見出し画像

電鍋で楽しい薬膳生活1〜煮てみる

薬膳では季節や体調、体質にあった食材を選んで食べる。
そのとき、調理法も重視します。

例えば、たまご鶏肉とご飯があるとして、
食べ盛りのこどもたちにはボリュームのあるチャーハン、高齢者のおばあちゃんには消化によい鶏たまご粥というように、それぞれの体にあった調理法を選ぶのです。
若い頃は、疲れると「よーし!焼肉でも食べて、いっちょ精つけるか!」「それとも鰻をキメるか!」などと言っていたものだが、年齢を重ねていくとそうもいかない。むしろ胃もたれしたり胸焼けしたりで、かえって疲ぐったり。もりもり食べてもりもり消化するのにも体力がいるなあとしみじみ。ではどうするかというと、まずは粥やスープなど胃に優しいものを食べて滋養をつけ、徐々に精のつくものへとシフトしていくのです。

体に優しい調理法は「煮る」「蒸す」。油で「揚げる」などは負担がかかるので、胃を整えてから。よく煮込んだスープやお粥、柔らかく蒸しあげた肉や魚、野菜などは薬膳の主役だ。

うちでも蒸し料理はよく食べる。じつは蒸すと食材の旨みや味がよく残って、ぱらりと塩を振るとか、ちょっと醤油を垂らすなどの簡単な味付けでも美味しく食べられるので「簡単時短料理」でもある。

ただ、蒸し器を出すのが面倒くさくなったり、水を足すのを忘れて鍋を焦がしたりということも。先日もうっかり水を足し忘れて焦がしてしまい、鍋のテフロンがダメになってしまった(泣)。
もっともっと簡単に蒸し料理を楽しめないだろうかと。そう思っていた時に「大同電鍋」と出会ったのだ!

画像1

昭和生まれなら「おっ」と目を留める形。
こどもの頃は、こんな炊飯器でした!電気釜と呼んでいた・・・。
どこの家にもあった懐かしい形・・・。
なぜ今こんな形のものがここに?

この大同電鍋は台湾製。台湾では一家に一台、必ずあるそう。
1960年代に日本の東芝と台湾を代表する家電メーカーの大同電器がコラボして作ったのだそうで。デザインも機能も当時のまま、今では炊飯器としてのみならず、いろいろな料理に使われているらしい。

日本では「炊飯器」の発達とともに消えてしまったが、よく考えたら「炊く」だけではなく「煮る」「蒸す」「温める」など、使い方は自由自在。台湾の人々は炊飯以外の能力を生かし続けてきたのですね。数年前から日本でも買えるようになり、改めて脚光を浴びている。

外釜に水を入れ、材料を入れた内釜をセット。スイッチオンにすると、外釜の水がなくなるまで加熱され、水がなくなると自動的にオフになるシンプルな仕組み。

「炊飯器」という枠にとらわれずさまざまな使い方ができ、スイッチを入れたら放置できるので手間もかからない、煮たり蒸したりという違う調理方法のおかずを同時に複数調理できるので時短にもなるなど、電鍋ファンが増えているとか。

「興味あるな、どうしようかな、買おうかな」

しばらく前からそう思いつつ迷っていたところ、たまたまClubhouseで電鍋の魅力についてスープ作家の有賀薫さんのお話を聞く機会があり、「時は熟した!」とばかりについにネットでポチ!

お粥やスープ、煮物、蒸し物など薬膳料理にはすごく便利そう!

ということで、ちょっとその使い勝手を研究してみようと思います。

まずは「煮る力!」

画像2

豚の角煮!
鍋の中に豚ばら、長ネギ(豚の下に敷きます)、きくらげ、生姜、そして調味料を投入。
「スイッチポンの簡単料理」の実力を知りたいので、肉を下ゆでするなどの手間は省く。ただ材料と調味料を入れるだけ!さあ、どこまで美味しくなるのかな・・・。

画像3

おおおお!
およそ50分くらいの煮込み時間でここまで出来た!
箸でほぐれるとまではいかないが、十分に柔らかく、味も染みている!
きくらげもトロトロでした。(この後15分くらい蓋をして放置したら、さらに透明感のある飴色になりました)。

続いて台湾ではお馴染みだという「茶葉蛋」。
烏龍茶の葉と八角などのスパイスを入れて作る煮卵だ。コンビニや屋台など、街の至る所で手に入る台湾ソウルフード。
電鍋に付属のレシピを見ながら初挑戦!
ゆでたまごの殻をスプーンで叩いてヒビを入れてから煮ます。殻の隙間から味が入って綺麗なヒビ模様ができるらしいのだが・・・。

とにかくスイッチポン!

画像4

40分くらい加熱した後、味がしみるように1時間くらいそのまま保温してみた。
家中にただよう台湾の香り・・・
行ったことないけどきっと多分、こんな香りが街角に漂っているにちがいない(笑)。

画像5

わお!
剥いてみる!

画像6

いい感じです。味も染みていて、何個でも食べられそう・・・

「煮る力!」検証。続いてミネストローネ。
またまた材料を切って入れるだけ。豚肉、にんじん、ピーマン、パプリカ、大根、玉ねぎ、ミックスビーンズ、トマト缶、にんにくみじん切り。コンソメ顆粒と蜂蜜と水を入れ。んで、スイッチポン。

画像7

画像8

30分くらいで出来ました。

画像9

ううっ!美味しいんだけどっ!

とにかく切って入れてスイッチポンしたら、後はほったらかしで目を離せるので、ものすごく気楽だ。バンバン投入してスイッチポンしたら、あとは他の家事をしていれば勝手に出来てる♡
日々のごはんの煮物、汁物はお任せできそう。

コツとしては、幾分小さめに材料を切ること。火が通りやすくなります。
豚の角煮はだいたい2cmくらいの厚さに切りました。
ミネストローネの材料は1cm角くらい。
おのおのの材料が同時に煮上がるように切り分けると上手くみたい。
それからもうひとつ。蓋をしたまま蒸し煮状態になるので、普通の煮炊きと違いほとんど水分が蒸発せず、汁が煮詰まらない。なので仕込む段階で、ほぼ出来上がりの濃さになるように調味料を入れるといいようです。保温スイッチが付いているので、加熱が済んだ後に保温状態でしばらく置いておけるよう保温スイッチを押しておくと、これまた勝手に味がしみる。

ところで、蒸したまごも作れます!

画像10

ここではたまごスタンドを使っているが、金属製のザルに入れたり、なんなら中にごろんと転がしておくだけでも大丈夫。スイッチポンで15分放置すると、できている!

楽しい楽しい!
最近はメニューを選んでスイッチ押せば出来上がるスマート調理器具もいろいろあるが、完全に丸投げではなく、もうすこし自分なりに手を入れたい。一方で、億劫にならず簡単に調理できたらそれはそれで嬉しいという方にはオススメですね。

途中で蓋が開けられるので、材料を足してみたり、味を調節することもできる。気になるのであればアクをとることもできますね。
「手抜き」と「料理する楽しみ」とが程よくマッチした感じ♡

次回は「蒸す力!」を検証します。
複数のメニューの同時調理にも挑戦して、ご報告しますね!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?