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新しい年のご挨拶

喪中なので、いわゆる「あけまして……」といった挨拶はできないのですが、新しい年のご挨拶をさせていただきたく、パソコンに向かっています。

昨年は大きな出来事が次から次へと起こりました。それは一つ一つは個人的な出来事ながら、積もり積もると人生の大きすぎる分岐点といえそうです。

まず2019年頃に小説「黒石平」で書いた父親が亡くなりました。小説のなかで予期していたのとある程度似たかたちで亡くなっていきました(もちろんコロナ禍なんてのは当時の予想の範囲外なので、コロナ禍が大いに影響した葬儀等になりました、そんなものは人生で最初で最後でしょう)。「黒石平」を読んだかたは、父親が私のなかで重くのしかかっていることを感じていただけたでしょうが、その重しが消え去った瞬間でした。この体験を新作小説にしようといろいろやっていますが、まだなかなかかたちにはなっていません。いつか、とははっきり言えませんが、近いうちにかたちにしたいと思って取り組んでいます。

次に、期限はありながらも何とか仕事にありついたり、父親が亡くなる際に臨時収入を得たりして、長らく払ってきた育英会の奨学金を完済したり、仕事の期限が切れた後の就職活動に充てられる程度の経済的余裕を得たことです。まあいつ仕事を失うかわかりませんし、暮らし向きが楽になったわけでは決してなく、職場ではいつもカップラーメンをすすっていますが、とりあえず経済的理由で小説講座の受講を諦めたりするようなことはしばらくなくなりました。小説講座については、後で書きます。

最後に、年末の本当に最後に恋人ができました。ほぼ10年振りにそのような人ができたといってもいいです。私の作品は、基本的に「私は一生不幸で報われない哀しくつらい人生を送っていく」という前提で書き続けてきましたが、今後はその前提が崩れそうです。昨年後半に書いていた連作もそういった気配がありましたが、今年から取り掛かる作品は人生観が少なからず変わっていきそうです。もちろん恋愛なので、一生続くかも一ヶ月続くかもわかりませんし、あなたがこれを読んでいる頃には別れているかもわかりません。しかし、何度も報われない片想いばかりを繰り返し、恋愛をすること自体を諦めかけていたときに、頑張って頑張ってようやく両想いを掴んだこと自体に、大きな意味があるのだと思っています。

大きな変化があった、いいことばかりあった、と言いたいですが、小説に関しては残念ながら一度も受賞や予選通過はなりませんでした。毎日のように新作や過去作に取り掛かって何作も応募を重ねただけに、絶望や憔悴は計り知れず、昨年12月にExcelの資格の試験勉強に励み、受かった後は、何も手につかずにいました。「プロになりたい」と宣言して、応募しまくって、プロの先生たちからの添削も受けた上でそれでもダメで……もう、プロを目指したり、小説を書くことを辞めようかとこの年末はかなり考えました。書くのをやめる、表現すること自体をやめるというのは今の自分にとってあまり現実的でないこと、呼吸をやめるような不自然で苦しいことなのですが、「プロを目指して、プロになれるようなペースで執筆や投稿を続ける」という活動は、あと2~3年くらいで継続するかどうか見極めないとなぁと悩んでいます。結果が出ないのに今のペースで執筆にこだわり続けることは、真摯というよりは狂気に近いと感じました。私に才能があって狂気すれすれの真摯を繰り返すならそれでいいのですが、もし才能もないのに「すべてをかけて」執筆するのはもう限界だし、あまりに現実が見えていないかなと思いました。

恋人と関係が続けば、転勤して札幌を離れる可能性も高くなります。そうすると今まで通り、札幌で小説講座を毎月受けて、文学フリマ札幌などに出展したりといった「札幌ローカル」の活動は難しくなります。小説を書くこと自体はたぶんどこでもできます。でもその営業活動が難しくなるというか。そういう逡巡もあります。

執筆に関する迷いや悩みは膨らむ一方ですが、とりあえずBOOTHを立ち上げました。現時点(2022年1月3日)でまだ何も準備していませんが、これからはBOOTHを通じて全国の方々に作品を届けるという手段も広げていきます。

今年もできる限りたくさんの作品を執筆し、発表していきたいと準備しています。皆さん、noteのほか、Twitter、BOOTH、各種出展などさまざまな場所から、エールをお願いします。全力で頑張ります。

長文になってしまいましたが、今年もよろしくお願いします。


いつの日か小説や文章で食べていくことを夢見て毎日頑張っています。いただいたサポートを執筆に活かします。