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【動画あり】マンガで歴史を学ぶとなぜ頭に残るのか? パックンが解説

 お笑いコンビ「パックンマックン」としても活動するタレントのパトリック・ハーラン(パックン)さんは、長男の影響で日本の歴史にはまっている。2人が日本の歴史好きになったきっかけが、「歴史漫画タイムワープシリーズ」だ。マンガで歴史を学ぶとなぜ頭に残るのか、パックンに解説してもらった。

「日本の歴史、どの時代も面白いですね。弥生時代の『邪馬台国』の位置が、昔からずっと探しているのにいまだにわかっていないというのには驚きました」

 そう語る、タレントのパックンさん。来日して30年近くになるが、日本史に興味を持つようになったきっかけは、長男がはまった歴史マンガだという。

パトリック・ハーランさん

「ほかの学習マンガと一緒に『歴史漫画タイムワープ』シリーズ(朝日新聞出版)をパパ友やママ友が譲ってくれたりして、好きになりました。うちには何冊も置いています」

 長男は「タイムワープ」シリーズのおかげですっかり歴史好きになり、歴史の主要舞台となってきた京都旅行をせがむほどになった。パックンさんもその影響で「タイムワープ」シリーズを読むようになり、日本の歴史の面白さに目覚めた。

「日本のいろいろなところを旅行したときに、歴史のことを知っていると見え方が立体的になる。子どもも親も、日本をより深く体感するきっかけになると思います」

パトリック・ハーランさん

「タイムワープ」シリーズは読者と同世代の子どもたちがさまざまな時代にタイムワープし、歴史上の人物と実際に出会ったり出来事を体験したりするストーリーが基本になっている。スリルあり、ギャグあり、感動ありの冒険ストーリーで、小学校低学年からでも読める構成になっているのが特徴だ。

 パックンは、この「ストーリー仕立て」が歴史を学ぶのにはぴったりだと語る。

「たとえばニュートンが何年に万有引力を発見したかと聞かれても多くの人は答えられないでしょうが、ニュートンが木から落ちたリンゴを見て万有引力を発見したという『ストーリー』はみんな知っている。ストーリーは、一回インプットしたら忘れないんです。歴史も、ただデータだけを見て覚えると定着は難しいですが、『タイムワープ』シリーズのように感情移入できるストーリーで展開されると、読んでいる子どもたちは気づかないうちに自然と勉強できる。親の立場からはそこがとてもありがたいですね。キャラクターが子どもでも親しめるようにかわいらしくつくってあって食いつきやすく、漢字にルビがふってあるのもありがたいです」

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 日本の歴史で序盤に登場する「弥生時代」。時代の特徴である稲作文化自体パックンの母国であるアメリカ合衆国にはほとんどなく、なかなかなじめない時代にも思えるが、パックンさんは「タイムワープ」でその面白さを知った。

「マンガのストーリーで読むと、コメが争いごとのもとになったり権力の端緒になったりしたことが面白く理解できる。歴史は人間がかかわっている、ドラマ性があるものだということに気づかせてくれます」

「タイムワープ」シリーズにはマンガ以外にもより学習内容を深められるコラムのページも充実している。

「ぼくはコラムのページを中心に読みますね。大人が読んでも『そうなんだ』とか『えー、マジですか!』という驚きがある。知ったら明日誰かに話したくなるようなネタがたくさんあります」

パトリック・ハーランさん

 歴史を学ぶ意義について、パックンは「子どもたちも含めて、私たちは『当事者』だからです」と語る。

「私たちは国の方向性を決め、ターニングポイントをつくれるのです。そして、国の行く末を決めるためには、この国がどういう過去を歩んできたかを知らなければいけません。スポーツをやる人はコーチから教わったり、うまい人を真似したりする。人間の文化、文明はどうすればよりよい方向に進められるのか、我々は歴史と言うコーチの言うことを聞かなければいけないと思うんです」

 私たちを導くコーチとなってくれる歴史に興味をもつきっかけとして、「タイムワープ」シリーズなどの歴史マンガは最適ではないかとパックンさんは強調する。

「そこから歴史に興味を持ってもらえれば、マンガから卒業しても歴史に対する興味、関心、愛は変わらないと思います。親にもぜひ読んでほしいですね。子どもが何に喜んでいるかを知ることができるし、知らなかった事実を知ることもできる。家族間のコミュニケーションにもつながります」

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 タイムワープシリーズは基本的に日本の歴史をあつかってきたが、2021年11月には世界史をテーマにした「歴史人物バトル」編もスタートする。世界史に登場する有名人物が未来の小学校に召喚され、日本史を彩る英雄たちと「かくれんぼ」や「障害物競走」といった競技で対決する――というストーリー。知力、能力をフルに使って対決に挑む歴史上の人物たちのストーリーから、その人物のキャラクターやエピソード、歴史上で果たした役割などが身につくしかけだ。1作目はナポレオンやジャンヌ・ダルクが登場する「フランス編」、来年1月刊の2作目はワシントンやエジソンが登場する「アメリカ編」となっている。

「いまはグローバルな時代。世界を相手にしていく中で外国を知らないと不利になりますし、そのためには世界史を知る必要があります。『タイムワープ』シリーズでも世界史を取り上げてほしいと思っていましたし、かゆいところに手が届いた感じですね」(パックンさん)

(取材・文:ジュニア編集部・福井洋平/写真:朝日新聞出版写真部・加藤夏子)


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