第10話 期待値の鬼
「このあと、ご飯なに食べに行こうか?あさじんさんは何か好きなものある?」
マイティフィーバーの最中、私は彼に訊いた。
あさ 「ちょ、ちょ、△#?%◎&@」
彼は手牌に夢中だった。
始めのころは「ちょっと待って」すら言えず完璧なスルーを見せていたが、注意するごとにスルー頻度が減ってきた。圧倒的な成長だ。
私はしばらくしてから訊き直した。
あさ 「肉は好きです」
あっさじーんさんは高貴なため、食べられないものが多い。
海や川に生息する生物はイクラ以外食べられない。
野菜も基本的にほぼ食べない。
肉も内臓系は食べない。
キノコ類も当然食べられない。たけのこもキノコ類だと思っていたため、食べられなかったくらいだ。
「そうなんだ、じゃ、一頭両騨に行こうか。美味しいとこだよ」
あさ 「安安じゃないんですか?」
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