見出し画像

自分を恥じたこと

さっき道を歩いていたら10メートルほど先にリーフレットを手にした(見るところ)年配の女性がこちらの顔を伺うように立っていました。僕は勧誘とかアンケートとか、なんとなく嫌な予感がしていたのですが果たして「すみません」と声をかけてきました。
「○○○は知っていますか?」(その人はマスクをしていたからか、はっきり聞き取れなかった)
僕は反射的に
「知りません」
と手を顔の前で振って、相手の顔も見ず返答しました。

2~3歩歩いたところでその人が「○○「ビル」は知っていますか?」と言っていたように思えて、ふりかえり後戻りしながら
「ビル…?」
と聞き返しました。すると
「はい、SRビルというのですけど」
と手元のリーフレットを見ながら。
見せてもらうとそれは皮膚科クリニックのリーフレットで地図が書いてありました。実は、そのビルは僕らが会話している真横にあるのでした。ただ、入り口が少し歩いた先にあるようで、そのことをお伝えしたところその人は礼を言って歩いて行きました。

すぐに自分がすごく恥ずかしくなって今しがたの言動を後悔しました。何かの病気でひとりで初めて訪れる病院。でもその場所がわからない。そんな方に対してあの態度はなかった。結果として入り口をお伝えすることはできても、僕がにべもなく通り過ぎた瞬間、あの人はどんな気持ちだっただろう。
話を聞いているときに合わせた、その人の目が忘れられない。

本当はその時すぐに自分の態度をお詫びすべきだったのだろうけど、それもしませんでした。今のこの気持ちをどうしたらいいか。せめて誰かに知ってもらいたくてnoteに書いています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?