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第4の寿命「つながり寿命」を縮めかねない10の悪い癖

 最近、生命寿命、健康寿命、資産寿命に加えて、第4の寿命を長くすることが大事だといわれている。第4の寿命とは、生涯現役、生涯学び続けるなどの意欲を失わず、心楽しい人間関係をもキープし続ける「つながり寿命」。これを長くするのも短くするのも、自分次第。定年後、自分の居場所をつくれるかどうかは努力次第だ。そこで、大人の振る舞いについての指南書で定評がある作家の菅原圭さんの著書『ほどよい“居場所”のつくりかた――60歳からの人づきあいの知恵』から、つながり寿命を縮めかねない悪いクセを紹介する。

 今日も1日が終わった。

 夜、床につくとき、心から「ああ、いい1日だった」といえるだろうか。

 私の場合は、必ずしもそんな日ばかりとはいい切れない。仕事をし、あるいは「下手の横好き」を地でいく英語と格闘した日も、充実感は味わいながら、どこかにうっすらとさびしさ、ものたりなさを感じている。

「ひとり暮らし」のこのうえない自由を満喫しながら、人とのつながりが希薄だった1日は、何か大事なものが足りない、という気持ちを抑えきれないのだ。

「最近、年賀状の数がめっきり減ってきた」と感じることはないだろうか。私など、ピーク時から半分近くまで減ってきている。故人になった人もあれば、メールの賀状に換えた人もいる。だが、総体的に、人とのつながりが細ってきていることが大きな要因であることは否定できない。

 シニア期の大きな課題はあらためての人間関係づくりだ。私自身、シニア期を意識して、ここ2、3年は「友だちづくり」と格闘してきた。だが、そう簡単にはいかず、正直、人間関係はなかなか広がらない。

 結局は、学生時代からの友だちとご飯を食べたり、かつての仕事仲間と集まってビールでも飲む、そんな日々を重ねている。

 こうした自分自身の苦戦もあって、まわりのシニアで人づきあいのうまい人をそれとなく観察しているうちに、人づきあいのうまい人に共通するいくつかの共通点があることに気がついた。

 人づきあいがうまいか下手か。その違いをひと言でいうと、天動説と地動説だ。天動説とは、世の中は自分中心にまわっていると考えている人。地動説は反対に、相手を中心に考えたり、行動したり、ができる人だ。

 天動説タイプの人、つまり、人間関係が広がらない、友だちがなかなかできないという人に共通する具体的な行動特徴を10項目にまとめてみた。実をいえば、一つでも当てはまるものがあったら致命的だ。人間関係は、築くには時間がかかるが、壊れるのは一瞬だから。

 厳しいいい方をすれば、わずかなことでも、相手を傷つけてしまったら、それで終わり。そんなことにならないように、一項目、一項目を心に刻み込んでおき、言葉づかいや立ち居振る舞いに気をつけよう。そうすれば、やがて、まわりとの人間関係が変わってくるはずだ。

 人間関係がうまく回り始めれば、つながり寿命もぐんと延びていくだろう。

<天動説タイプの人の行動特徴>
1.自己紹介で「元」の肩書きを伝える
2.いつも、誰にでも、同じ話をしてしまう
3.気づかぬうちに、自慢話のオンパレード
4.よく昔話・古い話を語っている
5.あっちが痛い、こっちが悪いと不健康ネタを出す
6.「年金が少なくて」など、つい貧乏話をしてしまう
7.人の陰口が多い
8.やたらに怒りっぽく、すぐにイラだつ
9.身なりに気を配らなくなる
10.「もう年だから」などと高齢をマイナスにとらえている


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