吃音症ってあんまり理解されないよねって話
吃音症という症状がある。ざっくり言えば、どもりだ。どもり方は3種類くらいある。以下。
連発:同じ言葉を繰り返す。裸の大将を思い浮かべればOK
伸発:言葉が伸びる。(カーーーラスみたいな感じ)
難発:言葉が出ない(……カラスみたいな感じ)
かく言う僕も吃音症だ。連発と難発の症状がある。100人に1人の割合で発症するものだから、特別珍しいものじゃない。周りにはほとんどいないけど。
この吃音症、程度にもよるんだけど、重度になると生活に困難が出るレベルになる。事実、障害者手帳もしっかりと発行されている人もいる。
ちなみに僕は軽度。自分の名前を言う時に言葉が突っかえる程度なんで、可愛いものだ。ほかは「i」の母音を上手く発音できないくらい。
そのおかげで、自分の名前はもちろん、会社の名前を言えないこともある。「次こそは絶対にどもらない名前にするぞ!」と決意しているのにも関わらず、何かしら文字が入るのだ。そりゃそうよね。
吃音症だと、喋ってるだけなのに笑われたり怒られたりといったケースが多々ある。実に理不尽。
ただ、それは仕方がないことで、相手からすると「まともに喋れない」なんて体験したことがないのだから、理解できなくて当然なのだ。流暢に喋れて当たり前なのだから、当たり前ができない状況を想像できない。
これは僕も同じ。自分が体験できないことは、どれだけ心を寄せても真に理解することはできない。
とはいえ、少しでも理解して欲しいから仕事関係だと吃音症だと伝えることは多い。ただ、それで何か変わった試しは一度もない。そんなものだ。
結局、吃音症でしんどいのなら環境を変えるしかない。究極の話にはなるけど。
僕は喋るのが嫌だったから、文章で表現する道を選んだ。文章なら吃音が出ないし、咄嗟の言い換えで語彙力だけはあったから何とか生きられている。
小倉さんのようにアナウンサーとして第一線で活躍された方たちは、本当にすごい。僕にはとてもじゃないが真似できない。
ただ、ほんの少しだけ思うには思うのだ。もうちょっとだけ、吃音症に対する理解度が深まったらなーと。
吃音症が原因のパワハラやいじめで、命を断つ人もいる。そんなことはあっちゃいけない。
だから、もし吃音章の人と出会えたら「自分もそうだよ」とこっちから伝えるようにしている。相手にとってもそれが楽だろうしね。
実際、専門学校で教えている生徒の中にも1人いる。その子は僕より症状が重いのだけど、積極的に話しかけてくれる。同じ吃音症を持っている人間として、嬉しい限りだ。
吃音症は、テレビなどで取り上げられてもなかなか認知されない障害のひとつだ。
だが、実際に傷ついている人は多くいる。当事者のひとりとして、もう少しだけ気にしない世界になったらいいなと。そう思う。
とりとめのない話になってしまったが、今回はここまで。たまにはこういうオチがあっても良い。
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