シンプルで最高な「ほめ言葉」は、小さく独り言のように“つぶやく”と最強
■想像してくれたことへの感謝を
プレゼントをもらったときのリアクションは難しいですよね。そんなときに気軽に使えて感謝の気持ちが伝わる“ちょい足し”が、こちらです。
\ちょい足し!/
例文は、贈りものをいただいたときや、お店でイメージを伝えたら、店員さんが奥からそれにピッタリの商品を出してきてくれた場面などを想定したものです。パートナーが買い物ついでに、切らしていたあなたのシャンプーを買ってきてくれたとき、「ありがとう。ちょうど欲しかったの!」と使うことも。
また、仕事の出来具合にも使えます。職場の後輩に頼んだ仕事を受け取ったときなどに「わあ、これこれ! 期待以上だよ!」、アドバイスを求めた相手からの提案に「◯◯さん、さすがです……。この要素が欲しかったんだと気づきました」といった具合に。
贈りものをしたり、頼まれたものを用意したり、提案をしたとき、「相手はどう思うかな?」と小さな不安を感じている人は少なくないはずです。あなたのことを考えて用意してくれた相手に対して、「私もこれが好き」「これを選んでくれて、つくってくれて、気づいてくれて、うれしい」という感謝を伝えます。依頼に応えてくれたときも「まさにこれです!」「想像していた以上です!」など、ストレートに力強く相手に届けましょう。
■相手がくすぐったくなる、最上級レベルのほめ足し
大手企業とプロジェクトを組むと、担当者が私の子ども世代、あるいはもっと若い、ということも多くなってきました。
たくさんの若い人たちと仕事をしながら、ガッツポーズをしたくなる瞬間があります。あるとき、私が作った試案を見た20代の担当の女性に、「すごいっ! さすがプロですね」とうなるように言われて、心の中で「よし、やったぞ!」と。「この人は私を認めてくれている。この人のためならなんでも力になろう!」と素直に思えました。
「さすが!」ということばは、言われた人のテンションを上げる魔法のワード。ぜひ、“ちょい足し”したいことばです。
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「さすが!」は、先輩や上司など上の立場にある人に限らず同僚、後輩に対しても使えますし、さらに「◯◯さん」と名前を呼ぶことで、強調できます。
逆に、独り言のように「さすがだなぁ……」なんてつぶやくと、実感がこもります。
「いいですね!」「素晴らしい!」「お見事!」などのほめことばの中でも、よりすごいと思ってもらえているような、頼りにされているような特別感が生まれるこのことば。効果絶大です。
■相手の行動や態度に対する敬意
仕事は結果がすべてだと言われがち。でも結果をほめる場合も、そこに至るまでの仕事ぶりや努力をちゃんと見ていますよ、そこにも敬意を払っていますよ、と伝えたいものです。その気持ちをひとことで伝えられるちょい足しことばを紹介します。
\ちょい足し!/
目上の相手に使えば、あなたの姿勢、その背中を見て学んでいます、尊敬していますという気持ちを表現できます。
私自身、新人時代に「あなたは仕事が早いわね。時間を一生懸命に使っているのね」と先輩に言われたことがあります。意味が即座につかめず不思議に感じたのですが、自分の行動を振り返ってみると、何をするときも集中して一生懸命やっていることはたしかでした。先輩がそこを見ていてくれたのだと思い当たったとき、とてもうれしかったものです。
類義語として「熱心ですね」「ねばり強いですね」ということばもあります。シチュエーションに合わせて、ぜひ使いこなしてくださいね。
■感動した気持ちをストレートに
続いて紹介するのは、一般的に音楽や絵画など、芸術的なものに触れて、思わず、感動をそのまま口にしようとするときに使うことが多いちょい足しことばです。
\ちょい足し!/
いつもは堅いイメージの銀行員の男性が、実にやわらかいタッチの風景画を描き、思わず「みごとですねぇ! 本当に◯◯さんが描いたの?」などと言ってしまったことがありました。そのくらいストレートな表現と言えるでしょう。
ですので、あまり考えたり意識して言うものではないのですが、最上級の感動をひとことで品よく伝えられるので、自然に口から出てくるぐらいに自分のものにしておくといいでしょう。
また、例文のように、仕事の手際がよく、テキパキとあっという間に片付けるのを見て、「すごいっ! みごとですね!」と感心するときにも口にします。
よくゴルフで「ナイスショット!」と言いますが、それと似ていますね。思わず声を出してしまう「おみごと!」は、飾らないほめことばの代表選手なのです。
最近では、使っている人をあまり見かけませんが、私はお気に入りのことばです。言われるとくすぐったいような、誇らしいような、他にはない心地よさを感じますよ。
(構成/三宅智佳)