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【写真集を作る】vol.6 パワポで高画質な固定レイアウトKindleは、厳しいかもしれない話 → InDesignで作りました

このマガジンでは、これまで、実作業の前段階である写真集のコンセプト決めの話や、決めた後の写真の選別と順序決めの話などをしてきました。

今回は、実際に写真を並べたファイルをPDFにする、という段階で、うまくいかなくて試行錯誤した、というお話です。




パワポでつくると?

前回にもちらっと書きましたが、当初私は写真をパワポ上に並べて、スライドを入れ替えたりして選別と順番決めをし、最終的にそれをPDFに変換してから、Kindle Comic CreatorでKindleの入稿フォーマットであるmobiファイルに変換しようと思っていました。今回は文章がないので、「固定レイアウト」と呼ばれる、誰が見ても同じ見た目になる形式で作ります。


ところがパワポをPDFにして、実際にタブレット画面で見たらどんなかんじかとファイルを移して開いてみたら、私が最近買ったフルサイズミラーレス一眼カメラで撮った、高画質のはずの写真が、とても荒くなっていたのです。

いちばん目についたのが、昼間の街なかで、電線が細く写っているのですが、その線が少し拡大すると点線のようになるのです。拡大しなくても、どこかカクカクしていて、滑らかにたわんでいるはずの電線が歪んでいます。

慌ててオリジナルの8MBほどあるオリジナル画像ファイルを確認すると、実際には2倍に拡大して表示しても電線はなめらかな曲線になっていて、満足できる画質です。

パワポ→PDFだと画質が落ちる?

これはパワポのスライドに画像を貼り付ける時点で、またはPDFに変換するタイミングで画質を自動で落とされているのかもと思い、悩みましたが、Adobeのアプリケーションのひとつ、出版物の各紙面などを作るのに使われるInDesignをインストールしました。月額3,280円と高額だけど、最初の7日間は無料。7日間で作業を終わらせられれば、サブスクリプション料を払わずに済みます(せこくてスミマセン。あとこの手は次は使えない)。

InDesignで再トライ


InDesignはだいぶ前に少し触ったことがあるくらいで、すっかり使い方を忘れていたし、高画質なKindle用のファイルを(自分で)作れる保証はなかったけど、一か八かやってみました。デザイン用の高機能で高額なアプリケーションなのだから、できるはず…!と祈るような気持ちでInDesignを使い始めました(業界のコトは全く無知ですが、世の中の商業出版された書籍のKindle版の多くはIndesignで作られているのでは?という予想を持っていたので、いけるはずと思っていました)。

最初は、InDesign独特のインターフェースが意味不明でかなり困惑しました。特に、画像をページに置く際、画像を直接ページに挿入するのではなく、先にサイズを決めてフレームを作り、そこに画像ファイルをリンクさせるという仕組みを理解するのに苦労しました。でも慣れるとこれがかなり作業しやすく、画像を入れ替えるときもフレームはそのままにリンク画像を変えるだけなので、サイズ調整を1からやり直す必要がなかったり、アプリケーションの動作を軽くするために画面上での画像の表示は画質を落としてあったりと、実に理にかなった仕組みでした。私のパソコンは古いSurfaceなので、多くのメモリを食うAdobeのデザイン系のアプリは高スペックのMacBookのようにサクサクとは動いてくれません。実際、画像編集のLightroom Classicはすごーく動作が遅くなってしまうのだけど、InDesignはわりとスムーズに動いてくれました。

YouTubeなどで2時間ほど集中してこのような基本的な使い方をおさえ、そしていざ、ざっくり写真3ページ+空白7ページくらいひとまず作って、PDFに変換してみる。変換(アプリ上では「書き出し」という)の設定画面にも恐ろしくたくさん項目があり、用語がわからない私はとりあえずなるべく高画質になりそうな設定にし、おそるおそる「書き出す」。そうすると、上記のページ数でなんと20MBを超えた!これ70ページになったとき大丈夫だろうか?と思いつつ、書き出されたPDFを確認すると、画質は全くといっていいほど落ちていません。画質の問題はひとまずクリアです。

写真集なら画質は落とせない

これで、パワポ→PDF→mobiという方法は、少なくとも高画質の画像をそのままに電子書籍にしたい場合、排除せざるを得ないことがわかりました(パワポでPDF変換しても画質が落ちない方法はあるのかもしれませんが、調べきれていません)。

せっかくいいカメラで意気揚々と撮影していい写真がとれたー!と喜んでも、いざ人に見てもらうときの画質が悪かったら意味がない。私にとって、これは妥協できないところでした。たぶん、作品集のようなものを作りたいKindle作家の皆さんがそう思うんじゃないかな?
(これは、ペーパーバックの場合はまた話が変わってくると思うけれど)

PDFの画質問題は解決したけれど、Kindle Comic Creatorでmobiファイルに変換するとき、また、KDPにアップロードした後にも画質が落とされるとか。
これに備えるためにも、最初の段階のPDFでは当初の画質を保てるようなアプリケーション(InDesignではなくとも)を使うことを、写真集を作る方にはおすすめします。

写真集完成まであとひといき!
ふぅーっ汗



🌱🌱その後、写真集が完成しました!🌱🌱


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