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新人お題シリーズ(2) 学生と社会人の違いってなんですか?

新人お題シリーズ第2弾は、新人研修で一番初めに問いかけられそうな定番のこの言葉「学生と社会人の違いってなんだと思う?」
このお題を出してくれたIさんにお題の意図を聞いてみたところ、先日研修に行ったグループワークで、その話が出たんだそうだ(やっぱり!)。そしてその違いとして上がってきたことはこんなことなんだそうです。
・学生と社会人の違いは、お金を稼いでいるかいないか
・自分の行動が自分の責任だけじゃなく会社の責任になる
・対価に関しての意識が大きく違う部分

なるほど、いいですね。
実はこのお題、2017年の新人が入ってきた際に、書いたブログが既にあります。ぜひ読んでみていただきたい。

社会人と学生の違い

毎年4月あたりになるとこの記事のアクセスが伸びるので、今年も会社に入った新人が同じ質問をされてるんだなあ~と感慨深く思っていたのですが、さて、せっかくなので上記の記事から少しばかり深掘りをして、今回の記事としたいと思います。

先の記事ではこう書いています。
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いま、卒業、就職を経て、所属する場所は学校ではなく会社になった。学校と会社、それの大きく違うところはどこだと思う?
答え。サービスを受ける側からサービスをする側に回ったこと。お金を払っている立場から、お金を稼ぐ立場になったこと。
ここではみんな、明日の糧を得るために稼いでいる。
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社会人と学生の違いを問われたら、今でも私は、この答えが一番しっくりくる答えだと思っています。サービスを受ける側からサービスをする側にまわっているということ。もちろん学生時代にアルバイトをしていたら、サービスをする側にいたこともあるでしょう。けれどやっぱり、本業とすることが学業であるか仕事であるかの違いは大きくあると思います。あなた自身がどこにいるのかが違うから。じゃあ仕事を本業とする社会人が「サービスをする側」であるというのはどういうことか?どういうポジションでどこに立っているのか。
少し具体例を持って、説明させてもらいますね。

(1)勉強
学生時代は勉強は「教えてもらう」ものでした。もちろん教授からは「まずは自分で考えろ」とも言われたでしょうが、それは教育の一環として出てきた言葉。社会人になるとサービスをする側なので「教えてもらう」はおかしいのです。社会人にとっての勉強は「自分で覚える」もの。企業は早く収益を上げる人材になってもらいたいので新人教育と名打っていろいろ教えようとしますが、その裏にある共通認識は「社会人は自分で覚える」ということだと、きちんと意識しておきましょう。セミナーも本来は自分のために、自分の稼ぎの中からいくものなのですよ。

(2)目的
学生時代の目的は、ただ自分の学力の向上にあったのではないでしょうか。でも社会人は、自分の成長ではなく企業の目的を達成することがあなたの持つべき上位の目的になります。その下にチームの目的や目標があり、その下に自己スキルの向上などがあります。企業の目的のベクトルと違う方向の自分の成長は、働く上での目的にはなり得ない。なぜそうかというと、雇用契約がそもそも、企業の目的を達成するために働くから賃金をお支払いしましょう。という契約になっているからです。そして存在するすべての企業は「営利の目的で存在する経営体」であり、サービスを誰かに提供することでその対価を得ています。

(3)責任
さて企業が営利の目的で存在し、誰かにサービスを提供しているとき、その目的達成のために働くあなた(社員)は企業の責任のもとにあります。サービスを提供された人は、あなたと取引をするのではなく、会社と取引をしている。だから、もし新人のあなたがミスをしてきちんとしたサービスを提供できないとき、あるいは取引先に損失を与えてしまったとき、その責任はどこにあるかというとあなたをしっかり管理できなかった会社や上司にある。お客様に謝りに行くのは責任のある立場の人間であって、新人のあなたではない。
じゃあ新人に責任がないかというとそうではなくて、顧客に対しての責任ではなく対価としてお金を受け取っている会社に対しては、きちんと働けなかったという責任が生じる。学生時代と違い、責任が自分以外の人間に及び、大きな迷惑がかかってしまうことは、学生と社会人の大きな違いです。

(4)評価
学生の評価はわかりやすいですよね。評価基準が明確で点数にもしやすい。けれど社会人の評価は、それほど単純なものではありません。言葉にすると「貢献度」これによって評価されるのですが、じゃあ貢献度ってなんでしょう?と考えると、いろいろな要素があることがわかります。一番わかりやすいのは「大きな収益を上げること」。けれど会社は会社の目的のために大勢の人数で運営する経営体なので、「他の誰かの大きな収益のために何かをすること」も貢献のひとつとカウントされます。あいつ仕事は遅いけど判断力があって決断は早い、だとか、あの人収益は上げるけどスタンドプレーが目立ってチーム全体が乱れる、みたいな評価が生まれ、社会人の評価は一筋縄ではいきません。
さあ、新人のあなたは何で評価されましょうか?それはあなたが見つけていく課題です。上手に、評価されましょう(笑)

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サービスをする側になる、ということはサービスを受ける側を意識することです。サービスを受ける側の人が欲しがっているものを知り、よりよいサービスをする必要があります。
けれどあなたの目の前にサービスを受ける側のお客様がいたとしても、お客様が対峙しているのはあなたではなく、その先の企業。あなたは企業の中で仕事をしながら自分のポジションを築き、より早くスムーズに企業活動が運営されるように動くことが求められていて、これが社会人であり、学生とは大きく違うところだと、思います。

あなたは企業という機械の、ひとつの歯車と言われたら、嫌な気持ちになるでしょうか。
けれど社長であるわたしも、ある意味Bit Beansの歯車のひとつなのです。Bit Beansという企業の社長というパートを担っているに過ぎない。いろいろな部品が集まってBit Beansという経営体が構成されて、ひとりひとり重要なポジションにいるから、全体が動いていく。
その人がどういう人であれ、同じ目的を共有する仲間がいてひとりひとりが全体を動かしているということは、学生時代のオンリーワンの関係性よりも、ある意味つながりは深い。
学生と社会人との違いは「サービスを受ける側か、提供する側か」だけれど、学生から社会人(企業人)になるということの本質は、全体の中の個として動く、ということかもしれませんね。

少しお話しずれますが、仕事上での意見のぶつかり合いは、友人同士や家族間の多種多様な目的や価値観のある中でのぶつかり合いに比べれば、実はとてもシンプル。
同じ目的のもと、良くしようという思いから「やり方の違い」でぶつかりあっているわけだから、きちんと話してより良い方法を探ればいいだけ。相手への尊重の気持ちと聞く耳さえお互いに忘れないでいれば、かならずその先には和解や協力があるのです。
そんなところも、実は社会人と学生の違いとして挙げられる部分なんじゃないかな。

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