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世界の文字:ペルシャ~南アジア

アラブ文化圏との区別がつきにくいイラン。
かつてのペルシャはエジプトからトルコ、パキスタンまで広大な領域を支配する大帝国で、今もイランは、アラブっぽさもあればトルコっぽさもあり、でも地理的にはアジアに分類されている。
現在、イランだけでなくアフガニスタンやタジキスタンでも、言語名は違うがペルシャ語が話されている。

アラブの影響は大きく、ペルシャ語もアラビア文字を使用している。

もちろん右から左に読む。

マンホール。

メニュー。

右に書かれているのが料理名、左が値段。
数字は左から右に読む。

コカコーラ。

レシート。

カレンダー。

自転車屋。

流線的な美しい書体。

ネオンもつい見入ってしまう。

東のパキスタンへ行くと、一気に多民族多言語化する。
イギリス植民地だったため公用語が英語で、国語がウルドゥー語となっているが、ウルドゥー語を母語とする人は人口の1割にも満たない。

パキスタンでは数多くの言語が話されているが、英語以外はだいたいアラビア文字。

新聞も、なんだか活き活きと躍動的。

これはクルアーンだろうか、斜め書きもあり。

へのへのもへじ。

文字で鳥を描いている。

インドとパキスタンは、第二次大戦直後まで同じ国だったとは思えないほど、民族、文化、言語、宗教、どれも異なる。

インドの主要言語であるヒンディー語は、デーヴァナーガリー文字。

一本の横棒にぶら下がってる感じ。

インドは世界一の多言語国家だろうか。
イギリスの植民地だったため英語話者も多いが、公用語であるヒンディー語話者は人口の3~4割。
憲法では他に22の言語が認められており、調査によると800以上の言語が存在し、方言も含めると数千になるという。
ここまでくるともう何でもいいんじゃないかな、日本語でも通じるような気がしてくる。

ラダックなどチベット文化圏ではチベット文字も見られる。

ネパールもやはり多民族多言語で、インドと同様に低地ではデーヴァナーガリー文字がメインだが、高地のチベット圏ではチベット文字が見られる。

スリランカの標識は、英語、シンハラ語、タミル語の3言語。

シンハラ人は北方アーリア系仏教徒。
タミル人は南方ドラヴィダ系ヒンドゥー教徒。
シンハラ文字はサンスクリット語と深く関わり、タミル文字は独自の発展を遂げた。
いずれもインドのブラフミー文字を起源とするが、両者は地理的に隣接しているにもかかわらず異なる特徴を持つ。

コミカルなシンハラ文字。

渦巻く文字。

タミル文字はシンガポールでも公用語のひとつとされている。

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