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【ネタバレあり】映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」の感想

X(旧Twitter)で何度も話題に出しましたが、浅生は今年ゲ謎を4回見に行ったくらい映画「鬼太郎誕生」を楽しんでおりました。
前売り券2枚買うくらい前から楽しみにはしていましたが!
まさかここまで前のめりになるほど面白いとは思っていなくて、ですね……!
というより、浅生の本命はこの映画より少し前にネトフリで公開された「悪魔くん」だったので、命もっていかれたのは想定外でした!
先に言っておきますがネトフリ悪魔くんもめちゃくちゃよったんですよ!
本当に、いいバディものでした!
悪魔くんも見れください。


浅生は松下一郎悪魔くん様に人生狂わされている女

最初に悪魔くんの新作と鬼太郎の映画やりますって情報出たのが2年前で。
その時に裏垢で

幼い頃埋れ木悪魔くんを見ていた僕「おかえりー!」
松下悪魔くんに人生を狂わされてる僕「松下語らずしてなにが悪魔くんかころすぞ」
山田悪魔くんワンチャンと思っていた僕「は……ん……あ???????おいメフィスト出せよ2世じゃねえんだよころすぞ」
オタクの僕「ビジュアルが好みです」

というツイートするくらいには、鬼太郎の映画より悪魔くんに全部持っていかれていたんですよね。
で、その時は新作情報アカウントは1つしかなくて。
とにかくワクワクしましたし、悪魔くんの二次創作を12年ぶりにやったり、本当にずっと待っておりました。

アカウントが別れ、それぞれのキービジュが……

そうして1年前、新作アカウントが鬼太郎映画だけになり、ネトフリ悪魔くんのアカウントが別に作られ、キービジュが出てきて……。
もちろんこの時も悪魔くんのことで頭いっぱいでしたよ!

共同だった頃の名残ですね笑
悪魔くんの名前が、「埋れ木一郎」で浅生がずっと笑ってたのがまだ残っていました笑
名前融合おもしろすぎる

映画鬼太郎の前売り券

なんやかんやあって、悪魔くんの公開が迫る=鬼太郎の公開も迫る中、映画の前売り券買わなきゃなって映画館へ行ったら。
「紙のチケットないんですよ。電子だけです」
え? そうなの????
電子チケットあることはツイートで流れてきたのでわかっていましたが、まさか紙がなかったのに驚きました。
紙だと売り切れーとかありますが、電子は売り切れなしですし、割とギリギリまで購入出来たので、助かりましたね。
前売り券特典の壁紙も、映画前にワクワクさせてくれましたし!
そうこうしているうちにネトフリ悪魔くんが公開され、気持ちは完全に水木しげるという男に持っていかれておりました。

そしてとうとう映画へ

長いな!
すみません、悪魔くんの話を一回しないと落ち着かなくて。
新しい悪魔くんが想像を超えてよかったのと、アニメや漫画の埋れ木くんを大事にしてくれていたので、俄然映画も楽しみになってきていました。
初日一番最初の時間に予約を取り、映画館へ向かう前……
「……パンフとアクスタは映画見る前に買っておこう」
なぜか、そう思ったんですよね。
今思えばそれは正しい選択だったのですが、なぜそう思ったのか今でもわかりません。
浅生がよく見に行く映画館での初日は、10人もいないくらいでした。
おかげで、見やすい席を取れたし前後左右余裕をもって座れました。これが最初で最後の余裕とも知らずに……。

水木は佐藤だった????

映画はタイトル通り、鬼太郎の誕生にまつわるお話になっております。
ただし、映画の内容が原作にあるわけではなく、「墓場鬼太郎」の内容を考慮しつつ新しい物語を作り出されていました。
昭和31年が舞台となるのですが、戦後の闇からやっと抜け出し、徐々に日本が盛り上がってきた時代。
働くことは当たり前、休むなんてありえない、会社のために身を粉にして……そんな考えが当たり前だった時代です。
この映画、タイトルには「鬼太郎」がついていますが、鬼太郎本人が出てくるのは最初と最後だけ。
それ以外の基本的な視点は、水木という男になります。
戦争を経験し、この時代を生きる水木なので、会社でのし上がるために夜行列車に乗ってド田舎にも生きます。
しかも列車の中では、普通にタバコを吸っているし……今ならあまり考えられないですね。
でもこれが、昭和時代は普通だったんですよね。
わたしが生まれた頃はさすがに吸っている人いなかった気がするんですが、列車の座席には吸い殻入れがありましたしね。

そんな彼が向かったド田舎が、哭倉村。
パンフの説明には「周辺に住む者ですら滅多に近づかない山奥にあり」と記載がある通り、周囲を山に囲まれた物理的にも閉鎖的な村。
映画オリジナルキャラのひとり、龍賀紗代が「茶店もないんですよ」と言うように、とにかく店がない!
な・の・に!
電柱がアホみたいに並び、電線がしっかり通っているんですよ。
駄菓子屋さんらしき店には、ズラーリと品物が……。
え? なんで????
この時代、都会を外れたらまだまだ物資不足だし、東京タワーが出来るのはこの2年後。
まだまだ電線なんて通ってないところの方が多いのに……マジでなんで?????
ちょっとしか違和感を覚えながら、物語は哭倉村の大地主である龍賀家へ。
そこで殺人事件が起きる中、水木はもうひとりの主人公である、鬼太郎の父と出会うのです(本来の出会いは列車の中ですが)
当初、水木と父の関係性は「初対面の人」
しかし殺人犯扱いされそうになった父を助けたので、水木は見張り役に(半ば強引に)させられてしまいます。
牢に入れられた父に、「どうしてここへ来た」と問いかけ、答えたら出してやると持ちかけますが……
嘘です。
適当に言ってます。
実際、父が喋りだすと「チョロいなー」って心の声で言ってるので、絶対出す気ないんですよね。
この水木、とにかく物事を自分の有利に運びたいので、その場その場で都合のいいことを口にするんですよ。
船が漕げなくて前に進めない時、ねずみ男には「頼むよ先生」「駄賃は弾む」と言うし(思ってもない褒めを口に出せる)
紗代から村の情報を聞き出したい時、紗代には「一緒にいます」「村から出よう」(実際の言葉はこんなじゃない。ニュアンスで……)というし
とにかく、その場のでまかせを息するように口にする
そのことを、父からも注意されるくらいです
この辺りで浅生は水木を見ていて
「佐藤じゃねえか」
と思うようになります。
佐藤とは、一番最初の貸本版及び千年王国の主人公、松下一郎悪魔くん様の漫画に出てくる男性キャラです。
佐藤は当初、松下の父が経営する会社におり、会社で上にのぼりつめるために松下の家庭教師を引き受けるのです。
が、松下にだまされまあいろいろあるんですが。
そういう、会社でいい役職になるためにめちゃくちゃな頼みを引き受けたり、子どもだからと自分より下に見たり、かと思ったら弱い人を助けたくなる正義感があったり……。
この性格が、まんま水木なんですよね。
見た目も、水木先生の描くイケメン寄り昭和男性だし。
え、水木は佐藤だった?????
見ている途中から浅生の頭はそれでいっぱいになりました。
そして、そうなってくると髪色とかが似ている父が、だんだん松下に見えてきて……ジェネリック悪魔くん見ている気分ですよ。
違う、そういう話じゃない。

短い時間で信頼を描くバディものにして、永遠の家族もの

そうして水木と父の関係は、「初対面」から「信用ならないヤツ」に格下げ。
仲良くなれる要素なくない?
と思っていたら、危ないところに行っちゃう父を連れ戻そうとする水木が逆に危ない目に遭い、それを助ける父。
助けた理由を「情けをかけた」という父に、一度は怒るものの、父が幽霊族であること、幽霊族が人間のせいで迫害されたことを聞いた水木は、その怒りを抑えます。
彼は偽善的な優しさで、父の自分の懐に入れてしまうんですよね(多分。わたしにはそう見えた)
それからは、お互いの目的のために手を組むことに。
当初は父にタバコひとつくれなかったのに、途中からは普通にあげるし。
一旦受け入れてしまえば、馬が合うのでしょう、ふたりの関係はどんどん親密になっていきます。
そうしてふたりの目的の結果、龍賀の、そして哭倉村のヒミツに迫っていきます。
おばけ、幽霊……そういったホラー要素だけかと思いきや、内容はどんどんミステリの方面に。
バンバン殺される人々!
バンバン流れる血!
バンバン吹っ飛ぶ人々!
後半からはとにかく残酷シーンのオンパレード!
映画のキービジュアルの血が可愛く思えるレベルです。
これ……むしろR15+なのでは???
と思っていました。
わたし的には、悪魔くんより残酷描写強かった気がするのですが。
父の探しもの……妻と再会したところでは、墓場鬼太郎を思い出して泣いちゃいましたね。
妻、めちゃくちゃいい女すぎる……!
そして父も、妻の話を聞いて自らの身を差し出してすべてを収めようとするのです。
この後半の流れで、父は水木のことを
「ワシは諦めが悪いんじゃ……それはワシの友もな」
「ワシの相棒(相方だったかな?)」
などなど、父が水木に対して完全に心開いていることがわかるんですよね。
この短い間に、人間嫌いだった父が水木を信用し、水木と過ごした時間を大切に思っていることがわかってまた泣きます。
が、ちょっといろいろあって水木は襲われ、命こそ助かりますがこの時の記憶を失ってしまいます。

そうして本編が終わるんですが……スタッフロールで、水木のその後が描かれます。
ただ、記憶は失った水木は父と再会したものの見た目も違うことから妖怪だといって逃げてしまうのです。
この辺りが墓場鬼太郎でも描かれている部分なので割愛しますが。
最後、墓から出てきた鬼太郎を抱き上げた時になって記憶を取り戻して、鬼太郎を抱きしめるのです。
そこが本当に……美しくて……っ!
結局子どもを抱きしめられなかった父と、妻……そんな友の子を、このあと水木が育てるのです。
泣かずに見られるやついんのかよ……。

水木の記憶について

ちなみに浅生は先程、「記憶が戻って」と書きましたが、映画でははっきり描かれておりません。
じゃあなんで記憶が戻ったといったのか。
それは、ネトフリ悪魔くんです。
悪魔くんとメフィスト3世が、新規オープンしたホットケーキ屋さんに行くのですが、その店のオーナーが水木なのです(耳の欠けた部分、目の傷などが同一なので、映画と同じ水木として描いていると思います)
その水木が、鬼太郎のことを「息子というか、親友の息子なんですが」というシーンがあるのです。
そこで「ああ、水木は記憶が戻って、鬼太郎がちゃんと父の子だと認識してたのか。っていうか父のこと、水木も友だと思ってたのか」
と、わかるのです。
作品を超えてそのことがわかるので、もう浅生の感情が死んだ……じょうちょがめちゃくちゃにされた……
このことに気づいたのが、2回目を見終わったあとでして。
気づかなかったら4回も見なかったと思います。

山田について

書き忘れたので追加!
鬼太郎へインタビューしようと旧哭倉村まで追いかけてきた、とある雑誌で記者をやっている山田。
この山田ですが、水木しげる先生の作品には姿は違えど度々登場するんですよね。

松下悪魔くんでも山田が出てくるのですが、彼は佐藤よりも前に松下の家庭教師をやっていて、松下によって魂を抜かれ、蛙男という使徒に変えられてしまうのです。
山田の身体は残っても魂はもうない……完全に消滅している……つら……。
そんな山田が、今回は新聞記者となって登場しているので、水木しげる先生作品の山田はきっと、死して尚生きる存在なんだな、と。
そんなことを思いながら、山田を見ているとめちゃくちゃ愛おしくなるので、まだ見に行っていない方は山田に注目してほしいです。
最後とかも、お前いいやつかよーって好感度バク上がりするので。

水木しげる先生よ、永遠に

浅生は悪魔くんに命握られていますが、鬼太郎はそこまで履修していなかったのです(墓場鬼太郎と、それ以降をちょこっとだけ)
でも、今回のことで改めて、水木しげる先生の作る物語やキャラが好きなんだと実感しました。
悪魔くんも結局4周するくらい見ているので、浅生、今年は最後に水木しげる先生祭りになりました!
好きだー! 松下!

裏垢で当初アップしたアクスタ。真ん中が松下です

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