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私は今ここにいるべくして、ここまで生きてきた

電車の中、目の前に座った若者のスポーツバッグにはある有名私立大学の附属高校の名前が記されている。私は小学生の頃から受験勉強を始め中学受験をしたのだか希望校には合格とならず公立中学へ進学、以降、高校大学と、世間では決して一流とまでは言われない進学の道を辿った。その中学受験の体験が影響しているのか、なんとなく学歴に対してコンプレックスのようなものを感じることがある。実際、もしあの中学受験で希望校に受かっていたらどんな人生を歩んだのか夢想したこともある。

しかし、一方で同時に、今ここにいる自分を作ったのは他ならぬここまで歩んだ道だということも思う。学歴だけでなく、いや、むしろ学歴なんかたいしたことではない、私をこの世界に産んでくれた両親、共に育ち合った姉、苦楽を共にしている妻、そして友人たち。人だけでなく多様で夥しい数の体験。それらが今の私を作っている。私の人生のこれまでに良いも悪いもないのだ。

今のわたしは膨大なまでの過去によってできている。それ以上でもそれ以外でもないのだ。

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