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「鏡」そして「花火と凧」

日常のさまざまな断片の中にある、静かな発見や見慣れたものが見せる不思議な錯覚を鮮やかに切り取ったグラフィックデザインを制作している研究科生のH.Hさん。今回の修了制作展では、「鏡」と「花火と凧」をテーマにした作品を両方展示しています。その作品の込められた視点を紹介します。

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私が作りたい作品は人々が自分自身を探ることができるようなものです。

私が考え、いつも気になっていること、例えば、人間関係、自己認知、生活の瞬間などを、作品を通じて表現したいと思っています。

カンas_han_huilin

この自分で描いたイラストレーションをレイアウトしてデザインした作品「鏡」の制作のきっかけは、家で休んでいた時に、室内の一部を反射した鏡の画面に気づいた時でした。普段は主に、自分を見るために使われる鏡に、自分が映っていない画面からは見たことのない趣が感じられました。カメラのファインダーのようにも感じます。こんな画面を集めたら楽しいだろうな。そして、鏡が反射する画面を観察し、構成してみようと思った。日常生活の中のもので、観察の視点によって、人を惹きつけるようになるのではないでしょうか?そういう視点を表現しようとしています。

生活の記録として日常を目に見えるものにするという意味で、鏡に似た性質を持つカレンダーは、見る時に自分自身の状況を映し出すことができます。使う人、一人一人がカレンダーに自分の生活状況を記録したとき、このカレンダーは自分の一部になって、生活を映し出します。

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花火も凧にも長い歴史があり、日本では花火大会や凧揚げ大会があります。中国の新年も花火を上げて祝います。中国の山東省濰坊は世界的に有名な凧の都です。花火と凧は、視覚的に美しいだけでなく、その言葉自体に美しいという意味が含まれています。

長い歴史の中で、これまでも、いつも皆が集まって花火や凧揚げを見上げてきました。2020年にはCOVID19のため、東京の花火大会は基本的に中止されました。この残念な状況の中でも、1人でもリラックスできてのんびりできる、花火や凧揚げを楽しむことができるデザインを実現したいと思います。

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繊細な日常の瞬間に感じる驚きや、美しさの象徴として皆が共有して楽しむ花火や凧に込められた希望など、H.Hさんらしい視点が結晶した素敵な作品をぜひご覧ください。

阿佐ヶ谷美術専門学校 卒業・修了制作展 2/21-23 予約制で公開しております。




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