2022年3月19日の備忘録（タイトルが必要以上にシンプル）

　朝のことはよく覚えていないけれど、多分晴れていたと思う。前の日（金曜日）の夜からぶっ通しで起きていて、朝の10時くらいに寝た気がする。夕方から予定があったので、15：00くらいに起きて準備を始めた。

　夕方からはバイトの送別会の予定が入っていた。送別会の前に、ロフトでお祝いの雑貨を見繕おうと思って、16：00ごろ家を出た。10分ほどバスに揺られて、街に降り立った途端、街のロフトが駅前に移転してたのを思い出して少し立ち尽くしたりした。2.3日前から当日に街のロフトでお祝いを買うと高を括っていたのでショックだ。街自体に来るのが約3ヶ月ぶりだったので、街の解像度が落ちてしまっていたらしい。情けない。こんなことなら事前にネットでなにか探しておけばよかった。

　とりあえずその足でタバコ屋に行って、ふむふむと棚を眺めてたら店主らしき爺さんに「なにか買って行ってね」と声をかけられた。最初から一箱買う予定だったから嫌な気持ちはしなかったけど、もともと買おうと思ってたタバコより200円安いやつをにこやかに会計して、タバコ屋の爺さんは要らんことを言う、という嫌なアップデートだけされた解像度の低い街に再び繰り出した。

　雨が降っていたから傘を差した。傘のせいで視界は狭く、街のディティールを未だ取り戻せない。遠くから薄い音楽が聞こえてくる中ゆっくり歩いていると、近くに行ってみたい酒屋があることを思い出したので、そこでお酒を買ってお祝いとしようという思考になった。雑貨とお酒では少々おしゃれ度は下がるが致し方ない。雨が降っている中あんまり悩みたくないというのが本音だった。

　酒屋に行って店内をぐるっと一周したら美味しそうな日本酒と梅酒が目についた。同じ値段くらいで梅酒の方がたくさん入っていたので梅酒を2本持って「人にあげたいんですけど」と説明したら、では一本ずつ別々の紙袋に、と勧めてくれた。雨が降っているのに紙袋か、と一瞬思ったけど、既に一本の梅酒が紙袋に吸い込まれていたので、にこやかに会計をすませた。

　それから少しH＆Mで服を見て、いい時間になったので会場へ向かった。

　17：30。蔓延防止策のこともあるし、会場はバイト先の居酒屋を貸し切ったものであった。従業員全員参加をもってしても10人の小規模送別会だった。今の時期ちょうど良いパッケージだなと思ったりもした。私の計算が合っていれば、卒業する先輩2人と店長夫妻含めて10人だから、これからバイトの人数は6人になる。大丈夫か？大丈夫じゃない気がする。ま、それはこの後考えればいいこと。

　会はつつがなく進み、梅酒も無事に先輩の手に渡ることとなった。卒業するのは2人とも男性だからお酒という選択肢も無骨で悪くはないかなと今になっては思う。

　21：00を回ったところで会はお開きとなった。普段から考えるとかなり早いけれど、県の時短要請に応じているお店で夜遅くまで騒ぐわけもいくまい。みんなしぶしぶ…みたいな雰囲気だったが、全員で一言ずつ先輩に挨拶し、片付けをして店を出た。
　このまま完全にお開きかと思われたが、明日早い連中が帰ったりしながら私を含めて4人残った。卒業する先輩2人が上手に残ってくれたので、せっかくの機会なので、もう少し行こうかという話になり、カラオケの前なんかをぶらぶらしながら、結局とあるバーにカランと意外と重い扉を鳴らしながら入った。この時期に遅くまで開いている店というだけで星5スーパーレアなので、人はそれなりに入っていたけど、席がまばらに空いていたので入り口から一番近い席に4人で腰掛けた。

　店員さんがやってきて、4人分のドリンクと軽いおつまみ、灰皿を２つ頼んだ直後に、隣の中年男性グループにでかい声で話しかけられた。最初の一言はよく覚えていないけれど「大学生？」とかありきたりな台詞だった気がする。演劇みたいなでかい声だったのは覚えている。
　我々も酒が入っているのと、他の3人はともかく、私は酒の席の知らん人との会話はきらいじゃないので、わーい酒の席の知らん人との会話だーと思ってずんどこ話していると、なんの流れからか「奢ってやるよ」と言われ、我々も臆面もなく「ごちそうさまです！！」とか答えてたら、本当に奢ってくれて、最終的な我々の会計が1600円だった笑。4人で1600円だった。4人で1600円。笑ってしまった。ありがとうございました。

　こんなことあるんだ、とか言いながらバーを出た時まだ日付は変わっていなかった。でももう帰りますかという雰囲気になり、あとはタクシーを拾って帰ることになる。

　3連休1日目として君臨していた3月19日の備忘録。久しぶりに行った街では「タバコ屋には要らんこと言う爺さんがいるが、バーには気前のいい中年男性がいる」という情報が更新された。良かった。ごちそうさまでした。