアップすることにしている。

新車をベッコベコにした前科のある私が言えることではないが、姉は運転が下手だ。と言うより、ずっと苦手意識が強い。

そのため、父が乗る時は運転を交代してもらう。
運転が極度に苦手な姉と、今年80歳になる父。
どちらにせよ、しっかりとシートベルトを締めて運命を受け入れる覚悟をするしかない。
私に選択肢はないのだから。

お墓参りと言っても今は納骨堂に変わっていて
母のお骨が納めてあるすぐ近くに、母方の親族の
ものもある。
祖父、祖母との思い出はかなり記憶が薄れていて手を合わせるたびに毎回何を思えばいいのかさっぱり浮かばない。

しかし今回は祖父の大好きだった山笠を初めて見に行った報告ができた。
「よかたい!」
と聞こえる気がする。

そして、最近その場所に新たなお骨が加わった。
叔父と叔母である。
叔父は10年以上植物状態で入院していた。
その間、叔母は一度も見舞いに来なかったらしい。
親族中から嫌われた叔母だった。
そんな2人が一年おきに亡くなり、今では同じ場所に納骨されている。

つい、今どんな気持ちなんだろう
と考えてしまう。
生きている間、愛し合って、憎しみあって、見捨てて、死んでからはずーっと一緒。
無に帰したのだろうけど、人のご縁とは、と考えてしまう。

母には報告することが毎回豊富にある。
何でも話せる母だった。
面白いことが大好きで、テレビを見ては
「自分だったらこんな風にしたいとかすぐ考えちゃう!」
と言っていた。
私がポッドキャストにハマり裏方なんて始めている事を大笑いして応援している気がしてならない。

健在の父にも姉にも何故か言えないし言う気にもならない。これは母と話すテーマだった。

お墓参りの後は必ずみんなでロイヤルホストに行く。いつの間にかお決まりコースになった。

父のおよそ現実と思えないような昔話を聞き、姉の止まらないBTS話を聞く。
姪っ子が1人でずっと描いているイラストが意外と細かい描写をしてる事に気づき、一緒にお絵描きもする。

そうしていると昔馴染みの老夫婦が店内に入ってきた。
私たちに気付くとテーブルの傍に立ち、マシンガントークを繰り広げる元気なおばちゃんは今ではもう白髪のおばあちゃん。

あれこれと質問攻めにされる。
私へのキラークエスチョンを避けるべく、うまく会話を先導する姉。アンタッチャブルな妹で申し訳ない。

自分の死を覚悟したり、死後の世界と現世の人の縁に想いを馳せたり、母との会話を思い出したり、父の今後の体調や仕事を心配したり、姪っ子の成長を気にかけたり、自らの今後の身の振り方を考えたり。

お墓参り、要素多すぎるんよ毎回。

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