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「毎日のお酒や塩辛い食事」親がなかなかやめてくれないのには理由があった!

 老け込んだ親の姿にハッとしたことはありませんか? そんな親のきもちや行動を、もしかしたら私たちは誤解しているかもしれません。大阪大学大学院教授で、老年行動学を専門とする佐藤眞一先生のやさしい文章と、まんが家・北川なつさんのマンガで、老いた親のきもちをわかりやすく解説。第2回は「体に悪いお酒や食事をやめてくれないのはナゼ?」です。

 毎日のお酒や塩からい食事などは、親の長生きを願う家族にとっては、できればやめてほしい習慣です。ところが、お願いしてもすんなりとやめてくれることはまずありません。子どもとしてはイライラが募るばかりですよね。

 親には、「老い先短いのに、好きなものを我慢してどうする?」というきもちがあることでしょう。肝臓を悪くする、血圧が上昇するなど決定的な出来事でもなければ、なかなかやめられないのです。

 食事習慣についていえば、世代によって意識に違いがあります。昔は食べ物が豊富ではなかったので、とにかく栄養をとることが食事の目的でした。そのため高齢者は、健康のために食事をするという意識が今でも薄く、量や内容のコントロールをしてくれません。ダイエットや健康志向といった意識は、最近になって生まれたものなのです。

 長寿のヒケツは、日々の生活で無理な我慢はせず、好きなことを選択して過ごすことだといいます。親に好きなことを存分に楽しんでもらう、思い通りに生活してもらうのもひとつの方法です。

 ちなみに、百寿者のような長生きの高齢者は、高たんぱく・高カロリーの肉類を好んで食べる傾向があります。

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【Happyアドバイス】
親には、「やめてほしい」という願いとともに、「長生きしてほしい」というきもちを伝えよう。

(文:佐藤眞一/マンガ:北川なつ)

※この連載は、2017年に発売された『マンガで笑ってほっこり 老いた親のきもちがわかる本』からの抜粋で構成しています。同書の新版『マンガ 介護する人・される人のきもちがわかる本』好評発売中です↓↓↓