いよいよ何を言っているんだおれは。もうわからんぞ。


指先がずっと冷たくて何もわからなくなった。問いかけても返ってくるのは嗚咽だけだから諦めている。何に?喉の奥のかたまりがずっと外界を窺っている。晩冬の空は聞こえないはずのものすら聞こえてくる。乱暴な言葉は血のにおいがしてうつくしくないのに通り雨に似ている。続かないから素敵だったはずのものが終わると共に色褪せる。私じゃなくなる前のことを覚えていますか。渇きが支配する頭蓋。近づいてくれないことへの安堵。

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