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母の語り直し

ふとした時に、親のこと、姉のこと、妻のことに思いを馳せ、心の底から感謝している自分がいます。そして思うのです、「僕らに残されている時間はそんなに多くはないから、もっと家族といる時間を大切にしよう」と。

4年前に父に先立たれた母は、実家に会いに行くとこれまでの自分の人生で起きたことを語り出します。
あの時、どこどこの誰がこんなことを言って、そうしたら別のなんとかさんがこんなことをやって…、と、よく覚えているなぁ、と感心するくらい詳細に。それは、戦時中、母が幼い頃の家族のサバイバル体験、結婚してからの自分の武勇伝、中には僕も初めて知るような衝撃の事実も含まれていたり。

母は前からこんなに自分の昔を語る人だっただろうか…、と思うのですが、あるときこれは、語ることで母が自分の人生の意味づけをし直しているのではないかと思いました。
誰しも語るべき物語がある。もちろん僕にも。そしてそれを聴いてくれる人がいることで生きてきたことの意味がしっかりと感じることができるのではないかと、思うのです。

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