合縁奇縁【エッセイ】

昨日会った友人から聞いた話だ。

以前から友人宅の隣(アパート)に老夫婦が引っ越してくるのだという話は聞いていた。

そして引っ越し当日、ご挨拶があったらしい。実はその隣人、ちょっと珍しい苗字で(以下ᗪさん)、私はその名前を聞いた時点で気づいてもよかったのではないかと思ったのだが‥。

友人は、ご挨拶の際になんか見覚えがあるような、と思ったらしい。

ある日、友人の友人Mが遊びに来たらしい。Ꮇは近々結婚するらしく、実家へ彼女を連れていきたいと言っていた。

そこで友人は、隣人に対して感じた違和感をMに話した。そう、その違和感とは、実は隣人はMの両親ではないかというものだ。

友人は数年前M宅へ遊びに行った際、Mの両親に会っていた。なので「隣もしかするとお前の両親かもしれんぞ」と言うと、Mは隣家に対してピンポンの嵐、ドアをどんどん叩く、家族の名前を大声で呼びかける、を繰り返した。しかし誰も出てきはしない。

二人は念の為、Mの実家のあった場所へ行ってみた。すると実家はなくなっていた。Mは家出同然で実家を出ていたため、知らなかったのだ。

そこで二人は隣人はMの家族であると確信を持ち、夕方まで待つことにした。

友人宅は階段寄りの角部屋なので、誰かが通ればキッチンの小窓から見えるようになっていた。

すると一人の女性が通るのが見え、Mは叫んだ!「おい、M!(妹)俺だよMだよ!」「え、なんでここにおるの?」ちなみに昼間も在宅していたらしいが、誰か怖い人がどんどんドアを叩いているので出なかったらしい。

そんなわけでめでたくMは家族と再会できたのでした。


それにしても、このいくつも重なった状況に、私は縁というものを感じずにはいられない。

実は友人がこのアパートへ越してきたのは8月の初め。そしてMは結婚をするというタイミングで実家へ挨拶へ行こうと思っていた。けれど実家はなくなっていたので、友人の家を介さないと家族に出会うことはできなかったのだ。

私は縁とタイミングには深い意味があって、その時必要な縁が現れるのだと思っている。そしてその縁の意味を理解することができないと、また同じようなことが起こって、同じような思いをするのだ。


ちなみにひとしきり家族と歓談してきたMは、じゃあ帰るからということで、友人が家まで送ったらしい(笑)。友人はお礼にスーパーカップをもらったとのことだった(笑)。

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