【あっさじーん伝記】 遊図名物・超同卓希望
前回の話
イキリ暴走機関車のあさじんがこんな発言をしていた。
これに対する私の返信が以下。
「訳あって勤務に入れない」と書いたが、この訳とは実は「遊図へ遊びにいくから」である。
この返信によりフィリアは来ないだろうと余裕こいているはずのあさちゃんにドッキリをしかけるため、かもしん氏、稚児さんの二人を誘って遊図に突撃することにした。
彼にはどんなときも気を緩めず初心を忘れずに仕事をしてほしい。そういう願いを込めて、基本的に私や森くんがいくときは内緒にしている。
しかも、今回はセットの利用ではなくフリーの超同卓希望である。超同卓希望とは「お客さんが来ても抜けさせないぞ」という強い同卓希望のことだ。遊図のあさじん勤務時限定のオプションである。
*
8月7日 金曜日 13時20分
開店してまもなく遊図へ着弾。かもしん氏はすでに待ち席で待機していた。
私 「あさじんさんこんちは!それじゃやりますか!」
あさ 「・・・・・・」
他にお客さんはおらず、かもしん氏、私、あさじん、メンバーTMくんの4人でフリー卓を立てることになった。澤田さんと高橋くんは離れたところから眺めている。
澤田 「あさじんくんは幸せものだねぇ!開店と同時に2人も来てくれるなんて!羨ましいなぁオイ!!」
あさ 「・・・・・・高橋くん、あの、ひまなら打ちません?」
高橋 「僕はもう帰るところなんで」
澤田 「高橋くんが入るとしてもきみが抜けちゃダメでしょ。きみに会いに2人が来てくれたんだから。気持ちを蔑ろにしちゃダメ」
私 「あさじんさん、素晴らしいもてなしをありがとうございます」
あさ 「 灰 」
もうひとりのメンバーさんであるTMくんを加えても、この空間は完全に「あさじん1人 VS 残る5人」の構図が出来上がっている。これこそが遊図名物・超同卓希望だ。その団結力は固く、ここにお客さんが来店したらサンマ卓を立てるまである。
さっそくゲームが始まる。
私 「今日はもう少ししたら稚児さんも来ます。森くんは予定あって来れないみたいです」
それを聞いた澤田さんが、別卓の掃除をしながらチャチャをいれてくる。
澤田 「森は来ないんだってよぉ!あさじんくん良かったなァ!あいつは本当にひどいやつだな!20歳も年上のキミに対して生意気すぎるよな!!森はホントわるい!!僕だけはキミの味方だからよぉオイ!」
私 「あさじんさんあの人こそ敵だから気をつけてね」
あさ 「・・・・・・」
私のギャグを完全にスルーし、彼は自らの体に電気を流して体を震わせた。
あさ 「・・・・・・あっ!!!!」
かも 「どうしました?」
あさ 「澤田さんっ!澤田さんっ!」
あさじんはそう言って指で丸をつくり、ドリンクサーバーの近くにいる澤田さんに合図した。
澤田 「ん?なに?」
あさ 「おかねっおかねっ」
澤田 「ああ、給料?わかった」
あさ 「はい。ああ、いや!!お客さんの前で生々しい話はよくないです」
澤田 「きみが言い出したんだろ」
あさ 「 灰 」
私 「まあセット卓みたいなものですから、気にしなくていいですよ」
あさ 「ハイ」
私 「でも場の雰囲気に気を使えるのは偉いですね」
あさ 「ハイ」
彼が壊れたロボットのように同じトーンで繰り返すこの「ハイ」は、返事としてのハイではない。モノを渡すときのハイと同じイントネーションだ。
一見すると会話になっているようにもみえるが、実は返事としては全く成立していない。こちらがキャッチボールのつもりで投げたボールをただ下に叩き落としているだけなのだ。ここまで人の話を聞いてなさそうな「ハイ」は出くわしたことがない。遊図で彼の接客を受けた際は是非、これに注目して楽しんでいただきたい。
*
かも 「ロンゴッパー、ツモ61オール、ツモ42オール、5万点DEATH」
第1ゲームはかもしん氏が東発親番で一生アガり続け、東1局2本場で5万点終了。あさじんは席順2着でマイナスとなった。
あさ 「ハイ!ラストデス!ご優勝はかもしんさんです!」
あさちゃんはメンバーとしての仕事を一生懸命こなした。
卓に入ったお客様にはおしぼりを用意し、
ゲーム前には「本走ですよろしくお願いします」
南入時には「ハイ!南入です!」
ラス前には「ラス前です!みなさま最後まで頑張ってください!」
基本的なことだが、基本をしっかりやるというのは「自分は仕事に一生懸命です」というアピールになる。これは大切で本当に素晴らしいと思う。どうしてここまで持ち上げるかというと、これ以降の話はヤバいアクションだらけになるからに他ならない。
*
第2ゲームはメンバーTMくんに変わって三鷹の王 澤田さんが本走。あさじんに対する煽りの距離が物理的に近くなった。
ゲームが始まるとすぐにかもしん氏がセンニセンの3枚をツモり、小銭がなくなったあさじんが澤田さんに5000円札を差し出す。
あさ 「すみません、両替おねがいします」
澤田 「はいよ、細かいの込み?」
あさ 「え、えーと、4000円4枚とぉ・・・」
澤田 「いや増えすぎでしょ」
あさ 「あ、5000円札4枚とぉ」
澤田 「もっと増えてるじゃん。どんな概念よ」
あさ 「あっあっ」
あさじんは受け取った1000円札4枚と小銭を確かめ、そそくさとポケットに放り込む。
かも 「あの、チップ3枚ください」
あさ 「あっ!」
かも 「なんで両替したの」
あさ 「 灰 」
彼は前日にこんなツイートをしていた。
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