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『MASALAWALA SOUTH INDIAN COOKBOOK』発売です

 阿佐ヶ谷書院の新刊、インド料理ユニットのマサラワーラーによる南インド料理のレシピ本『MASALAWALA SOUTH INDIAN COOKBOOK』が発売となりました。ぼくは編集担当しただけではありますが、ここでは本の紹介と発売経緯などを書き残しておければと。

 マサラワーラーは武田尋善さんと鹿島信治さんによる二人組のインド料理ケータリングユニットで、呼ばれれば東京はもちろん日本全国どこへでも行きますし、インドで現地のインド人を相手に料理を振る舞ったりしたこともあります。ごく少数のお客さんから数百人レベルのお客さんまで、幅広く対応もしています。

マサラワーラーの二人。左が武田尋善さん、右が鹿島信治さん。

 そんなマサラワーラーの二人とぼくとの付き合いはなんだかんだ10年以上前からあり、2014年には井生明さん、春奈さんとの共著で『南インドカルチャー見聞録』という書籍を書いてもらったりもしています。ちなみにこちらいまでも好評発売中です。南インドを知るうえで、とても役立つ書籍です。あ、それはそれとして、マサラワーラーによる南インド料理のレシピ本はいつかやれたらなと思いつつもなかなかやれなかったりもあったんですが、とうとう去年やろうと思い立ち、二人とどんな本にしようかと打ち合わせ。南インド料理といってもとても幅広く、マサラワーラーが作っているメニューだけでもかなりの数。限られたページ数で何を紹介しようと考えていたとき、ミールスについてはナイル善己さんや沼尻匡彦さんたちがすでにレシピ本を出しているわけで、ミールスのレシピ本をやらなくてもいいかなとも思っていましたし、ティファンについては紙のレシピだけで説明するのが難しいなどもあり、南インドのノンベジの魅力を引き出せるようなものにしようとなりました。

ナンドゥワルワル。カニのスパイス炒めのようなものでしょうか。

 掲載レシピについて、全部ノンベジというわけではないけど、かなりの数のノンベジ料理を掲載していますし、ビリヤニのような難しいものからハーフボイルドのような簡単なものまでいろいろ掲載されています。ハーフボイルドなんて言ってみれば目玉焼き。日本のそれとほぼ同じです。なんで入れているのかといえば、パロッタなりノンベジ料理と合わせて食べたら美味しいから。それを知ってもらえればとあえて入れていたりです。わかりづらいでしょうけど。メニューでいえば基本のコーリコロンブやサーンバールのような南インド料理店に行けばよく見かけるレシピから、チキンギッザルドトックやナンドゥワルワルなどのような南インド料理店でもあまり見かけないメニューまで、取り揃えています。「かんたん!美味しい!南インド風スパイスカレー」(いま秒で考えたタイトル)みたいなレシピ本はぼくが編集する必要もないしマサラワーラーがやる必要もないし、親切丁寧に解説しているレシピ本といえるのかといえばそうではないかもしれません。ただ、レシピやコラムなどの本全体から南インド現地感がすごくあふれ出ている内容になっているのではと思いますし、コラムや彼らインタビューには料理をするうえでのヒント、大事なことというのが散りばめられています。それらもぜひ読んでチェックしてみてください。必ず参考になります。

 

チキンウップカリ。ウップとは塩の意味。インド料理で大事な塩と油が堪能できる料理。

 それと、表紙について。いろいろ賛否両論あるかと思いますが、レシピ本ではあまり見かけないかもですが表紙に料理写真なし、日本語なし(帯には日本語あり)、でもタミル語はありと、ある意味振り切ってはいます。これは最初デザイナーさんには料理写真ありバージョンと二種作っていただいたんですが、ぼくもマサラワーラーも今回の料理写真なしバージョンのほうがいいよねってことで、このようになりました。個人的には、ISBNを表紙にも入れているのってすごく珍しいと思うし、前からやってみたくて今回チャンス到来だったんで入れてみたんですが。これも元ネタはあって、ぼくの好きなデザイナーさんがCDのジャケに品番をときどき入れたりもしてたんですね。それがまたポップだったりかっこよかったり。それを真似てみただけです。

表紙に料理写真なし、日本語なし、タミル語あり、ISBNあり。

 まあそれはともかくとして、マサラワーラーのレシピ本は、南インドに興味があれば実際に料理を作らなくても読んでるだけでも楽しめると思いますし、もちろん実際に作って美味しく食べることができればさらに楽しめると思います。アマゾン、書店、マサラワーラーのイベントなどで販売していきますので、ご興味あるかたはよろしくお願いいたします。

https://amzn.asia/d/iH3lTGW

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