酸蝕症の予防法


前回からお話している酸蝕症。

これが進みやすい飲み方というのはどんなものでしょうか?

口の中に溜めながら飲んだり、
ちびちび長時間飲んだりするのが最も良くない
です。

例えば、pH値が高いドリンクをお口にいっぱい含んで、
そのまま飲み込まずに滞在させるような飲み方とか、
ワインのようにゆっくりゆっくり味わう飲み方とかです。

ちびちび、長時間飲むということはつまり、
長時間酸にさらされているということです。

意外に安全な飲み方としては、一気飲み。

アルコールの場合は、急性アルコール中毒など
引き起こす可能性があるので、
十分気をつけなきゃいけないのですが、
酸の強いものの口の中の滞在時間が短ければ短いほど、
酸蝕症の影響が起きにくいということになります。

あと、例えば赤ちゃん。

お子さんに哺乳瓶でオレンジジュースを飲ませるのは危険です。
というのは、哺乳瓶から前歯にあたりますよね。

もちろん粉ミルクだったら全然問題ないのですが、
そこに酸味のあるジュースを入れて
哺乳瓶で常に飲ませるのは控えた方がいいかもしれません。

反対に、ストローで吸って飲むのは良いです。

でもストローの先が前歯に当たる、
歯に当てながら飲む場合は酸蝕症が進んでしまいますね。

しかも部分的に。

ストローでベロの上、そして喉に通過させるような飲み方であれば、
相当安全性が増すということになります。

前回いろいろな食材を挙げましたが、
私達の日常で普通にとっているものの中には
pH 値が高いものが多いですよね。

だからと言って、エナメル質を溶かす食材を
一切合切止めなければいけないとなると、
それは難しいですよね。

柑橘類とか果物は身体にいいですし、
それらを避けるというのは逆に不健康になります。

だからあまり神経質になりすぎずに、
注意できることは意識して、
そしてさらには予防するといいと思います。

寝る前に酸性の強い飲料や食べ物を食べたり飲んだりしないとか。

就寝中は唾液の分泌量が少なくなるので、
酸によって溶かされたエナメル質を
唾液によって戻す力というのが少し弱まってしまいます。

特に、いびきをよくかく方とか、
口をポカンと開けて寝る方は、口の中が乾くので、
酸性の成分が残りやすくなるので要注意
です。

そして、酸性が強い飲食物をとった後はうがいをする。

これは注意が必要なのですが、
食べた直後に歯磨きをしないということです。

少し誤解しそうですよね。

酸が強いものをとっても
すぐに歯磨きをしたら大丈夫じゃんって
想像した方も多いかと思います。

でも最初の方に申し上げた通り、
唾液によってエナメル質を再石灰化させる作用があるので、
それには多少時間がかかります。

酸によってエナメル質が溶けて、
それが唾液によって修復されるのに1時間弱ぐらいはかかるようなので、
酸性飲食物をとった場合は
すぐに歯ブラシのブラッシングはせずに、うがいをして、
そして1時間ぐらい空けてから歯磨きをする
といいのではないでしょうか。

そして何よりも究極の予防というのは、身体を健康にして
唾液の分泌が口の中にちゃんとふんだんにできる体質でいることです。

フェイスラインや耳下腺にある唾液を分泌する腺を刺激すると、
一時的に唾液を口の中に巡らせることはできますが、
でも酸味のあるものを食べるたびに
唾液腺を刺激するというのも、なかなか億劫です。

やはり以前放送した唾液に関するVoicyを聞いていただいて、
体質改善から目指していただくのが、
長く健康な歯を保つ秘訣かなと思います。

▼美と健康は『唾液』次第という真実。

というわけで、今日お話した内容を踏まえて十分注意しながら、
以前お届けした果実酢ビネガードリンクを
身体のために飲み続けていただけたらなと思います。

▼お酢で内臓脂肪も溶かす!超簡単ダイエット法

特に、ご紹介した私の手作りレシピ、
ハチミツ・お酢・果実で作る手作り果実ビネガーであれば、
ハチミツが入っていますから、
口腔内の状況を守ってくれると思うのです。

ハチミツはめちゃくちゃ抗菌力が強くて、
虫歯菌よりもハチミツの方が勝ると言われています。

ハチミツの中で虫歯菌が生きていられないんだそうです。

それぐらい威力のあるハチミツ、
しかも常飲することで胃も強くなっていくので、
逆流性食道炎の改善や予防にもなる
んじゃないかなと私的には考えます。

歯を守るのか。身体にいいものを優先するのか。

そこはもう天秤にかけながら、そして自分の体質と相談しながら、
取捨選択していただけたらなと思います。

今回たくさんの予防法もご紹介したので、
心配な方はストローを使って、
なるべく歯に当たらないように飲むとか、
いろいろ考えながら試してみていただけたらなと思います。

では最後に、自分の歯が
酸蝕症になっているかどうかについてなのですが。

一見ツルリと平坦で艶があるから、
もしかしたら私の歯はキレイ?と思っている方でも、
実はそれは酸蝕症によるものかもしれないです。

あと歯の根元に黄色味があることが酸蝕症の特徴。

歯茎の境目にエナメル質が少し残っているような状態です。

とはいえ、自分で判断するのは難しいと思います。

なので、お口の中の健康維持のために、
定期的に歯医者さんに行って検診を受けるというのがベスト
だと思います。

歯石のお掃除とかもやっぱり定期的にやった方がいいですし、
酸蝕症にしろ虫歯にしろ歯石にしろ、
放置していいことは一つもないので、
半年に1回ぐらいは、ぜひ皆さん、
歯医者に行く習慣を持ちましょう。

▼音声で聞きたい方はこちら


(2022年8月29日配信分)

「緩和ケア」と「産後ケア」。一見対極な存在と見られがちですが、両方を経験しそれらは近い存在であり、両方の重要性を心から訴えたい。これらの在り方捉え方の啓蒙、それらにお役に立てる活動をすることが私の将来の目標です。頂いたサポートはそのために使わせて頂きます!