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あさぎ*の小説部屋

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短編小説を置くとこです。 短いモノしか書けません。いつか長編も書けたら……うーん無理かなorz
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『嘘』

『嘘』

痛い。
心の中でそう呟いた。

それは叩かれた頬だったのか。

「いいモノやるよ。」

彼はニヤニヤしながら私に近付き、いきなり平手打ちを浴びせた。
何の理由もなく、ただ理不尽に。
痛みよりも、驚きと言い様のない怒りと悲しみが押し寄せてくる感覚が全身を貫く。
痛かったのは頬ではなかった。

喋るのが怖かった。
人と接することは勇気のいる行動だった。
何故なのかは解らない。
物心付いた時から自然にそ

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