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世界の文字:東アジア

漢字はラテン文字の次に使用人口が多いが、それは東アジアの人口の多さゆえであって、世界の大半の国にとって漢字は複雑怪奇きわまりない謎の文字に違いない。
ジョン・サールの思考実験「中国語の部屋」でわざわざ中国語が例として選ばれたのも、西側の人にとって漢字が理解不能な文字の代表であることを示している。

文字数も異常、画数も異常な表意文字。
中国では毛沢東の改革によって、画数が簡略化された簡体字が使用されている。

日本人にとってはだいぶ楽な漢字文化圏。
「スーパーマーケット」が「超市」だなんて、よくできてる。

メニューは完璧には理解できないが、なんとなくの推測で指さしで注文すれば、概ね間違いないものが出てくる。

筆談は想像以上に難しい。
こちらが書くシンプルな文は相手になんとか伝わるようだが、相手が書いてくれる長い返信はほとんど理解できない。
有(イエス)か没有(ノー)かで答えてほしい質問でも、ご丁寧に長い文を書かれ、日本人が知らない漢字が多すぎるので結局どういう返答なのかよくわからない。

大都市や観光地を除いて、中国は英語がまったく通じない。
マクドナルドには入らなかったが、ハンバーガーの名前を英語の発音で注文して通じるのかどうか、果たして。

「がんばれ」でおなじみの「加油」。
「加油站」で「ガソリンスタンド」を意味するようだ。

ウイグル自治区では、漢字、アラビア文字、ラテン文字、の三言語表記が見られる。

ここに住む人々はまぎれもなくイスラム教徒。
ここを支配しているのはまぎれもなく漢族。今まで旅した中でもこんな奇妙な世界は他にない。

子供の落書きも、アラビア文字と漢字のミックス。

モンゴルは現在キリル文字を使用しているが、かつては固有のモンゴル文字があった。

かつての恐怖の大帝国の見る影もなく弱小化したモンゴルは清に支配され、ソ連のサポートによってなんとか独立。
冷戦時代はソ連の衛星国として社会主義国となり、文字もキリル文字が導入された。
現在モンゴル文字は伝統文化として保護されているだけで、実用されていない。

縦書き専用のため、このIT時代では文字入力もできない。

韓国と北朝鮮のハングル文字は、15世紀に成立。

もともとは漢字文化圏であった朝鮮半島。
難解で画数の多い漢字に対して、シンプルな表音文字が考案され、識字率の向上にも役立った。
他の文字をアレンジしたわけではなく独自に発案された文字であるため、朝鮮人にとっての重要なアイデンティティにもなっているだろう。

現在でもある程度の漢字は残っており、多くの人がある程度の漢字は読める。

漢字文化+資本主義で、きらびやかなネオンができあがる、香港の夜。

中国語で「酒店」や「飯店」は「ホテル」を意味する、それもグレード高めのホテルなので注意。

日本人にとってこういったネオン街はふつうだが、世界的に見ると東寄りのアジア特有の光景で、他ではあまり見られない。
景観美に厳しいヨーロッパの街なんかではありえない。

マカオも漢字文化でネオン文化。

台湾もネオン。

香港、マカオ、台湾、は画数が多い従来の繁体字。

漢字文化圏外の人にとっては、写真なしのメニューは詰む。
でもまあ何とかなるものです。

「白飯飲料自助無限」、いい響き。

台湾で出会った人から、「繁体字の方が美しいでしょ」と誇らしげに言われた。

同じ漢字文化圏でも、台湾は独自の表音文字を入力することで漢字に変換しているらしい。

50年間日本に統治された台湾では、日本語も広く普及している。

亮のブドウ!?

東京も、言うまでもなくネオン文化。

ひらがな・カタカナは、平安時代の女性が漢字を崩して開発した表音文字。

大阪は、ちょっとイカれてますね。

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