京都 徘徊つれづれ 1日目 その2

■さてさて、向かうぞおめあての京都へ

というわけで、6時過ぎ京都駅に到着。大阪から30分足らずなのね、京都まで。まず観光案内所へ、と思ったら見つからないので駅のinfoで聞いたら5時でおしまいなんだと。くそ。Webで見て欲しかった地図があったんだが・・・。でもとりあえず「市内地図はあるか」とたずねたら、渡されたのがその欲しかった地図で。ははは。これで目的達成。
実をいえば立つまえに書店で観光案内本をいくつかパラパラしたんだけど、大半が楽しげ美味しげ面白げで、バカ女がスイーツ食べてるようなくだらん写真とイラスト主体。しかも、エリアを限定して取り上げてるから、エリアとエリアの地理的つながりがさっぱり分からん。こりゃ徘徊には役にたたん。とはいえ、何ももたずでは心もとないので、女子供が手を出しそうもない、むかし風オーソドックスなのを1冊、しかたなく買いはした。とはいえ、市街全部が見渡せる平面図が欲しかったのだ。でも、これでひと安心。あとは島原にある宿をめざすだけ、なんだけど、この宿は素泊まりで、しかも近くに飯屋もあるかどうか怪しいので、朝メシはあらかじめ確保しておかなくてはならん。なのに、京都というところはお店がなかなかないのよね。コンビニすら、東京みたいに、あっちこっちにない。と思いつつ歩いてたら、しょぼいスーパーがあったので入ってみると、惣菜が多少ある。うーむ。おにぎりにするか、弁当にするか。どうしようか。なんて見てたら、揚げ餅があったので、これと、あとは卵ハムサンドにした。もちろん京都もコンビニ袋はくれないので、かねて持参の袋に入れて、たらたらと。

■いくどめかの京都なのであるが

京都は、最初は高校の修学旅行で。次は学生時代に2度。10年以前に奈良、京都を1週間ばかり。それから、仕事できたついでの夜と翌日に。高知に行ったときの帰路の途中下車で一泊。が、記憶に残ってる京都で、ぱらぱらとではあるけれど回数は来てる。とはいっても腰をすえて歩いたわけではないので、東西南北が大雑把にわかる程度にしか知らない。本日の最初の宿は、そんな京都の、まだ足を踏み入れたことのないエリアにある。
島原。かつてはいわゆる色町で、揚げ屋、置屋、茶屋なんかが集まっていたところらしいんだけど、いまも残るのは入り口にあたる島原大門と、揚げ屋だった角屋の建物ぐらいらしい。ストリートビューで角屋のあるあたりをみると、格子づくりの外観がなかなかだ。

西本願寺の手前に、不思議なレンガ造りの建物がある。本願寺伝道院。建物も意表を突く姿カタチなんだけど、入口周囲の低い柵柱の上にちょこなんと乗ってる幼獣たちがなかなかチャーミング。なんだよね。

妖獣たちのおたわむれ

な感じにふらついたりしながら6時過ぎにA旅館に到着。がらりと格子戸を開けると狭い土間で、もうひとつ戸を開けると話し声が聞こえる。でも、こちらには気づいていない様子で、しかたなく声をかけると小太りの女将さんらしき人がでてきた。別に着物を着ているとかそういうこともなく、普段着の、そこらにいくらでも転がっていそうなオバチャンだ。
案内されたのは2階の六畳+縁のついた和室で、宿帳を書きながら世間話。話はややこしくなるけど、京都に住む友人と僕には共通の友人がいて、彼が京都にくるときはいつもこの宿を使っているのだとか。それで、京都に住む友人はこの宿を僕に紹介したという次第。もちろんWeb予約なんてのはできないので、電話で口頭で予約した。A旅館を知った経緯を話すと、そうですかあ! てな感じで話が盛り上がり、あれやこれや。近くにある角屋が面白そう、と話すと「近所に配ってた招待券があった筈だから…」ともってきてくれたのはもっけの幸い。なにしろ入場料1000円で、2階座敷の見学案内は別途800円なのだから。

さらに、翌日は嵐山に行くつもり、と話すと女将は「トロッコ列車は景色が最高」としきりに勧めてくる。トロッコ列車は知っていたけど、他のスポットが見られなくなりそうなんだよね。なので、いまのところはプランB。ところで、宿の近くにはJR丹波口駅があり、そこから嵐山は1本で行けるというのはあとから知ったこと。これで、明日の午前中角屋の見物、見終えて丹波口から嵐山へ、という予定がひとりでにできた。

■そして、その夜の風呂と夕飯は、こうなった

かねて言われていたとおり、女将さんからは銭湯券をもらった。歩いてすぐのところにあるらしい。宿の設備は洗面もトイレも、冷蔵庫も室内にはなくて、あるのはちいさなテレビだけ。これで素泊まり5700円(角屋の入場券分1800円を引いたら実質3900円だけど)。でも、近ごろは近所にホテルがどんどんできているそうで、といっても大きなホテルではなく、こぢんまりと洒落のめした感じのものらしいけど、なかなか厳しいのよ、なんて話していた。
さて、夕食だけど、ここに来る途中に中規模のスーパー銭湯があって。その入口に食堂メニューが出ていたので、そこへ行ってみることにした。注文したのは鉄火丼1100円。まあ、スーパー銭湯価格なんだろう。ただっぴろい和式の、閑散とした食堂で京都最初の食事である。
しかし、この辺りに住む人はどこに買い出しに出かけ、どこで外食し、どういう生活を送っているんだろう。だって、すさんだ元商店みたいなのはあっても、コンビニ1つないんだぜ。と余計な心配。
いったん戻って、女将さんに渡された銭湯セット(タオル、シャンプーとか)をさげて9時頃、歩いてすぐの銭湯へ。なんと常連客は結構いるようで、ロッカーの上には桶に入った銭湯セットがずらり並んでる。浴場も湯舟も狭かったけど、銭湯なんてほんと久しぶりだよ。足が伸びるね。小さいけどサウナもあって、でも、万一倒れたりするとやなので入らなかったよ。しかし、ちかくにスーパー銭湯もあるってのに、よく経営が成り立ってるよなあ。京都は銭湯が多い街なのか。
あ、ちなみに、プラスチックゴミ削減とかで廃止になるとかいわれていた簡易歯ブラシは、あてがわれたよ。でも、自前の歯ブラシ持参だから使わなかったけど。

■つまらないテレビはすぐに消してしまった
とくにすることもなく。京都駅infoで手に入れた地図を広げて場所を確認したり、だらだら。テレビもつけてみたけど、もともと家にテレビがない生活が長いので、あまり興味が湧かない。ニュース番組にchを合わせても、地域色豊かなことはほとんどやってなくて、渋谷でなんとかかんとか、みたいに東京のことを話題にしているニュースが多かったりする。地方に行ってテレビつけるとたいがいそうなんだけど、こういうの変だよなあ。っていうか、つまんねえよ。ローカルニュースが見たい。
でね。ここ、女将はなにもしてくれないの。部屋に布団と着物が置いてあるだけ。自分で布団敷いて0時前に床についたんだけど、なぜか眠れず。べつに何か音がしたりするわけでもないのに、寝つけない。22000歩近く歩いてるのに…。しかも、明け方になると陽が射し込んできて、なお眠れない。のでカーテン引いたけどまっ暗にはならず。てな具合で、4時間寝たかどうかという有様。久しぶりの旅先で興奮しちゃったのかしらね。やれやれでございます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?