酒をやめた

酒をやめたのは5/29だ。その日から断酒剤(ノックビン)を処方され、飲み始めた。

ノックビンは毎朝飲むのだが、酒を飲んだら、簡単に言うと、ゲロ吐いて倒れる。下戸よりひどい状態になるのだ。
それが怖くて飲めなくなる仕組みだ。

なんでやめようと思ったかは、家で飲みすぎてしまうからだった。

外では飲みすぎずコントロールできるのに、家では月に2回ぐらい飲みすぎてあざができるほど転ぶのだ。
決まって、親しい友達と家で飲んでいるときだった。

息子はもちろん嫌がって「おかあさんまた飲むの?」「おかあさんそれ何本目?」と聞いてくるし、夫も呆れるし、友達も引くし、やべえなと思ってやめることにした。

その前に、自力で酒を減らそうと思っても無理だった。

長年通っている精神科はアル中病棟がないのでノックビンを処方できないので、アル中専門外来に紹介してもらった。(この県はアル中外来が2軒しかないし、病棟がない。)主治医は、「依存症っていうより乱用って感じだけどねえ」と言っていたが、実際アル中病院にかかったら、晴れて?アル中認定された。

自分からやめようと思って受診する人はごくわずかで、だいたいもうガチアル中になってから家族に連れられて受診するらしい。

29日の予約が確定してから、もう一生飲めなくなるんだなと思って、節度を守って酒を飲みに行った。ワインバーも最初で最後に行った。やめる前日には、行きつけの飲み屋でビールを一本飲んだ。

その飲み屋で訊いた。「おかあさん、私この先飲めなくなるから烏龍茶とかノンアルになるからすごく安くなっちゃうけど、来ていい?」

おかあさんは「そんなん気にせんでええ!他のお客さんでも飲まん人もいるんやし、いつでも来てええよ!」

そこは昨年息子が不登校のときに話を聞いてもらいにしょっちゅう行っていた居場所なので、とてもほっとした。

そして酒をやめたわけだが、全然飲みたいと思わない。あれだけ酒に頼っていたのに、むしろ、「もう酒に逃げなくていいんだ。人に迷惑かけることもないんだ。」と安心している自分がいる。

やめる前に友達が言ってくれた言葉がある。

「息子さんがどうなろうと、あなたの人生を酒で棒に振るわけにはいかないからね。」

私はこの言葉を、一生忘れない。

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