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映画試写会「至福のレストラン/三つ星トロワグロ」

94歳の巨匠フレデリック・ワイズマン監督による三つ星レストランのドキュメンタリー上映時間4時間!(途中休憩あり)



フランス中央部ロワール県のロアンヌ。パリから電車または車で約4時間のところに、そのレストランはあります。

はっきりとした起承転結があるわけではなく、確かに4時間は長い。

日々の仕事、食材の調達、メニュー開発、顧客とのつながり、そしてシェフが息子に託す思い、店への愛情、家族とスタッフの団結。

親子3代でミシュランの三つ星を55年も獲得し、更に※ミシュラングリーンスターにも輝いている理由がわかります。
※「ミシュランガイド」により毎年授与される賞。持続可能な活動において最先端を行くレストランが授与される

食に携わっている方はもちろんですが、こんな方にオススメの映画です

  • フランス料理、ワイン、チーズが好きな人 

  • 将来シェフを目指す人

  • 食べることが好きな人

  • 旅行が好きな人

日本との深いつながりがあるトロワグロ


フランスの三ツ星レストラン トロワグロ

2022年に残念ながら閉店。新宿の小田急百貨店に、カフェレストランとパン・スイーツのブティックがあったことご存知ですか?

映画の中では、3代目オーナー・シェフであるミッシェル・トロワグロが日本との深いつながりや、日本の食材に魅了されたことなどを語っています。
最初は「日本かぶれ」と業界からの否定もあったようです。
今は、フレンチに醤油や味醂、出汁を使用することは珍しくないですが、ミッシェル・トロワグロはその先駆けでしょう。

身土不二(しんどふじ)その土地で旬にとれたものを食べる

日本では古くから「身土不二」という考え方があります。その土地でとれたものを旬の時期に食べれば、健康維持できるという意味です。
「それは旬(時期)ではない」という会話が何度か出てきます。旬でないものは使用しない、強い意思が感じられるメニュー開発の場面です。

オーガニックやバイオダイナミック農法のワインを取り入れ、野菜だけではなく、魚やチーズに至るまで、その考えは徹底されています。
映画の中では、特に季節に関しての言及はありませんが、風景や食材から感じることが出来ます。

お客様最優先のメニュー「NOと言わない」


予約を受け付ける、オーダーを受ける場面。
「肉のメニューの人はいないの?」とシェフ
子供用のメニュー、グルテンフリー、ベジタリアン、ペスカタリアン(魚はOK)、乳製品フリー、など希望を聞き、細かくメニューをカスタマイズしていることに驚きました。

古いものを大切にしながら新しいことを受け入れる

「赤紫蘇、グリーンカレー、クミン、醤油、生き締め」
厨房では積極的に新しい味を探求。スクリーン越しに映る美しい料理にわくわくします。

ただ、革新的なだけではありません。
若手のシェフが肉の下処理を間違ってしまったシーン。
指摘されたシェフは少し不満顔にも見えました。
その後、ミッシェル・トロワグロが2冊の本を取り出し「エスコフィエとラルース(料理事典)にはちゃんと説明が書いてあるから読むように」
「料理の変革は、基本のもとに成り立つ」と諭す。

そして、次の世代の仕事のやり方を褒め、尊重するミッシェル・トロワグロの姿がとても印象的でした。







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