13年目の習字
小学校から始めた習字の習い事はもう今年で13年目になる。
元々は姉が始めて、真似がしたくて通い始めた。姉のことが大好きだったから、離れたくなくて。
その姉が一昨年に習字から離れ、私だけがつづけている。
始めたての2~3年は嫌々通っていた。母は辞めさせる気はなかったし、辞めたいと言うほど嫌だった訳では無いから有難かったが進んで通っていた訳じゃなかった。
同じ小学校の子はだれも通っていない教室で、他の書道教室では課されない、ノートとワーク3冊に及ぶ漢字の宿題がとてつもなく嫌だった。
一向に上手くならない毛筆が嫌だった。他の教室に通っている子はあんなに上手いのに。
なんでだったかは思い出せないけど、どっかの時点ですごいやる気が出た。そのやる気のおかげで字を書くことが楽しくなった。
漢字の宿題は面倒くさいけど、毎年受けさせてもらう漢検で絶対に合格できるのが楽しいから続けられた。
上手くはなかったかもしれないけど、鉛筆の課題でだんだんお手本と同じ字に近づいていくのが楽しかった。清書では私が納得出来るまで書いた。
筆は一向にうまくならなかったけど、いつか楽しさが分かるかもしれないと続けた。
何が起点だったのかもう思い出せないけど、あの時から今までただ「楽しいから」の気持ちだけで続けてこれた。
この時の私の上手くなるの基準が何だったかというと、とても曖昧なものだった。多分普通なら段位や級が上がっていくことを喜ぶものだと思う。でも私は自分が今何段であるかなんて気にしたこと無かった。それは一般の部門になっても変わらなかったけど。
不意に書く字が読みやすく、綺麗だと思えるもの。それを目指して続けていた。
残念ながら手癖のせいか、はたまた今では理想が高すぎるせいか、その目標には未だ到達できた感じがしない。
小学生の終わりに半切紙に5文字の文字を書く、そのときで言えば最大の作品を書かせてもらった。
大きな紙に大きな字で書く、それが楽しかった。
初めての経験だった。あれ以降書くことは無かったけど、あんな作品が自分にも書けるんだということに気づけたのがとても嬉しかった。あれがもう一度書けるなら、とより一層一生懸命書いた。
高校に入って、学生部門から一般部門に変わると段がリセットされた。そこまで執着していた訳では無いけど、普通に悲しかった。それなりに積み重ねてきていた自信が、ゼロになったから。
手本も課題も増えたけど、それでも楽しくて続けていた。小中学校の積み重ねがあるから提出されすれば段は勝手に上がるし。
高2の時から展覧会への出品のため、作品を書き始めた。時間が取れず、正直何を書いているか分からなかったためただ書いているだけだった。
高3に上がる頃、受験が嫌だったからなのか習字への執心が激しくなっていて、展覧会への作品制作を沢山した。大きい作品でも書けば書くほど良くなることを知って、できるだけ沢山書いた。そしてその時の作品で運良く受賞した。
単純に私だけの力ではなくて、所属する書芸会の力が多少あったようだが、それでも自分の中で納得のいく作品で受賞できたことが嬉しかった。
その時からまた習字に熱中して、真面目に通い続けている。またあの展覧会で受賞できることを願って。
大学受験も乗り越えて、のんびり書いてきた人生。
気付けば準師範、段位を飛び越えてしまった。
正直今でもまさか自分が師範を目指すことになるだなんて信じられない。今まさに師範試験へ向けて毎日書いているけど、こんなにずっと続くものだと思っていなかった。
母がずっと金銭的に支えてくれているのもあるが、辞めない決断をした自分に驚いている。
少なくとも師範を取るまでは辞めない。先生に辞めさせないと言われたのもあるけど、それ以上に自分が取らなければ納得できないから。
習字についてはまだ書きたいことがあるから、また追追。
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