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新人お題シリーズ(7)世間一般でいう「新人は三年はいたほうがいい」の三年という数字はどこからくるのか

面白いお題が来ましたよ。新人お題シリーズ7つ目です。
この質問、3年てなんなん。1年や2年、ましてや5年とどう違うのってやつ。
ちょっと検索してみたら、マイナビからこんな記事が出ていました。

転職は「とりあえず3年」働いてから? 入社3年以内の転職は不利? アンケートで分かった意外な事実とは

厚生省の調査によると、転職するのはとりあえず3年働いてからだと思う人は、どちらかといえばそう思うを含めると過半数を超えています。「一般的にそう言われてる」とか「仕事を把握するのに3年くらいはかかると思う」とか「次の転職に有利だから」とかいろんな理由があるようですね。

市場での一般的な意見は上記にお任せするとして、ここでは少し違った方向性から考えてみたいと思います。

◆転職組には他罰傾向のある人材が多い?!
先日どこかの記事を読んでいたらこんなことが書かれていました。

いろいろな会社を転々とする転職組の中には、なにか問題が起きたときに他罰傾向がある人材が比較的多く含まれる。自分で物事を解決しようとする人材は貴重だがなかなか市場に出てきにくく、それが、社員は新人から育てた方がいいと経営者が思う理由のひとつでもある。


仕事上でなんらかの問題がおきたときに
・仕事するための環境が整っていない
・案件の発注者の説明が要領を得ない
・上からの適切な指示がない
みたいなことを理由としてあげ、自分でなんとかする方向ではなく自分以外の人がなんとかしないから、自分がちゃんとした仕事ができないという発想になること。
これが上記で言う他罰傾向のある人材なわけですが、転職組にはこうした発想の人材が多く含まれていると(だから転職を繰り返す、と)。

ああ、なるほどなと思いました。
確かに他社からの転職組の面接をしていて、他罰傾向のみられる人は結構な割合でいます。おそらく本人の中では「人が環境を整えてくれていないこと」が悪であり、自分は正の側にいると思っているのでしょう。上司にかけあう、自分でできる範囲を増やしてみる、指示がなくても動ける努力をするなど、できることはいくらでもあるけれど、それをした気配もなく会社に見切りをつけて転職を繰り返してきたんだなあと感じられる人。

◆日本では雇用ががっちり守られている
海外と比べて日本は、従業員の解雇に非常に強い制限がかけられています。懲罰対象になるようなことをしたとか、無断欠勤ばかりするとか、会社の経営が傾いたとか、そんな理由がなければ一度雇用した従業員を解雇してはいけないことになっている。
だから企業の方は「この従業員を雇っても大丈夫だろうか」ということは、職務に対する技術以上にその人柄を見る傾向にあります。いくら技術があっても、社内の空気を改悪してしまうような人材は、採用する側としては怖い。
もちろん自分に責任を求めすぎる必要はないのです。会社が至らないことは会社の責任。けれどそれに対して能動的に動けるかどうか。という部分には大きな違いがあって、何から何まで会社がお膳立てしてあげないと動けない、それどころか会社を責める。みたいな人材は、どうしても採用するのは躊躇します。
面接のシーンで採用担当者が、履歴書に書かれている職歴に際して「退職した理由」を問うのはこういうところにあって、一番見抜きたいのは「自分で考えて動ける人材か、他罰傾向があって自分を正当化する人間か」という部分だったりする。

◆在籍中に何をしたかを伝えられれば問題はない
さてお題に戻りますが「世間一般でいう「新人は三年はいたほうがいい」の三年という数字はどこからくるのか」。これは上記の理由から、問題に対してどう取り組んできたかを語るのに「1年」だと説得力がないからだ、と私は思います。
仕事を覚え、仕事に取り組み、問題を見つけ、問題を提起し、解決に取り組み、自分の力を知り、また別の角度から試してみる。その期間って3年未満じゃ難しいんじゃないの?ということ。
とはいえそれは人それぞれであって、年数で語られるものでもない。
いくら頑張っても変わらなかったり、頑張ってみたけれど自分の実力では解決できなかったり、人間関係がこじれまくってて精神的に追い詰められたり、会社の進みたい方向の中に自分で意味を見出せなかったり、転職するべきな状況はあるし、それはぜんぜんいい。
ましてや会社がとにかくブラックなのであれば、逃げ出すことも必要なシーンもあるでしょう。
だからあくまで3年は一般論。
在籍中に能動的に何をしたのかをセットで語ることができるなら、数字に囚われる必要はないのではないか、とそんなふうに思いました。

とはいえ、やっぱり2年とかで会社を渡り歩いている人材はちょっと警戒しちゃうかな。
あれですよ、付き合っても3ヶ月とかで別れちゃって長続きしない人、みたいな。何かこのひと問題があるんじゃないの?って思っちゃうのに近い(笑)
だから面接の前に書類選考を通らない可能性は、多くなってしまうでしょうね。

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