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苦しまずに書くためにー『ライティングの哲学 書けない悩みのための執筆論』解説

仕事の報告や大学の課題のレポート、卒業論文、趣味のブログや小説執筆など、ぼくたちの人生には書くという行為が欠かせません。しかし、ぼくたちは往々にして、書くということに対して苦しいと思ってしまいます。しかし、できれば、苦しい思いはせずにいたい。どうすればいいか。

今回は、その答えを教えてくれる『ライティングの哲学 書けない悩みのための執筆論』(2021,星海社,千葉 雅也 , 山内 朋樹 , 読書猿 , 瀬下 翔太)について解説します。本書によれば、できるだけ苦しまずに書くためには、どうにかして材料(文章の一部)をひねり出し、それを組み合わせればよいとされています。以下、材料のひねり出し方、組み合わせ方について解説します。

材料のひねり出し方について


本書によれば、材料をひねり出すには、通勤中に電車でスマホに入力したり、ツイキャスやツイッターでテーマについてなんでもよいから発言したり、なんでも書き出してしまうフリーライティングを行えばよいとされています。これで、字数の半分の材料を集めましょう。

ポイントは、最初から完璧な原稿を書こうとしない(材料をまず出す)、できればwordやpagesから離れて日常生活から始めるという点にあるでしょう。たとえば、あなたが友人と話すことがすきなのであれば、テーマについてぱっと思ったことを話してみる。たとえば、あなたが本を読むのがすきなのであれば、抜き書きから初めて見るとよいでしょう。


材料の組み合わせ方について


上記の手段でひねり出した文章の一部を、どのように組み合わせるか。本書によれば、書き直しが簡単なアウトライナーに書き写して整えてみたり、気軽に紙へ書き直しをしたり、材料を見ながら友人に未完成でもいいから話してみる、などによって行えばよいとされています。うまい形が見つかったら、その間を補填する形で、残りの字数を埋めましょう。

ポイントは何度でも整理し直す、という点にあるでしょう。書こうとする文章の目的によって、ある程度の形式は決まっているはずです(論文であればIMRAD,小説であれば起承転結など)。大枠はそのような筋に沿って整理しましょう。大枠さえ抑えていれば、細部は多少目を瞑って貰えるはずです。

ぼくも、どれほどエディターを見つめてもまとまらなかった考えが、ホワイトボードに書き出したら一瞬で形になったことがあります。


まとめ

本書によれば、苦しまずに書くには、どうにかして材料(文章の一部)をひねり出し、それを組み合わせればよいとされます。ひねり出すには、日常から小さく材料を作りましょう。組み合わせるには、組み合わせやすいツールを使って大枠に沿って並べましょう。

他にも本書には、ひねり出し方や組み合わせ方についてまだ紹介できていないような例が沢山記載されています。また、苦しんでいる人がいる、その話を聞いているというだけで冷静になってくるものです(失恋中に失恋ソングを聴くように)。その意味で、本書を実際に読むというのも書く苦しみのための一つの解答だと思います。上記の方法を試しても痛みが消えない方は、是非実際に読んでみてください。

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