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【 #メタスカVR 】横須賀市がVRChatに進出!(後編:自治体におけるVR・メタバースの活用に関する一考察)

こんにちは、TSUBAKIです。
10/27(金)、横須賀市のメタバース企画「メタバースヨコスカ(以下、メタスカVR)」がVRChat内にオープンしました。

メタスカVRキャプション(横須賀市HPより引用)

VR界隈でのメタスカVRに関する記事は既に多くの媒体でリリースされていますのでここでは「横須賀ご当地VTuber」を前編として、「自治体におけるVR・メタバースの活用に関する一考察」を後編として記事にしていきたいと思います。
こちらは後編記事「自治体におけるVR・メタバースの活用に関する一考察」になります。

※筆者は横須賀市出身であり、かなり横須賀贔屓の記事となっています。
※他行政が行うVR(メタバース)事例を否定するものではありません。


VR(メタバース)の活用事例

 近年、自治体におけるVR(メタバース)の活用は年々増加している傾向にあります。
 自治体通信さんの2020年の6月の記事では代表的な事例として8事例が紹介されており、メタバース総研さんの2022年8月の記事では代表的な事例として22事例が紹介されています。これらの記事ではあくまで代表的な事例として紹介されているため、実際にはさらに多くのVR・メタバースが多くの自治体で推進されているかと思います。
 また、国土交通省はPLATEAUにおいて3D都市モデルを公開しており、官民連携で様々な事例に取り組んでいます。

自治体におけるVR(メタバース)とは?

 前述したとおり、2023年現在、多くの自治体がVR(メタバース)の導入を進めていますが、実証実験段階であるものが多いです(そもそも発展途上の分野ですしね)。また、オープンワールドで常設している自治体は少ないと思われます(数分間の検索ですが)自治体では「自由度が希薄であるな」というのが筆者の見解です。

民間におけるVR(メタバース)とは?

 一方で、民間ではバーチャル渋谷やバーチャル大阪の様にワールドが展開され「リアルとの関連性があり、自由な活動ができる」というのが筆者の見解です。BEAMSではファッション展開をしており、また、VRプラットフォームαUではまちの再現がされ、その中でイベントが行われています(筆者もαUのランキングイベントに参加経験があります)。

αU内のバーチャル渋谷・バーチャル大阪

 また、官民問わず、「VR(メタバース)、流行っているからとりあえずやってみよう」というのが現状にあるかと思っています。その結果かどうかは分かりませんが民間では約9割の事業が失敗に終わっているという記事もリリースされているのが現状です。

メタスカVRはどうなのか?

横須賀市は実はメタスカVRの前にVRワールドを公開している

 では、メタスカVRではどうでしょうか。まず、「メタバース流行っているからとりあえずやってみよう」という失敗を横須賀市は一度経験していると筆者は感じているので、この点に関しては問題ないかと思われます。実は横須賀市はメタスカVRを開始する以前に国土交通省のPLATUEをベースにした3D都市モデルを2023年4月に公開しています。みなさん、ご存じでしたか?

横須賀中央駅3D都市モデル

 筆者はリリース当初、「横須賀もVR活用をついに始めたか!」と楽しみにし、どのような展開がなされていくのだろうとチェックを続けていました。その結果、現在まで音沙汰なしのような状況になっています(まぁ、元々の担当する課も違いますし、制作意図も違うので一概に「失敗を学んだ」と言うのは暴論かもしれません)。

メタスカVRの挑戦

 それではメタスカVRにフォーカスしていきたいと思います。
 「自由な活動・リアルとの関連性がある」について、これには挑戦が必要になってくると思います。これについては行政が作成したVR(メタバース)では国内行政のVR(メタバース)で初めての事例を多く作っていると感じています。例えば下記の3つになります。
1.BOOTHでのスカジャンや地場のフード・ドリンクのフリー販売

リアルのスカジャン作成者とバーチャルファッション作成者による共同制作されたスカジャン

2.ドブ板通り及び三笠公園の再現及びVRらしさの融合

リアルでも使用されているドブ板通りのタペストリー

3.戦艦三笠の再現

戦艦三笠の甲板から

自治体で名勝や有名な観光地の再現を行っている事例はありますが、ここまでVRの世界とリアル世界の融和を果たしたものはこれまで見たことがありませんでした。
 また、VRChatで公開されており、2023/11/4には音楽イベントも開催され、VRユーザーが求めていることを理解したうえで制作・活用しているなと感じました。

メタスカVRから見る今後の行政のVR(メタバース)活用の在り方

餅は餅屋ということ

 これまで、VR(メタバース)において、様々なイベントやワールドが作成され、その度にいわゆるVR界隈においてトレンドに上がったことはありました。しかし、行政が主導となったVR(メタバース)がトレンドに上がったことはあったでしょうか。筆者としてはなかったと思います(あったとしても一時的なイベントが占めていると思います)。
 このようなことにつながった要因としてはこれまで公共事業がいわゆる「箱ものづくり」であったのが、官民の連携が生まれ、特に民間(VRユーザー)に多くを委託した結果であると考えています。いわゆる「餅は餅屋」というものです。

メタスカVRを機に他の行政にも挑戦してほしい

 他の行政のVR(メタバース)事業において、ここまでトレンドに上がらなかったのは「餅は餅屋」に徹し切れてなかった点もあるのではないでしょうか。VR(メタバース)という予想が出来ないクリエイティブの世界に守りに入っていたのではないでしょうか。
 このメタスカVRの事例を機に他の行政においてもVR(メタバース)で多くのクリエイティブが生まれ、そのまちの活性化に繋がっていけばいいなと思います。

おわりに

 ここまでメタスカVRをべた褒めをしてきましたが、まだ公開されてから1ヶ月も経っていないまだひな鳥のような状況です。今後の活動等によってこれまでの行政が行ってきたVR(メタバース)事業の様になってしまう可能性も十分にあり得ます。
 今後、東京湾に浮かぶ唯一の自然島である猿島のワールドを展開されるというので期待は大きいです。個人的な意見としては横須賀はベース(米軍基地)があり、海外の方にも訪れてもらえるワールドになればいいなと思っています。そして、更に多くの人に横須賀の魅力が伝わっていけばいいなと思って記事を締めたいと思います。

2023/11/12 TSUBAKI

【参考HP】
メタバースヨコスカ グランドオープン&3Dアイテム配布開始!(市長記者会見)(2023年10月27日)
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/2150/2720231027metaverse.html

※言葉足らずな点や身分をオープンにしていないことで文章の意図が伝わり切れていない可能性もあります。コメントにてご指摘いただければ幸いです。

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