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新人お題シリーズ(9)仕事で涙が出そうになったときの対処法は?

あと残り2つとなった新人お題シリーズ。今回は涙について。
涙・・・これは確かに曲者ですよね。子供の頃から「お友達を泣かせちゃダメ」って言われてきただろうし、一方泣いたら「大丈夫?」って優しくされたこともあっただろうし、女性の涙にめっぽう弱い男性がいたり、男は泣くもんじゃないといわれたりもする。
一般的に「泣く」ということは「一方的に自分の感情を相手にぶつける」意味も持つもの。
だから仕事の場での涙はどうしても「甘えている」とか「自分のことしか考えていない」と見られがちですし、マナーとしてはすべきことではないのは確かです。もちろん泣くこともあるだろうし私だって何度も泣いたことはあるけれど。
今回の質問、「仕事で涙が出そうになったときの対処法は?」っていうことはきっと、「職場では泣くもんじゃない」「涙を見せたくない」ということは既に思っているって理解でいいかな。それでは涙が出そうになった時の対処法から。

◆泣かないように頑張る
涙が出そうになったら、涙が出ないように頑張りましょう。
それをどうしたらいいかわからないんです!ってことだと思いますが、あえてちゃんと書いておきます「泣かないように頑張りましょう」。ちょっとネットで検索してみたら「口をほんの少し開けると涙が止まる」とか「一瞬上を向いて飲み込む」とかそんなことが出てきました。また泣きそうだと思ったら「ちょっとお手洗いに失礼します」と言って退席しちゃって気持ちを切り替える。という意見もありました。
仕事の場では、泣くという方法で自分の気持ちを伝えるべきではないですよね。その感情を受け取る側のことを考えるのが礼儀だし、思ったことは(意図的に感情を出してみることはあっても)たいていの場合は感情を交えずに言葉で説明すべきものだから。

◆泣いてしまったらすべきこと
とはいえ、泣いてしまった。そういうときにすべきことは
・自分は泣くべきではないと思っていることを伝える
・できれば泣いている理由を仕事上のポジティブな面として伝える
つまり泣いてしまい、相手も泣いてるということがわかったなと思ったら「すみません」と言うこと。そしてできればその理由を仕事に置き換えて説明すること。「仕事への想いが高ぶってしまいました」「考えを整理できずに溢れてしまったんですが、今からちゃんと考えをまとめます」例えばそんなふうに。

◆泣く理由は「理不尽さ」と「自己嫌悪」
人が仕事で涙を流す理由は、この2つに集約されることが多いんだそうです。実際私が泣いたことを思い出してみてもやっぱりこの2つに集約されているように思います。
最後に職場で薄く泣いたのは5年ほど前かな。シングルマザーで息子と約束していたのに社内事情で帰れず、帰らねばということを伝えているにもかかわらず無意味に感じられるぶつかり合いの仲裁をせねばならなかったときに。きちんとした母でいられない自己嫌悪と、大切なことをこの話し合いでつぶされる理不尽さ。なんとか話しながら涙を引っ込めたけれど、たぶん周囲は気づいていたと思う。
ただ、上記の場合はわたしはちょっとずるかった。多少涙を利用した面もあったと思う。立場も新人と違って相手に与えるインパクトも違う。自己嫌悪や理不尽な気持ちがあっても泣かないでいることはできたはずだけれど、涙が自分の都合を押し付けることを分かった上でやった節もある。「この話し合いを十分に意味のあるものにできるんだよね?」という圧をかけたい気持ちがどこかにあった。今思うとね。
いや、いやらしいですね。相手に甘えたと思う。これはやるべき方法ではないし、信用を失う行為だったと反省しています。そしてその時の会議に参加していた方々はとても大人な人たちだったので、たぶん私のいやらしさも含めて分かった上で受け流してくれたんだな、と思っています。すみません余談でした。

◆心を鍛えよう
知ってますか?心はいくつになっても鍛えることができます。筋トレと同じように負荷をかけると痛みは出るけれどその後に強い心ができていく。おばちゃんになるとゴキブリもやっつけられるようになったり(!)、若い人に「大したことやないわよ」って言えるのは、いろんなことを経験して心が強くなったから。
心って、自分と向き合っていくほどに強くなっていくんですよね。見たくないものを見ないでいたり、自分が甘やかしているものに「仕方ない」と言い訳をしていると強くすることができない。もちろんうつとか病気になってるときにやるべきではないですが、きちんと心が健康なのであればショックを受けても必ず自分を取り戻すことはできるから、いろんな経験を自分に課して向き合ってほしいなと思います。そうして鍛えられていくと、泣きそうなシーンでも「堪えて後で泣く」くらいな自分の気持ちのコントロールは簡単にできるようになるんじゃないかな。

とはいえね、誰しも1度くらいは仕事して泣きそうになったり実際泣いたりしたことはあるもの。
決して珍しい光景ではないから、もし泣いてしまっても必要以上に気にすることもないし、後から思い出して気に病む必要もないです。
確かに職場では涙は隠しておいたほうがいいけれど、涙が人を成長させることもある。マナーが悪いことが、本質的にその人が悪いということにはならない。
もし社内で誰かが泣くほど衝撃を受けたなら、それが正しく消化されるようしばらく寄り添いたいとも思ってるし、隣で泣いている人がいたらそっとコーヒーでも差し出すような人が多くいる会社でありたいな、とも思っていますよ。

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